症例から学ぶ「腰椎分離症」

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どうも、こんにちは。

昨日、今日はセンター試験ですね。
受けたのは…もう10年以上前の話です。
時間が経つのは本当に早いですね。

明日の早朝に本田選手が先発予定のACミラン戦があるので、明日は早起きしなくてはいけません。
ぜひとも頑張って欲しいところです!

さて、昨日まで2回にわたり成長期のスポーツ選手に多い「腰椎分離症」について勉強してきました。
今回は、実際の症例をみて、さらに理解を深めていきましょう。

関連記事:腰椎分離症①(解剖・概念・鑑別疾患)
関連記事:腰椎分離症②(病期分類、対応、予後・治療、リハビリ)

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腰椎分離症の治療

まず、前回勉強した腰椎分離症の治療について復習しておきましょう。

MRIのT2強調像で高輝度変化を認める症例に対しては、骨癒合を目指すため治療として、体幹装具(コルセット)の装着と、最低3ヶ月のスポーツ活動の休止を指示します。

3〜6ヶ月後に再度、CT検査を行い、以下のように対応します。
骨癒合が得られている→ストレッチング指導、スポーツ復帰
部分的骨癒合があり、完全な骨癒合が期待できる→治療を継続し、3ヶ月後にCT再検
6か月後に分離があり骨癒合の可能性がない→ストレッチング指導、スポーツ復帰

MRIのT2強調像で高輝度変化を認めない症例、成人(大学生以上)の症例に対しては、上述の通り対症療法を行います。
具体的には、薬物療法やリハビリテーション、分離部ブロック、伸展を制限する体幹装具などによる保存的な疼痛管理が主体となります。

症例1

症例:6歳 女児
既往歴:なし
スポーツ歴:体操
現病歴:幼稚園の体操教室で頻回にブリッジを行っていた。1か月前より腰痛出現した。腰痛軽減しないため近医受診したところ、腰椎分離症と診断され、当院紹介となった。
身体診察:L5棘突起に圧痛を認め、後屈により腰痛が増強する。下肢の神経学的異常所見なし。

画像所見:単純X線側面像および右斜位像にてスコッチテリアの首輪を認め、第5腰椎の分離症が疑われた(図1)。CT検査にて第5腰椎に分離を認め、進行期と考えられた(図2)。MRI検査ではT2強調像で椎弓根内の高輝度変化を認めた。T2強調脂肪抑制の方がより鮮明に所見を確認できる(図3)。

症例1 レントゲン
図1:単純X線像 第5腰椎の分離症が疑われる。

症例1 CT像
図2:CT像 第5腰椎に分離を認め、進行期と考えられる。

症例1 MRI像
図3:MRI像 椎弓根内の高輝度変化を認める。T2強調脂肪抑制の方がより鮮明に所見を確認することができる。

治療:硬性コルセットを装着させ、3ヶ月間の運動禁止を指示した。
経過:1ヶ月後に腰痛は消失した。3ヶ月後にCTにて分離部の狭小化を確認したため、現治療を継続した。6ヶ月後、CTにて分離部の部分的骨癒合を認めた(図4)。完全な骨癒合を目指し、治療継続中である。

症例1 6ヶ月後CT
図4:6ヶ月後のCT像 分離部の部分的骨癒合を認める。

症例2

症例:11歳 男児
既往歴:なし
スポーツ歴:硬式野球 練習は1日8時間 週2回 地区選抜レベル
現病歴:1週間前より、腰痛が出現した。軽減しないために当院受診となった。
身体診察:L5棘突起に圧痛を認め、後屈により腰痛が増強する。下肢の神経学的異常所見なし。

画像所見:単純X線では特に所見を認めなかった(図5)。CT検査では第5腰椎の右椎弓に亀裂を認め、分離症初期と診断した(図6)。MRI検査ではT2強調像で椎弓根内の高輝度変化を認めた(図7)。

症例2 レントゲン
図5:単純X線像 特に所見は認めない。

症例2 CT像
図6:CT像 第5腰椎の右椎弓に亀裂を認め、分離症初期と診断した。

症例2 MRI像
図7:MRI像 T2強調像で椎弓根内の高輝度変化を認めた。

治療:硬性コルセットを装着させ、3ヶ月間の運動禁止を指示した。
経過:1ヶ月後に腰痛は消失した。3ヶ月後にCTにて分離部の部分的骨癒合を確認し、ジョギングなどの運動を開始した。5ヶ月後にCTにて分離部の骨癒合を認めた(図8)ため、野球への完全復帰を許可した。

症例2 5ヶ月後 CT
図8:初診時と5ヶ月後のCT像 5ヶ月後のCT像で骨癒合を認める。

症例2その後

しかし、この2年後に再発してしまいます。

経過:復帰後、ピッチャーとして2年間、硬式野球を続けていた。1か月前に1日2試合連続登板した後、腰痛出現した。その後も野球を続けていたが、腰痛改善しないために当院を再受診した。

画像所見:単純X線では特に所見を認めなかった(画像は割愛します)。CT検査では進行期であった(図9)が、MRIでは椎弓根内の高輝度変化を認めなかった(図10)。

症例2 2年後CT
図9:2年後のCT像 CTでは進行期であった。

症例2 2年後MRI
図10:2年後のMRI T2強調像 椎弓根内の高輝度変化を認めない。

その後の経過:患者、家人ともに野球続行の希望あり、保存的加療を行わず、ストレッチ、投球フォームチェックにて経過観察する方針となった。2ヶ月後に腰痛は消失し、現在も野球を続けている。

実際の症例を見てみると、経過が非常にわかりやすいですね。
成長期のスポーツ選手が腰痛を訴える場合、常に腰椎分離症を念頭におくようにしましょう。

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