大腿二頭筋の解剖学的知識まとめ|作用から肉離れが多い理由まで全て解説!

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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

今日は仕事を終え次第、JOSKASに参加するため博多へ出発する予定でした。午前中はBTBを用いたACL再建術の手術がありました。BTBのACL再腱術は、STGを用いた二重束再腱術と手技が全然違うので、非常に勉強になりました。昼からは再診外来でしたが、終わったら結局17時くらいになっていました。それから病棟だけちらっと回診して、急いで出発し、現在、新幹線の中です。

僕は、新幹線の中の時間がとても好きです。自分の好きに使える時間で、寝るも読書をするもブログを書くも自由です。飛行機で行った方がもちろん早いですが、僕はいつも新幹線です。今日は後輩の研修医の先生も一緒なので、後輩が寝てからこっそりとブログを書いています。

さて、今日は解剖学シリーズです。

今日はハムストリングスの代表的な筋である「大腿二頭筋」について勉強していきます。

はじめに

運動器診療を行うにあたり、解剖学は切っても切り離すことができません。
解剖学の知識があって損することは絶対にないでしょう。

医学生時代には、解剖学の講義もあったし、解剖学実習もありました。
しかし、非常に残念なことながら、医学部2年生のときにやってその内容についてはほぼ頭に残っていないといっても過言ではありません。

解剖学の必要性を感じるようになったのは医者になってからです。
特に整形外科医として患者さんを診察・手術するうえで、解剖学の知識があることは大前提でなくてはなりません。
解剖がわかってないと診察の幅も狭まってしまうし、手術なんて怖くてできません。

僕自身の復習と勉強を兼ねて、1から解剖を勉強し直すつもりです。
それをみなさんにも還元できるように記事にしていきたいと思います。
医師のみならず、人体を相手にする仕事をしている方、スポーツ医学についてしっかりと勉強したい方は記事を参考にして解剖について勉強してみて下さい。

今日は代表的なハムストリングスの1つである「大腿二頭筋」についてまとめます。

覚えておくべき基本事項

というわけで、今日は大腿二頭筋についてまとめていきます。
今回も、まずは覚えておかなくてはいけない基本的事項から最初に整理します。

大腿二頭近の基本的事項

英語:biceps femoris

起始:長頭:坐骨結節と仙結節靭帯(半腱様筋の起始として合体して総頭となる)
           
短頭:大腿骨粗線(粗線中央1/3の外側唇)

停止:腓骨頭

作用:①股関節(長頭):伸展・矢状面内での骨盤の安定
   ②膝関節(筋全体):屈曲・外旋

神経支配:長頭:脛骨神経(L5〜S2)
     
短頭:総腓骨神経(L5〜S2)

ここに書いた筋の英語名、起始と停止、作用、神経支配はどの筋についても覚えておくべきことです。

大腿二頭筋

大腿二頭筋は、ハムストリングスの1つで、二関節性の「長頭」と一関節性の「短頭」から成ります。

英語では「biceps femoris」と書き、「バイセプス フェモリス」と読みます。bi−は「2」を表す接頭辞であり、cepsはラテン語のcaput「頭」に由来しています。

同じように名前にcepsが使用されている筋肉としては、大腿四頭筋quadriceps femorisや上腕二頭筋bicps brachiiなどがあります。単にbicepsと呼ぶと、より有名な上腕二頭筋を指してしまうようです。

大腿二頭筋は、大腿後方の屈筋群(ハムストリングス)の1つであり、長頭は二関節筋です。

股関節に対しては長頭が作用し、伸展・矢状面内での骨盤の安定に働きます。膝関節に対しては筋全体で作用し、屈曲・外旋に働きます。

ハムストリングスとは、大腿後方の屈筋群であり、起始が坐骨に、停止が脛骨にある大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の総称です。

これらの筋は大腿二頭筋短頭を除いて二関節筋(2つの関節にまたがって作用する筋)であり、股関節の伸展と膝関節の屈曲に作用するのでした。

ちなみに、肉離れのところで勉強しましたが、肉離れの好発部位はハムストリングスが最多で、大腿四頭筋、下腿の腓腹筋と続くのでした。これらの筋に共通していることは二関節筋であるということで、2つの関節を同時に屈伸させることによって、特定の筋肉での急激な伸張が起こりやすくなるのでしたね。

