スポーツ頭部外傷の近年の事例とその特徴

ラグビー ボール
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どうも、こんにちは。

今日、明日と東京でTKAフォーラム、膝フォーラムという非常にマニアックな勉強会があるため、現在、東京に向かう新幹線の中です。ゆっくりとした時間で非常にありがたい時間です。

さて、ラグビーW杯の日本VSサモア戦で日本代表の山田彰仁選手が、相手の膝が入ってしまい脳震盪で交代したのは記憶に新しいですよね。というわけで、スポーツ頭部外傷に関してまとめていきますが、今回は近年のスポーツ頭部外傷の事例スポーツ頭部外傷の特徴ついて紹介します。

はじめに

平成24年度から中学での武道必修化がスタートしましたが、青少年が柔道によるスポーツ頭部外傷で急性硬膜下血腫をきたし死亡する例が報告され、スポーツ頭部外傷は社会的に注目されるようになってきています。また、スポーツ頭部外傷の中には脳震盪や急性硬膜下血腫と診断されながらも、競技に復帰して死亡や重い後遺症を残した事例があり、スポーツ頭部外傷に対するスポーツドクターやチームスタッフの適切な対応や競技復帰に関するガイドラインの作成が求められています。

ということで

スポーツ頭部外傷に関しての知識を身につけることは試合会場にいるスポーツドクターはもちろんですが、メディカルスタッフや選手自身も知っておくべき

であると思います。というわけで、今回スポーツ頭部外傷についてしっかり勉強していきましょう。近年のスポーツ頭部外傷の事例、スポーツ頭部外傷の特徴ついて紹介します。

近年のスポーツ頭部外傷の事例

2014年サッカーブラジルW杯では選手が明らかに脳震盪を起こしながらも、プレーを続行しているシーンが何度か見られました。グループリーグではウルグアイ代表MFアルバロ・ペレイラ選手が相手にスライディングした際に相手の膝でこめかみを蹴られ、一過性意識消失となりました。ピッチ外に運び出されながらも、選手がプレー続行への意欲を見せたため、チームドクターはその意思を汲み、プレーを続行させました。

また決勝戦ではドイツ代表MFクリストフ・クラマーが相手DFと衝突し、頭部外傷を受傷しましたが、その後もプレーを続行しました。同選手は結局途中交代となりましたが、のちに衝突以降についてほとんど覚えていないことを明かしています。

クラマー脳震盪
(写真:Getty Images)

これらは明らかに脳震盪であったと思われ、本来であれば今後の危険性を考え、スポーツドクターは絶対に出場を認めてはいけないシーンです。

他にも2014年11月に中国上海で行われたフィギュアスケートのグランプリシリーズでは、男子フリーの直前練習で日本の羽生結弦選手と中国のエン・カン選手が衝突する事故がありました。

羽生事故
(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

羽生選手は約2分間リンクに倒れ込みましたが、その後、強行出場して準優勝しています。日本のメディアはこれを美談のように扱っていましたが、これも脳震盪を起こしていたと思われ、この事後対応はスポーツドクターであれば目を疑う光景でした。

スポーツ頭部外傷の特徴

スポーツ頭部外傷の外力の伝達様式は、回転加速度>直線加速度であり、加速度は交通外傷ほど強くありません。交通外傷は直線加速度による強い直達外力が原因で起こり、頭蓋骨骨折や急性硬膜外血腫を受傷します。

一方、スポーツ頭部外傷は回転加速度により脳が揺さぶられることが原因で起こり、脳震盪、急性硬膜下血腫などを受傷します。特に、脳表と硬膜を繋いでいる架橋静脈が揺さぶられることにより静脈還流が低下することが原因ではないかと言われています。そのため、交通外傷と異なり、時間がたってから症状が出現します。そして、架橋静脈が破綻すると急性硬膜下血腫が生じるわけです。

スポーツ頭部外傷で最もよく見られるのは脳震盪であり、最も重篤なものとしては急性硬膜下血腫が重要です。今日はとくに頻度の多い脳震盪を中心に勉強していきます。

脳震盪は軽視されがちですが、脳震盪を繰り返すことにより、致命的な脳腫脹、高次機能障害による神経心理テストの異常、慢性外傷性脳症に至る事例が報告されており、重大な脳損傷の前触れとして認識し、対応することが大切です。

おわりに

長くなってきたので、今回のこの辺で終わります。

また、そのうち続きを書いていきますので、興味を持った方はお楽しみに。今後、脳震盪、セカンドインパクト症候群、評価、画像診断、競技復帰などに関してまとめる予定です。

セカンドインパクト症候群・慢性脳損傷・画像診断

2015.12.07
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