野球とスポーツ傷害|傷害マップと代表的なスポーツ傷害

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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

昨日のEURO2016の決勝戦を見ましたか?僕も眠くてウトウトしながらも4時に起きて見ていました。ポルトガル代表のエースであり主将クリスティーノ・ロナウドが、前半7分にフランス代表のパイエ選手の激しいチャージを受けて左膝を負傷し、一度は左足にテーピングを巻いてピッチへと戻ったものの、痛みをこらえきれずカウンターの局面でも足を引きずって走れない状態になってしまいました。

そして前半25分にまさかのロナウド途中交代となりました。この時点で、もうポルトガルはダメだろなと正直思っていました。しかし、この負傷がチームの団結力、そして勝ちたい気持ちをよりいっそう強く固いものにしたのでしょう。

ロナウドを欠いて、受けに回る時間が多かったものの、フランス代表に得点を与えず、試合は0−0のまま延長戦に突入しました。
そして、延長後半4分にポルトガル代表FWエデルが決勝点となるミドルシュートを決めて、ポルトガル代表がEURO初優勝を決めました。サッカーって、そして、スポーツっていいなってまた思わせてくれた試合でした。

さて、今日は競技別のスポーツ傷害についての記事です。

今回は「野球とスポーツ傷害」についてまとめます。

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野球の競技特性

野球選手のの故障は競技力に直結します。

以前は、野球をしていたら肩や肘は壊れるものと考えられており、一度傷害を受けた肩や肘は元には戻らず、競技を継続することは難しく、引退を余儀なくされるケースがほとんどでした。

しかし、最近は鏡視下手術などで治療し、スポーツ復帰を果たす例が増えてきています。

とは言うものの、野球選手の治療は長期の治療期間を要するため、リハビリテーションから競技復帰までをスムーズに行っていくことが重要です。

そのためには、

診断から治療、リハビリテーション、復帰に向けてのトレーニングなどにおいてドクター、理学療法士、トレーナーの共通の理解、十分な連携が必要です。

今日は、この野球の競技特性踏まえて、野球ではどのような部位にどのようなスポーツ傷害が起こることが多いのか勉強しましょう。

野球の傷害マップ

医療機関を受診するような傷害は圧倒的に上肢に集中しているのが野球の競技特性です。

日本鋼管病院整形外科スポーツ外来に2012年までに受診した野球選手は延べ8,204名であり、傷害部位(傷害マップ)を調べると、肩関節が3,477名、肘関節が2,921名と圧倒的に多く、腰部が456名、膝関節が452名、手関節・手が387名であったと報告されています。

これをパーセンテージに直すと以下のようになります。

野球の傷害マップ

  1. 肩関節:39.9%
  2. 肘関節:23.7%
  3. 腰部:8.2%
  4. 膝関節:7.2%
  5. 手関節・手:2.4%

いかに上肢に集中しているかがわかるかと思います。

そして、野球の動作は投球や打撃でも身体をひねる動作が多いため、腰部の傷害が肩関節、肘関節に続いて多くなっています。

野球に多いスポーツ傷害

では、野球では具体的にどうようなスポーツ傷害が多いのでしょうか。

部位別に代表的なものを紹介します。

肩関節

肩インピンジメント症候群

野球による肩インピンジメント症候群は、大結節が肩峰にぶつかるのではなく、上腕骨頭が前方に偏位して、鳥口肩峰靭帯にこすれて肩峰下滑液包の炎症を起こす疾患です。

ボールの投げ過ぎが原因ですが、いわゆる手投げの状態を繰り返した結果、引き起こされる病態とも考えられます。

SLAP lesion

SLAPとはSuperior Labrum from Anterior to Posteriorの略で、SLAP lesionとは上腕二頭筋長頭腱の関節窩付着部周囲の関節唇損傷のことを言います。

投球動作や上肢荷重の繰り返しによって起こります。

リトルリーグショルダー

上腕骨近位端に骨端線離開を伴う投球障害肩のことです。

その病態は、繰り返す投球によるストレスで生じる疲労骨折です。上腕骨近位端骨端線閉鎖前の小学生高学年〜中学生に好発します。

肘関節

野球肘

骨端線閉鎖前では、外側型の上腕骨小頭離断性骨軟骨炎内側型の上腕骨内側上顆骨端核の裂離・分節を起こすことが多いとされています。

肘内側側副靭帯損傷

骨端線の閉鎖した高校生以降の選手で特に投手やレベルの高い選手が受傷することが多いと言われています。

その他の部位

有鉤骨骨折

バットスイング時に、バットのフリップエンドが有鉤骨の鉤に当たって骨折します。

1回のスイングで起こるスポーツ外傷の場合と、繰り返しで起こる疲労骨折のスポーツ障害の場合があります。レントゲンではわかりにくく見逃しに注意が必要です。

疲労骨折

野球では投球や打撃動作時に身体をひねるため、これを繰り返し行うことにより肋骨などの疲労骨折を起こすことがあります。特に第1肋骨には斜角筋などの首を動かす筋肉が付着しており疲労骨折が起こりやすい部位として知られています。

その他にも、ピッチングによる肘頭疲労骨折、バッティングによる手舟状骨疲労骨折などが起こることもあります。

参考図書

以上、今回は野球とスポーツ傷害についてまとめました。

競技特性と合わせて考えると、そのスポーツ特有のスポーツ傷害を理解することができますね。今後もスポーツ種目別に、起こりやすいスポーツ傷害を紹介していこうと思います。

サッカーとスポーツ傷害

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