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アキレス腱断裂の症状・画像診断・スポーツ現場での対応・治療

 
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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

 

さて、今日はレスターVSマンチェスター・ユナイテッドの試合がありますね。

レスターは今日勝てば2試合を残しての自力でのプレミアリーグ優勝が決まります

もし、負けたとしても現在2位のトッテナムがチェルシーに破れれば優勝が決まるんですけどね。

前節に引き続き、チーム得点王のヴァーディーは出場停止中です。

最後に日本代表の岡崎選手が決勝点を決めて、優勝を決めてくれたらいいですね。

今日の試合は観戦しやすい22時キックオフです。

テレビ契約していなくてもニコニコ生放送で観戦できますので、ぜひ奇跡の瞬間をみんなで見届けましょう!!

 

さて、今日は先日の続きで、アキレス腱断裂に関してやっていきます。

今回は

  • アキレス腱断裂の症状・診察
  • アキレス腱断裂の画像診断
  • スポーツ現場での対応
  • アキレス腱断裂の治療

に関してまとめていきます。

Contents

アキレス腱断裂の症状・診察

アキレス腱が断裂している場合、肉眼的にわかることも多いです。

先日の救急外来を受診された患者さんも肉眼的所見で「あぁこれはアキレス腱切れちゃってるな」というのが一目でわかりました。

 

肉眼的にはアキレス腱部の陥凹を認めます(図1)。

また、同部位は触診でもアキレス腱の連続性が確認できず、陥凹を触知します。

わかりにくい場合は健側と比較するようにしましょう。

アキレス腱部の陥凹を認める場合は診断は容易であり、それ以上の特殊な検査は必要ありません。

アキレス腱断裂 写真
図1:アキレス腱断裂の肉眼的所見

 

また、身体診察としてはThompson testがあります。

Thompson testは腓腹部の筋腹を足部の底屈があるかをみる検査です。

正常だと腓腹筋筋腹を手で握ると足部が底屈します(図2)。

しかし、アキレス腱が断裂していると腓腹筋筋腹を手で握っても足部の底屈が起こらないためアキレス腱が断裂していると診断できます。


図3:Thompson test(腓腹筋筋腹を手で握ると足部が底屈する)

 

ちなみに、アキレス腱が断裂していたとしても、患者さんは足関節を底屈できるし歩行が可能な場合もあります

これは、アキレス腱ではなく足底筋が働くためですね。

 

足関節の底屈ができるし歩行もできているから、アキレス腱は大丈夫と勘違いしないようにしましょう。

よせやん

ただし、アキレス腱が断裂している場合は、つま先立ちができなくなります

診断に迷った場合、痛くてかわいそうではありますが、つま先立ちをさせてみましょう。

アキレス腱断裂の画像診断

では、続いてアキレス腱断裂の画像診断についてみていきましょう。

超音波検査

画像診断として、まずやるべきなのは超音波検査(エコー)でしょう。

 

アキレス腱は皮下にすぐ存在するので、エコーで見るのは容易です。

エコーのプローブを当ててアキレス腱を追っていき、連続性が断たれるところがないかを確認します(図2)。

アキレス腱断裂 エコー
図2:アキレス腱断裂の超音波検査所見

MRI検査

そして、確実に診断するためにはMRIはやはり有用です(図3)。

 

MRI画像所見としては、部分損傷ではアキレス腱の狭小化が認められ、周囲に血腫と思われる液体貯留を認めます。

また、断裂した近位端の腱が後退してコルク栓抜き様の蛇行を認めることもあります。

アキレス腱断裂 MRI
図3:アキレス腱断裂のMRI所見(脂肪抑制T2強調像)

上のMRI画像では、アキレス腱の途絶が認められ、高信号域となっています。

スポーツ現場での対応

続いて、スポーツドクターとして必要なスポーツ現場での対応です。

 

基本的にはRICE療法に従います。

 

そして、軽度底屈位でシーネなどで固定します。

なぜ底屈位かというと、アキレス腱の緊張を弛める肢位だからです。

 

そして、炎症・腫脹を最小限に留めるためにアイシング、松葉杖もしくは車いすなどで免荷して病院へ搬送しましょう。

アキレス腱断裂の治療

アキレス腱断裂は保存療法でも手術療法でも治癒します。

断裂早期に治療を行えば、いずれの治療を選択しても6ヶ月後の経過は変わらないとされています。

 

しかし、それぞれの治療にはメリットとデメリットがあります。

これらを理解した上で治療方法を決定すべきでしょう。

 

保存療法は再断裂のリスクが比較的高いと言われています。

一方、手術療法の場合は術後感染に注意する必要があります。

アキレス腱はそもそも血流が少ないのでしたね。したがって、感染すると難治性となる可能性があります。

 

ただし、復帰期間の短縮と機能回復には、近年推奨されている早期リハビリテーションが可能な手術療法が明らかに優れています
( 内山英司.日臨スポーツ医会誌.2004 )

よって、アスリートの場合には、このことや再断裂のリスクを減らす意味でも手術療法を行うことが多いです。

 

追記(2018年11月29日):近年では保存治療・手術治療ともに早期運動療法が行われるようになってきており、再断裂率や復帰時期に関しても有意な差はないと言われるようになってきています。

ただし、保存療法の場合、エコーのなどで断裂した断端同士がしっかりと寄ることは確認しておく必要があります。

確実性・安心感という意味から、僕は今もアクティビティの高い方には手術療法を勧めています。

おわりに

以上、今日はアキレス腱断裂の診察・画像診断・スポーツ現場での対応・治療についてまとめました。

次回、リハビリテーションと再発予防についてまとめる予定です。

手術療法の縫合方法についても余裕があれば記事にしたいと思います。

 

 

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