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では、下の図を見て、大腿二頭筋の走行と起始・停止をしっかりと覚えましょう。

大腿二頭筋の走行、長頭の起始部である坐骨結節と仙結節靭帯、短頭の起始部である大腿骨粗線、停止部である腓骨頭の位置を確認しておいてください。

大腿二頭筋 長頭 起始部
図1:大腿二頭筋の解剖図 長頭の起始部
船戸和弥のホームページ(相互リンク)より引用

大腿二頭筋長頭の起始部は坐骨結節と仙結節靱帯です。

仙結節靱帯は、三角形をした強大な靱帯で、坐骨結節よりおこり、内上方に扇形に放散して、下後腸骨棘、仙骨下半部の外側縁、尾骨につきます。

図1を見てもらうと、大腿二頭筋長頭は前回勉強した半腱様筋と同じ起始部ですね。長頭は坐骨結節と仙結節靭帯で、半腱様筋と総頭をつくって起こるわけです。今まで勉強してきたことと関連づけて覚えていきましょう。

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大腿骨 粗線
図2:大腿二頭筋の解剖図 短頭の起始部
船戸和弥のホームページ(相互リンク)より引用

そして、大腿二頭筋短頭の起始部が大腿骨粗線です。

図2に示した、大腿骨後縁の粗で幅広い線状隆起を粗線と呼びます。粗線の内および外側で稜状に隆起した部分がそれぞれ内側唇と外側唇で、栄養孔がこの両者の間に認められます。

大腿骨体の上1/3では粗線が3本の線状隆起として拡散し、逆三角形の粗線である後面を形成しています。ここまでいくとかなりマニアックですね。まあ、短頭の起始部が大腿骨粗線であることは覚えておきましょう。

大腿二頭筋 付着部
図3:大腿二頭筋の解剖図 停止部
船戸和弥のホームページ(相互リンク)より引用

大腿二頭筋長頭および短頭は合して二頭筋となり、腓骨頭に終わります。

腓骨頭は、腓骨神経麻痺のところでも勉強しましたね。腓骨神経麻痺に関する知識は、医療者にとって非常に重要です。
ついでに確認しておいて下さい。

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そして、最後に大切なのが神経支配ですね。

大腿二頭筋の支配神経は、長頭は脛骨神経(L5〜S2)、短頭は総腓骨神経(L5〜S2)です。

脛骨神経が支配している筋に関しては前回確認しましたが、脛骨神経は主に大腿と下腿の後方の筋を支配しているのでした。この中の例外が、大腿二頭筋短頭と大内転筋(深部)です。

大腿二頭筋短頭は、総腓骨神経が支配しています。ちなみに、大内転筋(深部)は閉鎖神経(L2〜L4)です。

解剖学のおすすめ教科書

プロメテウスでは、解剖学のかなりコアなところまで勉強することができます。また、表紙にもありますが、本当に綺麗なイラストが特徴です。医師として解剖学アトラスを購入するのであれば、プロメテウスが1番おすすめです。

僕もこれは整形外科医になってから購入しました。看護師、理学療法士、作業療法士などのコメディカルの先生方を含め、この本を購入して後悔している人には出会ったことがありません。

その他の解剖学の教科書についてはこちらの記事を参照してください。

解剖学のおすすめ教科書|用途、レベル別におすすめ教科書を紹介!

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おわりに

以上、今回はハムストリングスの1つである大腿二頭筋について勉強しました。

勉強を進めるごとに今までまとめたこととリンクしてきてしまって、記事のボリュームが増えていってしまいますね…。まあ、そうやって知識が絡み合ってくると、より知識は確かなものになってくるでしょう。

今後も筋肉や骨、神経について1つずつまとめていく予定です。よかったら自分と一緒に1つずつ勉強していきましょう。

明日から土曜日までは日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS)に参加する予定です。1つでも新しい知識を増やして帰ってきたいと思います。

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