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os subtibiale|足関節内果下端部に存在する骨端核の副核由来の過剰骨

 
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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんんちは。
若手整形外科医のよせやんです。

今日は大学病院の術前検討会の担当症例が脊椎の症例でした。なぜか脊椎に対しては苦手意識があるのか、いつも少し身構えてしまいます。苦手というか、あまり積極的に勉強する気になれないって感じです。

症例は腰椎変性側湾症に対するXLIF(脊椎前方固定術)でした。苦手なものこそ勉強しろってことで、脊椎についてもちゃんと勉強して、せっかくなのでここでまとめようと思います。

 

さて、今日は副骨障害シリーズをやっていきます。

以前、下の記事で副骨障害にどんなものがあるかまとめました。
今日はその中の、内果の副骨端核障害(os subtibiale)を取り上げて勉強してみようと思います。

Contents

os subtibiale

足関節内果下端部に存在する骨端核の副核由来の過剰骨をos subtibialeといいます。

足関節 副骨核
図3:足関節の副骨核

os subtibialeの発生頻度は1%と報告されています。

内果は7歳頃まで、軟骨で覆われており、15歳頃に軟骨内骨化が進行し、骨性の内果になります。

8歳頃になると20〜47%の頻度で内果下部に副骨核が出現することがあり、通常であれば軟骨が骨化するとともに癒合します。

しかし、スポーツなどによる牽引性骨端炎などにより、内果と副核を連結している骨端軟骨の連続性が失われることにより、os subtibialeが発生すると考えられています。

症状・診断

足関節内果下端に疼痛と圧痛を認め、走行・運動などにより疼痛は増悪します。

外がえしストレスにて疼痛が誘発されます。

os subtibialeは内果骨折との鑑別が重要です。

よせやん

内果骨折では、鋭利な面が存在し相対する果部が切り取られたような形状であるのに対して、os subtibialeは辺縁が丸みを帯びており骨皮質に覆われています(図1)。

os subtibialeと内果骨折の鑑別
  • os subtibiale:鋭利な面が存在
  • 内果骨折:辺縁が丸みを帯びている

os subtibiale レントゲン
図1 os subtibialeと内果骨折の鑑別(左:os subtibiale 右:足関節果部骨折)

内果骨折のいいレントゲン画像がなかったので、また見つけたら貼り替えます。

CT検査では内果下方に丸い骨としてはっきりと同定できます(図2)。

os subtibiale  CT所見
図2 os subtibialeのCT画像

MRIでは、os subtibialeと内果下端の骨髄浮腫や周囲組織の浮腫・液体貯留を認めます。

治療

分離骨の存在自体が必ずしも症状を生じさせるわけではなく、外傷・運動によるOveruseを契機に症候性(骨片が付着靱帯に牽引されるか、稀にインピンジして疼痛が誘発される)となり治療対象となります。

治療はまずは保存療法を行います。

小児の早期発見の内果副核の癒合障害では、3〜4週のギプス固定を行い、骨癒合を目指します

成人に発症したOs subtibialeは、急性期では3-4週間のギプス固定にて症状の消失が見込まれますが、急性期以降ではアーチサポート内側ヒールウェッジなどの足底挿板を用いた保存的治療が行われます。

保存療法が無効の場合には、手術療法を考慮します。

手術は骨接合術または骨片摘出術を行います。

骨接合術では、tension band wiringまたはスクリューを用いた固定を行い、ドリリングや骨移植を併用します。骨片摘出術は三角靭帯を線維方向に分けて行い、同時に靭帯再腱術を併用します。

近年では、鏡視下骨片摘出術も施行されるようになってきています。

参考図書

足の外科のバイブル的な教科書です。

おわりに

以上、今回は内果の副骨端核障害であるos subtibialeについて勉強しました。

また、他の副骨障害についてもまとめていく予定です。

 

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