陳旧性アキレス腱断裂とその原因|初診時の見逃しに要注意!!

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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

本日の夕方からは当直当番で救急車の対応をしています。忙しくなり過ぎないことを祈ってブログを書いています。

さて、今日はアキレス腱断裂シリーズです。

今まで触れていなかった陳旧性アキレス腱断裂についてまとめていきます。

陳旧性アキレス腱断裂を診たことがありますか?あまりないという方も多いのではないでしょうか。

しかし、陳旧性アキレス腱断裂はその原因の半数は初診時の見逃しであり、足の外傷の診療にあたる者、特に整形外科医としては必ず頭に中に入れておかねばならない外傷の1つです。

というわけで、この記事では陳旧性アキレス腱断裂とその原因についてお話しし、もう一度、アキレス腱断裂の診断についてまとめていきます。

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陳旧性アキレス腱断裂とは

まず、陳旧性アキレス腱断裂の定義について確認しておきましょう。

受傷後3週間以上経過したアキレス腱断裂例が陳旧性アキレス腱断裂とされています。

アキレス腱断裂は整形外科診療においては日常的に遭遇する外傷ですが、そのほとんどが新鮮例であり、陳旧性アキレス腱断裂を経験することは決して多くはありません(というか、ほとんどありません)。

しかし、整形外科医はもちろんのこと、接骨院の先生に必ず知っておいて欲しいのは、

陳旧性アキレス腱断裂の多くが初診時の見逃しが原因で陳旧姓となっていることです。

生田らは、12例中6例(50%)が初診時の見逃しであり、そのうち4例は整形外科での見逃しであったと報告しています。
( 生田拓也.整形外科と災害外科.2008 )

また、生田がその後に経験した5例中2例(40%)も初診時の見逃しであったことを報告しています。
( 生田拓也.整形外科と災害外科.2015 )

つまり、計17例中8例(47.1%)と陳旧性アキレス腱断裂の約半数が初診時の見逃しが原因となっているのです。

昨年参加した足の外科学会の教育研修会でも、足関節捻挫に合併したアキレス腱断裂は見逃しやすいため、注意が必要であると注意喚起されていました。

「第9回足の外科学会教育研修会」体験記

2016.08.18

また、昨年の足の外科学会の発表で、足関節骨折に合併したアキレス腱断裂の症例報告がありました。確かに、足関節骨折があればそれで満足してアキレス腱まで注意して診察しない可能性は十分にあるだろうなと思わされました。

陳旧性アキレス腱断裂の診断

陳旧性アキレス腱断裂を見逃さないためには、初診時の診察が最も重要です。

陳旧性アキレス腱断裂の診断は基本的には新鮮例と同様です。もう一度、新鮮例のアキレス腱断裂の診断に関して、下の記事で確認して下さい。

アキレス腱断裂の症状・画像診断・スポーツ現場での対応・治療

2016.05.01

異なる点は、陳旧性アキレス腱断裂では足関節底屈力低下を主訴に受診されることが多いという点でしょうか。

アキレス腱断裂の診断は容易であり、アキレス腱部の陥凹(図1)およびThompson’s testで足部の底屈が起こらない(図2)ことが確認できれば確診となります。

アキレス腱断裂 写真
図1:アキレス腱断裂の肉眼的所見


図2:Thompson test(正常では腓腹筋筋腹を手で握ると足部が底屈する)

簡単な問診およびレントゲンのみの診断が見逃しにつながってしまった可能性が考えられ、詳細な問診および視診、触診が行われればアキレス腱断裂を見逃すことはないでしょう。

繰り返しになりますが、陳旧性アキレス腱断裂は初診時の診察を丹念に行っていれば防げるものであり、診療にあたる者、特に整形外科医としては見逃してはならない外傷だと思います。

おわりに

以上、今回は陳旧性アキレス腱断裂とその原因についてお話ししました。

新鮮例を見逃して陳旧性アキレス腱断裂になると何が困るかというと、新鮮例と違って治療が大変になる点です。

ここに関しては次回お話ししていきます。

陳旧性アキレス腱断裂・アキレス腱再断裂の治療法

2017.01.10
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