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膝関節鏡手術のポイント③内側ポータルの位置も超大事!

 
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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

よせやん

最近、膝関節鏡手術に慣れてきたのか、こうやって関節鏡を失敗するポイントをフィードバックして意識しているのがいいのか、以前と比較して確実に手術ができるようになってきた自覚があります。

この調子でしっかりと考えながらもっともっと膝関節鏡ができるようになりたいものです。

 

というわけで、今日も関節鏡コーナーをやっていきます。

前回、ポータルから関節内への方向は超重要!ということに関して、まず、外側ポータルから関節内への方向が大事っていうことについて、初心者が陥りやすいピットフォールを紹介しながらお話ししましたね。

 

今回は、内側ポータルから関節内への方向はもっと大事っていうことについて、今までと同様、僕のような初心者が陥りやすいピットフォールを紹介しながらお話していきます。

Contents

基本的なポータルの位置

もう一度、基本的なポータルの位置を確認しておきましょう。

基本的なポータルの位置は図1のように、外側膝蓋下ポータルと内側膝蓋下ポータルの2カ所だと思います。

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図1:膝関節鏡の基本的なポータル位置

関節鏡手術を行うときは、まず外側ポータルを作成し、そこから関節腔内に関節鏡を挿入します。

次に、関節鏡で位置を確認しながら内側ポータルの位置を決めて作成し、そこから関節腔内に向けて通り道を作成するのでしたね。

 

内側ポータルから関節内への方向

外側ポータルからいい位置で関節腔内へ関節鏡を挿入できたとしましょう。

となると、次は内側ポータルを作りにいきます。

 

内側ポータルの基本的な位置は、膝蓋靭帯を挟んで外側膝蓋下ポータルと対称の位置になります。

もちろん、外側ポータルのときと同様にここから関節腔内への道を作らなくてはいけません。

では、どんな角度、どんな方向で関節内への道を作ったらいいのでしょうか。

ここを適当に作ってしまうと、手術操作で非常に苦労することになり、これも自ら高難易度手術にしてしまっているケースになってしまいます

 

ピットフォール!!
内側ポータルから関節腔への通り道の方向が悪いと、その後の手術操作が格段にやりにくくなる。 

 

では、どういう場合がよくない場合なのか説明していきましょう。

下の図2を見て何がいけないと思いますか?

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図2:内側ポータルから関節腔への通り道のダメな例

 

これがダメな理由は、関節腔への通り道が外側に向かい過ぎているからです。

では、どうして外側に向かい過ぎているとダメなのでしょうか。

それは、以下のような理由です。

外側へ向かい過ぎるとダメな理由!!
  • 外側へ向かい過ぎていると内側の操作がめっちゃしにくい。
  • 外側ポータルの場合と同じで、膝蓋下脂肪体の中に入り込んでしまい、関節内が脂肪組織だらけで鏡視がものすごいやりにくくなってしまう。

 

関節鏡で使う機器は関節内に入れた後に、各方向に動かします。

つまり、関節内腔への出口が外側にある場合、そこから頑張って内側方向に向けなければいけなくなってしまうわけです。

 

前回お話しした、外側ポータルから関節腔内への通り道の話と同じく、内側ポータルを作ってから脂肪組織ばかりで全然見えなくなってしまったという場合は、脂肪体の中に関節鏡を突っ込んでしまっているピットフォールに陥っている可能性があると思います。

これも自分が最近陥ることが何度かあったピットフォールです。

同じような経験をしている先生もきっといることでしょう。

 

上手い先生の手術はそんなに滑膜や脂肪組織を掃除しなくても関節内がよく見えると思います。

よせやん

内側ポータルから関節腔へのベストの通り道

では、内側ポータルから関節腔への通り道はどういう方向に作ったらいいのでしょうか。

 

外側に向かわないようにだけ注意して作ったらいいのでしょうか。

いやはや、そんなに単純ではありません!

僕はその手術がどういう内容の手術かによって方向を考えるべきだと思います。

 

どういうことでしょうか。

例えば、内側半月損傷に対して縫合術・切除術を行う、つまり内側の処置を行うとしましょう。

その場合は、図3のような方向に通り道を作るべきです。

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図3:内側半月の処置をする場合

 

この図3のような方向に内側ポータルから関節腔への出口があると、内側での処置が容易に行えることは想像に容易いでしょう。

さらに言えば、内側ポータルの位置も図1の位置よりも少し内側寄りに作ると、より操作がしやすくなるでしょう。

そこら辺に関しては、ポータル位置についてお話しするときに詳細を語ります。

 

では、前十字靭帯(ACL)の再腱術の場合はどうでしょうか。

この場合、主な操作は顆間で行いますので、内側ポータルから関節腔内への通り道は図4のようであるべきです。

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図4:顆間の処置を行う場合

 

ACL再腱術などを行う場合は、内側ポータルからの出口が内側にありすぎると、逆に顆間での操作をするために器具の角度をつける必要が出てきてしまい、操作がやりにくくなります

これも想像できるのではないでしょうか。

またこの場合、内側ポータルの位置は逆にできるだけ外側(膝蓋靭帯ぎりぎり)にする方が手術操作はしやすくなりますよね。

 

ですので、これらのことから考えると、外側の処置を行う場合は、できるだけ外側に向けてポータルを作成すべきです。

ですが、膝蓋下脂肪体の中に突っ込まないようにすることを考えると、顆間に向けたポータルにしておいた方が無難かもしれません。

 

今回のまとめ

以上、今回は膝関節鏡手術のときのピットフォールとして、外側ポータルから関節腔内への方向の重要性についてお話ししました。

 

内側ポータルから関節腔内への通り道の作り方をまとめておきます。

内側ポータルから関節腔内への道の作り方
 

  • 内側だけの処置を行う場合
    内側に向けて通り道を作る
     
  • それ以外の場合
    顆間に向けて通り道を作る

※外側に向けすぎて膝蓋下脂肪体に迷入しないように注意する。

 

また少しずつ自分が今までに陥ったと思われる膝関節鏡手術のピットフォールについてお話しします。

あくまで教科書などにあまり記載されていないポイントに関して若手の僕が考えていることですで、もしもおかしなことなどがありましたらご指摘ください。

よせやん

 

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