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【必見】睡眠不足の原因と影響、世界の睡眠時間、最新の研究

 
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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

明日はせっかくの祝日なのに当直です。というか、明日から4日連続で当直です。なんか最近当直ばかりしている気がします。今日の夜フットサルをしてストレス発散してきます。

さて、最近はあまり時間がなくて、本を参考にした記事が多くなっていました。でも、やっぱりたまには論文を読んで最新情報を仕入れておかないと!ってことで、今日は空き時間を使って論文漁りをしてました。

今回は、アスリートと睡眠シリーズです。

この記事では、睡眠に関わる論文の中で興味をひかれた内容を抜粋し、アスリートと睡眠に関する最新の知見として、

  • 睡眠不足の影響
  • 世界各国の睡眠時間
  • 睡眠に関する最新の研究結果
  • 睡眠に悪影響を及ぼす因子

に関してまとめていきます。

Contents

はじめに

近年、競技スポーツは高度化し、メダル獲得を目指すアスリートのトレーニングも高強度・高ボリューム化しています。

優れたアスリートであっても、計画通りのトレーニングを行えなかったり、コンディションを崩したりすると、大会でよい成績をおさめることは難しくなってしまいます。

睡眠は、アスリートの肉体的・心理的な回復において重要な役割を果たすと考えられており、睡眠が不十分な場合にはパフォーマンスに対して生理的・心理的に負の影響が観察されることがあるといわれています。(Leeder J, et al. J Sports Sci. 2012)

睡眠不足の影響

では、睡眠不足により実際にどのような影響が生じるのでしょうか?

睡眠不足が及ぼす影響については多くの論文があり、睡眠不足はアスリートに多くの悪影響を及ぼすことが報告されています。いろいろな論文のデータをまとめて紹介します。

睡眠不足が及ぼす影響
  • 筋力低下
  • 特定の運動強度での心拍数の増加
  • 換気量の増加
  • 乳酸の増加
  • 主観的運動強度の増加
  • 反応時間の延長
  • 注意の低下
  • 動きの正確性の低下

( Reilly T, Piercy M. Ergonomics. 1994 )
( Mougin F, et al. Eur J Appl Physiol. 1991)
( Jarraya M, et al. Biol Rhythm Res. 2013 )
( Edward BJ, Waterhouse J. Chronobiol Int. 2009 ) 

睡眠不足によりアスリートにとって、いかに多くの悪影響が生じてしまうかわかりますね。

世界各国の睡眠時間

ちなみに、国によって睡眠時間はどのくらい違うのでしょうか。

経済協力開発機構が2009年に公開した報告書で、世界各国の平均睡眠時間は以下のように報告されています。

世界各国の平均睡眠時間
  • フランス:8時間50分
  • アメリカ:8時間38分
  • オーストラリア:8時間32分
  • イタリア:8時間18分
  • 日本:7時間50
    ( Organisation for Economic Co-operation and Development: Society at a Glance 2009 )  

平均睡眠時間は、社会的あるいは文化的な背景の影響によって異なりますが、世界の他の国々と比較すると、日本人の睡眠時間は一般的に短い傾向にあるようです。

一般的に日本人は勤勉で働き過ぎだと言いますがその影響でしょうか…。

世界的な睡眠に関する研究

このようなパフォーマンスに対する負の影響を避けるため、オーストラリアのAustralian Institute of SportsやイギリスのEnglish Institute of Sportsなど、世界におけるスポーツの研究所では、睡眠に関する研究が行われています。

これらの研究では、以下のことが報告されています。

研究で報告されていること
  • 深刻な睡眠障害をもつアスリートは少ない。
  • うまく眠れなかったり睡眠時間が不十分だと日中の疲れやすさや集中困難につながるとアスリート達が考えている。
  • 年齢が高めのアスリートほど夜間の睡眠時間が長く、睡眠に関する不満が少ない傾向にある。
  • 早朝にトレーニング・練習を行うと夜間睡眠時間の短縮に繋がる。

(  Dickinson RK, Hanrahan J. J Clin Sports psychol. 2009 )
( Sargent C, et al. Eur J Sports Sci. 2014) 

深刻な睡眠障害をもつアスリートは少ないと報告されていますが、実際に睡眠障害で苦しんでいる選手もいるかもしれません。

そういった方は下の記事を参考にしてください。

睡眠に悪影響を及ぼす因子

また、アスリートの場合、その形態的特徴が睡眠に悪影響を及ぼし、睡眠障害が生じている可能性も考慮する必要があります。

例えば、

アメリカNFLプロフットボール線選手の14%に睡眠時無呼吸が観察され、特に首の周囲径の大きく(48.5cm)、BMI(Body Mass Index)が高い(36.6kg/m2)ラインマンでは高率に観察される。( George CFP, et al. N Engl J Med. 2003 )

というように、アスリートの形態的特徴が睡眠障害に繋がる可能性があります。

また、以前アスリートと貧血についてまとめましたが、貧血が睡眠障害に繋がる可能性も指摘されています。

  • 50mg/mL以下の血中フェリチン濃度がレストレスレッグ症候群のリスクファクターの1つである。( O’Keeffe ST. Sleep Med. 2005)
     
  • 女性アスリートの22.5%、男性アスリートの7.4%が貧血である。( 河野一郎.臨床スポーツ医学.1989 )

などの報告があり、貧血が睡眠障害に繋がる可能性も考えなくてはいけないことがわかります。

アスリートの中には、上記のような因子が影響して睡眠不足が生じているアスリートがいる可能性を考える必要があるわけですね。

貧血が原因で睡眠障害が生じている場合は、まず貧血の治療を行う必要があるわけです。

アスリートと貧血に関することは下の記事を参考にしてください。

おわりに

以上、今回は睡眠に関する最新の知見として、睡眠不足の影響、世界各国の睡眠時間、睡眠に関する最新の研究結果、睡眠に悪影響を及ぼす因子に関してまとめました。

睡眠はアスリートの肉体的・心理的な回復において重要な役割を果たすと考えられており、睡眠が不十分な場合にはパフォーマンスに対して生理的・心理的に負の影響が観察されることがあることを紹介しました。

また、睡眠は、社会的あるいは文化的な背景の影響を受けるだけでなく、形態や貧血などの影響を受ける可能性を考慮する必要があり、睡眠障害が生じている場合はその原因についても考える必要があるでしょう。

 

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