シーバー病(Sever病)|踵骨後方の骨端症!解剖・症状・治療まで

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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

1月31日よりfacebookでは過去の記事①、②とその日の記事の3回配信、LINEでは過去の記事とその日の記事の2回配信をしています。
もっと配信が少ない方がいいなどの希望がもしありましたら、ご連絡下さい。facebookも2回配信でいいのかなぁとは思ってますが、試行錯誤中です。

さて、Sever病って聞いたことありますか?

Sever病は、僕が今年外来をやってるときに野球少年を診察した際に、画像を見て「なにこれ?」ってなった疾患です。画像見たら骨端症だろうなというのは予想できるので、何も問題はありませんでしたがそれまで全く知りませんでした。

というわけで、今日は昨日勉強した骨端症の1つである「Sever病」について勉強していきましょう。

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解剖

最初に解剖だけ確認しておきましょう。

最も大きな下腿三頭筋は大腿骨顆部に起始する腓腹筋と、脛骨上部に起始するヒラメ筋が合体して、身体で最も大きくて強いアキレス腱を形成して踵骨後方突起に付着します(図1)。

足底腱膜は踵骨隆起から起こり、中足骨頭・基節骨底に付着します(図1)。

足 解剖
図1:船戸和弥のホームページ(相互リンク)より引用

余談(アキレス腱の命名)

ギリシャの英雄アキレスの唯一の弱点が踵にあったことから名づけられました。アキレスとはホーマーの叙事詩イリアドIliadの主人公でギリシャの英雄です。

彼が将来トロイとの戦いで戦死するだろうという予言を聞いた母のテーティスThetis(海の女神)は、赤ん坊のアキレスをスティックス河(冥界の川)の聖流に浸して不死身のからだとしました。

しかしながら、そのとき母親がアキレスの足首をつかんでいたので、踵の所だけが魔法の水にぬれず、彼の唯一の泣きどころになってしまいました。

立派に成人したアキレスは、トロイ戦争でギリシャ軍に加わって、数々の武功を立てましたが、トロイの王子パリスParisが放った矢がアキレスの踵を射抜き、さすがの彼も倒れてしまいました。

降って1693年にベルギーの解剖学者P.Verheyenが切断された自分の足を解剖しながら、イリアドの故事を思い起こして、踵骨腱のことを初めてアキレス腱と名付けたといわれています。 

Sever病(踵骨骨端症)とは

踵骨は胎生24週頃に一次骨化中心が出現します。

それに対して、踵骨後部の骨端核は男児で7〜8歳、女児6〜7歳にならないと出現しません。骨端核はその後、14〜15際くらいで踵骨退部との癒合が完成します。

Sever病(踵骨骨端症)は、1912年にSeverが初めて報告した疾患で、骨端核が出現して癒合する前の8〜13歳(平均9歳)の小児に発症します。スポーツを行う男児に多いとされています。

病因については、繰り返されるアキレス腱と足底腱膜の拮抗する牽引力が考えられます。

すなわち、骨端線閉鎖前の骨端部に運動などによって小外傷が加わると同時に、繰り返される腱からの強力な牽引力が働いて発症すると考えられます。

骨端症のなかでは、本症の発生機序はOsgood-Schlatter病のそれときわめて類似したものと考えられます。

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症状・診断

症状

明らかな誘因はなく、運動時に踵部の疼痛を自覚します。発生後、数週間もしくは数ヶ月間経過してから病因を受診することが多いといわれています。

痛みにより、尖足位になっていることが多く、跛行を呈することもあります。局所の腫脹や熱感はそれほど著明ではなく、踵骨後方突起部の中央部と内・外側にも圧痛を認めます。

診断

X線写真では、踵骨骨端核の骨濃度上昇、分節化、扁平化、骨端線の不整や拡大を認めます(図2)。

ただし、正常変異で分節化や骨端線の不整などが存在するため、両側の踵骨骨端核のX線写真を比較した方がよいでしょう。

Sever病 レントゲンz
図2:Sever病のレントゲン写真(骨端核の骨濃度上昇、分節化、骨端線の拡大を認める)

MRIでは、STIR像や脂肪抑制T2強調像で骨端核の信号上昇を認め、炎症に伴う浮腫を同定することができます。

分節化している場合は、骨端核内に線状の低信号域が出現します。アキレス腱や足底腱膜に信号異常は出現しません。

鑑別診断

鑑別診断としては、以下のものが挙げられます。

Sever病の鑑別疾患

・achillobursitis interna(アキレス腱滑液包内炎)
・externa(アキレス腱滑液包外炎)
・血行性骨髄炎
・踵骨亀裂骨折

など

特に学童期に、踵骨骨端部付近に血行性骨髄炎をみることがあり、骨髄炎の発症初期の場合には注意を要します。

治療

治療は保存治療を行います。

具体的には、運動の中止と、靴底の柔らかい靴を着用させると、多くの場合には一時的に症状が寛解します。疼痛が強い場合には、免荷により局所安静をはかることもあります。

症状が持続する場合には、アキレス腱の緊張を弛める目的で靴の踵部を1cm前後高くしたり、足底板(インソール)の挿入が奨められます。

予後は良好です。

参考図書

足の外科のバイブル的な教科書です。

以上、今回は代表的な骨端症である踵骨のSever病について勉強しました。

1回見ると、もう忘れないですね。他の骨端症についても、順次まとめていきます。

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