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子供の腰の痛みの原因となる「腰椎分離症」とは|症状・画像診断

 
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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

最近またACミランの本田選手がスタメンに復帰しているので、ACミランの試合をみるという楽しみが増えています。もちろんイタリア時間なので日本では夜中ですが、本田選手がスタメンで出る試合はちゃんと見ます。

しかし、最近かなり忙しくなってきました。1月終わりに今年のJOSKASの演題締め切りがあるのと、2月初旬に足の外科学会の論文の締め切りがあります。

その他にも、前から書いている論文やドーピングのアンケート調査のまとめなど今年度中にしなくてはいけないことがてんこ盛りです。ブログの勉強もほどほどに、早く仕上げてしまわなくてはいけません。

ブログを開設して2ヶ月経ったのと、時期的にこなさなくてはいけないリアルの仕事が増えてきたので、更新は毎日ではなくなるかもしれません。可能な限りこちらも頑張りたいとは思ってますが、ご容赦ください。

さて、今日はスポーツ医学を勉強していきましょう。

今回は腰椎分離症についてまとめます。

成長期のスポーツ選手が腰痛を訴える場合、常に腰椎分離症を念頭におかなければいけません。

よせやん

Contents

腰椎とは

分かっている方には申し訳ないですが、念のため。

まず脊椎とは、一般的に背骨と言われている骨のことです。

脊椎は7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎、5個の仙椎および3〜6個の尾椎から形成されます。

腰椎 図

上図レントゲンには、胸椎、腰椎、仙椎が写っています。

肋骨が付いているのが胸椎で、肋骨が付いていないその下の5つの背骨が腰椎です。

腰椎の役割は、主に以下の3つです。

腰椎の役割
  • 体の支持
  • 前屈、後屈などの可動
  • 脊髄の保護 

では、前置きはこのくらいにて、腰椎分離症について勉強していきましょう。

腰椎分離症とは

腰椎分離症とは、腰椎の運動に伴う、腰椎椎弓狭部(関節突起部)への力学的ストレスが蓄積することによる疲労骨折のことをいいます。

腰椎 解剖
図1:腰椎の断面図

成長期のスポーツ選手が腰痛を訴える場合、常に腰椎分離症を念頭におかなければいけません。
体幹運動の多いスポーツ種目で高頻度に腰椎分離症がみられ、体操やバレエ、投てき競技、ボート、野球、サッカーなどで高い発生頻度が報告されています。( Soler T, Calderon C. Am J Sports Med. 2000 )

腰椎の伸展運動と回旋運動において、関節突起部に強い応力が加わるためであると言われています。

診察および診断

身体所見としては、腰部の伸展(背屈)時痛分離部の圧痛が大切です。

分離部直上の傍脊柱に痛みを生じることが多いとされていますが、棘突起上に圧痛が生じることも実際には多くあります。

画像的な診断法としては、古くから単純X線斜位像における「スコッチテリアの首輪が有名です(解剖学用語は図1参照)。

椎弓根をスコッチテリアの頭、椎弓を胴体と見立てると、分離部が首輪のように見えます(図2)。ただし、骨折線の方向によっては、側面像の方が判断しやすいこともあります。

スコッチテリアとはスコットランド原産のテリア犬です。どんな姿かわからなければ写真を探して見てみてください。確かに、姿形は似ています。

腰椎分離症 スコッチテリアの首輪
図2:腰椎分離症 単純X線斜位像(有名なスコッチテリアの首輪)

ただ、1つ覚えておかなければいけないのは、

単純X線写真で鮮明な分離が見られるときには、すでに偽関節に進行している終末期であることが多い

ということです。

この状態になる前に診断するために、腰椎分離症を疑った場合には、必ずCTやMRI検査で診断を確定させることが重要です。 

CT検査では、椎弓に平行にスライスを切ると、分離部の骨硬化や間隙を正確に評価することができます。

分離症 CT
図2:腰椎分離症 CT像

MRIのT2強調像は、分離初期にみられる椎弓根の浮腫像を高信号領域として捉えることができ、早期診断に非常に有用です。

腰椎分離症 MRI
図2:腰椎分離症 MRI T2強調像

鑑別診断

鑑別診断としては以下のものが考えられます。

腰椎分離症の鑑別診断
  • 腰椎椎間板ヘルニア
    腰椎分離症と同様に腰痛を訴えます。
    腰椎分離症では、伸展時痛を訴えることが多いですが、腰椎椎間板ヘルニアでは、逆に前屈が制限されることが多いです。
  • 筋性腰痛症
    筋性腰痛症では、傍脊柱筋の緊張と圧痛を認め、前屈と罹患側と反対側への側屈が制限されることが多いとされています。
  • 椎間関節性腰痛症
    椎間関節性腰痛症では、腰椎分離症と同様に後屈で疼痛の誘発がみられます。
    椎間関節ブロックが鑑別に有用なことがあります。 

おわりに

以上、今回は成長期のスポーツ選手が腰痛を訴える場合、常に念頭におかなければいけない腰椎分離症についてまとめました。

後日、腰椎分離症の病気分類および治療・予後などに関してまとめます。

腰痛はスポーツ選手にも多いですが、整形外科医として外来をしていると、腰痛に悩んで来院される患者さんは非常に多いです。これを機にしっかりと勉強できたらと思います。

よせやん

 

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