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薄筋の解剖学的知識まとめ|起始・停止から作用、神経支配まで全て解説!

 
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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

よせやん

今日は深夜(11日午前4時から)EURO2016の決勝戦フランスVSポルトガルの試合があります。

決勝ともなるとさすがに観戦したいですね。てかします!

1975年以降、ポルトガルはフランスに勝利したことがなく、歴史が嫌な相手であることを物語っていますが、さてどうなるでしょうか。

民放のテレビ朝日で午前3時から放送していますので、ぜひ観戦してくださいね。

 

さて、今日は解剖学シリーズです。

運動器診療を行うにあたり、解剖学は切っても切り離すことができません。

解剖学の知識があって損することは絶対にないでしょう。

 

今回は、下肢筋の1つであり、再建靭帯として使用されることも多い「薄筋」について起始・停止から作用、神経支配まで全て確認しておきましょう。

Contents

はじめに

運動器診療を行うにあたり、解剖学は切っても切り離すことができません。

解剖学の知識があって損することは絶対にないでしょう。

 

医学生時代には、解剖学の講義もあったし、解剖学実習もありました。

しかし、非常に残念なことながら、医学部2年生のときにやってその内容についてはほぼ頭に残っていないといっても過言ではありません。

 

解剖学の必要性を感じるようになったのは医者になってからです。

特に整形外科医として患者さんを診察・手術するうえで、解剖学の知識があることは大前提でなくてはなりません。

解剖がわかってないと診察の幅も狭まってしまうし、手術なんて怖くてできません。

 

僕自身の復習と勉強を兼ねて、1から解剖を勉強し直すつもりです。

それをみなさんにも還元できるように記事にしていきたいと思います。

 

医師のみならず、人体を相手にする仕事をしている方、スポーツ医学についてしっかりと勉強したい方は記事を参考にして解剖について勉強してみて下さい。

よせやん

今日は下肢筋の1つである「薄筋」についてまとめます。

先日、「縫工筋」についてまとめたので、縫工筋と共に停止腱を作り鵞足を構成する筋からまとめてしまおうと思って、今回は薄筋をチョイスしました。

 

覚えておくべき基本事項

というわけで、今日は薄筋についてまとめていきます。

 

今回も、まずは覚えておかなくてはいけない基本的事項から最初に整理します。

解剖の基本事項

英語:gracilis

起始:恥骨結合下方の恥骨下枝

停止:脛骨粗面内側に鵞足(浅鵞足)となり付着

作用:①股関節の内転・屈曲
   ②膝関節の屈曲・内旋

神経支配:閉鎖神経(L2、L3) 

 

ここに書いた筋の英語名、起始と停止、作用、神経支配はどの筋についても覚えておくべきことです。

 

薄筋

薄筋は、大腿の最も内側で体表の直下を走っています。

大腿を外転すると、この筋の起始が皮膚下にはっきりと見えます。

 

英語では「gracilis」と書き、「グシリス」と読みます。

gracilisはラテン語のgracilis「細長い」に由来します。下の図を見てもらったらわかりますが、確かに細長く薄い筋ですね。

 

薄筋は、股関節内転筋群の1つであり、股関節の内転および屈曲・膝関節の内旋および屈曲に作用します。

ちなみに股関節内転筋群には外閉鎖筋、恥骨筋、長内転筋、短内転筋、大内転筋、小内転筋、薄筋があります。

そして、薄筋は内転筋群で唯一の二関節筋であることを知っておいて下さい。

 

二関節筋とは、2つの関節にまたがって作用する筋ということですね。

薄筋は上述の通り、股関節と膝関節のどちらにも作用しています。

ちなみに、薄筋以外で有名な二関節筋は大腿直筋ですね。

 

図を見て、薄筋の走行と起始・停止をしっかりと覚えましょう。

薄筋の走行、起始部である恥骨結合下方の恥骨下枝、停止部である鵞足の位置を確認しておいてください。

薄筋 解剖
図:縫工筋の解剖図
船戸和弥のホームページ(相互リンク)より引用

 

鵞足については、膝内側側副靭帯損傷の記事や先日まとめた縫工筋の記事で触れましたが覚えているでしょうか?

縫工筋(浅層)、薄筋および半膜様筋(深層)の末広がりの停止腱は1カ所に集まっており、その様子は鵞の足の水掻きが折れ重なったように見えるため、「鵞足」と呼ばれるのでしたね。

 

ついでに言うと、鵞足とMCLとは鵞足包で隔てられており、MCL浅層の遠位は鵞足下層に存在するのでした。

 

この鵞足を構成する半腱様筋と薄筋は上図で見てもらうとわかるように、停止部ではほぼ腱成分となっています。

そのため、この半腱様筋と薄筋はACL(Anterior Cruciate Ligament:膝前十字靭帯)を始めとする、さまざまな靭帯や腱の再建術のための移植腱として使われることが多くあります。

 

ACL再建術の場合はより太い半腱様筋が主に使われますが、半腱様筋だけで長さが不十分な場合に薄筋も使われることがあります。

当院では、陳旧性アキレス腱断裂の再建術にもこの半腱様筋や薄筋を使っています。

 

そして、最後に大切なのが神経支配ですね。

薄筋の支配神経は閉鎖神経(L2、L3)です。

 

閉鎖神経は股関節内転筋群を支配している、もしくは、股関節内転筋群はすべて閉鎖神経に支配されていると覚えておきましょう。

ちなみに、股関節内転筋群の中で、大内転筋は浅部を脛骨神経(L4)、恥骨筋は大腿神経(L2、L3)にも支配を受けています。

 

解剖学のおすすめ教科書

プロメテウスでは、解剖学のかなりコアなところまで勉強することができます。

また、表紙にもありますが、本当に綺麗なイラストが特徴です。

 

医師として解剖学アトラスを購入するのであれば、プロメテウスが1番おすすめです。

僕もこれは整形外科医になってから購入しました。

看護師、理学療法士、作業療法士などのコメディカルの先生方を含め、この本を購入して後悔している人には出会ったことがありません。

 

その他の解剖学の教科書についてはこちらの記事を参照してください。

おわりに

以上、今回は股関節内転筋群の1つである薄筋について勉強しました。

 

意外に知らなかったことがありませんでしたか?

勉強してみると何事もおもしろいですよね。

 

今後も筋肉や骨、神経について1つずつまとめていく予定です。

よかったら自分と一緒に1つずつ勉強していきましょう。

 

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