整形外科医と柔道整復師について思うこと|僕が今まで出会った良くも悪くも様々な柔道整復師
どうも、こんにちは。
整形外科医のよせやんです。
よせやん
2月の学会に間に合わせるため、そして、そろそろ論文にまとめるためにここ数日基礎研究をやりまくっています。
基礎研究はやり出すと面白いんですが、やはりめちゃくちゃ時間を使いますね。
連日勤務だけでも忙しいですが、さらに疲労が溜まります。笑
でも、こんなことも元気が余っている若いうちじゃないとできないと思いますし、今はただただ頑張ろうと思います!
さて、昨日下のようなツイートをしました。
整形外科医の間で柔整は敵のように語られるれることもあるが、病院に勤務してる柔整の先生はやる気があって、勉強家で、診療を助けてくれて、いいイメージしかない。
将来開業するとしても、一度整形外科で知識の幅を増やし、コネクションを作ってからその近くでするのがいいのでは?と思ったりする。
— よせやん@目指せスポーツドクター (@sports_doctor93) January 6, 2021
ふっと思ったことをツイートしただけですが、なぜか想像以上の反響がありました。
それだけ柔道整復師の方が普段思っていることがあるのでしょう。
また、それは整形外科医も同じかもしれません。
Twitterの140文字では伝わらないこともありますので、一度整形外科医と柔道整復師についてブログの記事にして、今の僕が思うことを書いてみようと思います。
よせやん
まとめて書くつもりでしたが、書いていたらすごく長くなってしまったため、この記事では、僕が今までに出会った色々な柔道整復師の先生方を紹介していこうと思います。
もちろんいい事ばかりではなく、ダメだと思うことも正直に書いていきます。
Contents
整形外科医と柔道整復師
僕は正直なことを言うと、社会に出るまで柔道整復師という資格があることを全く知りませんでした。
思い返すと、小学校の頃から怪我をしたらまず行くのは開業医の病院であり、接骨院に行ったことも一度もありませんでした。
なので、社会に出るまで接骨院や柔道整復師について完全に無知だったのです。
僕は怪我をよくしていた経験からスポーツドクターを目指そうと思ったわけですが、数あるスポーツ医療職の中から考え抜いた結果スポーツドクターを選んだわけではなく、それ以外の職種を全然知らなかったのです。
もしも、怪我をした時にかかるのが接骨院だったならば、そこでお世話になっていたのがかっこいいと思う先生だったならば、もしかすると今と違った未来があったのかもしれません。
話が逸れましたが、僕が社会に出て病院に勤務するようになり、初めて柔道整復師について聞いた時のイメージは正直言って良いものではありませんでした。
その時のイメージは、送ってくる紹介状の意味がわからない、よくわからない治療をしている、整形外科に治療許可?を求めてくる、患者さんが焦げ付いてから整形外科に逃げてくる、そんな感じのまさに負のイメージでした。
実際のところ、整形外科医は柔道整復師に対してこのように思っている方が今も多いのかもしれません。
それは、実際に診療をしていてそういう経験をされた方もいるとは思いますが、それ以上に周りの整形外科医から聞いたイメージが伝播しているのが最大の理由のように思います。
そのため、世間では何となく整形外科医 vs 柔道整復師という構図が出来上がっているのです。
僕と病院で働く柔道整復師との出会い
そんな僕が柔道整復師の先生と出会ったのは、ある病院にバイトで外来をしに行った時です。
その病院では、柔道整復師の先生が診察前の問診を取り、診察をして、カルテを書いてくれた上で、整形外科医が診察をするというシステムになっていました。
さらに、患者さんが骨折や脱臼が必要であれば整復もしてくるし、固定もしてくれるのです。
この時、僕はなんて快適な病院なんだろうと思ったのが正直なところです。笑
よせやん
実際に僕がするのは、患者さんを診察をして、必要に応じてレントゲンなどの画像検査をオーダーし、結果を説明するだけです。
そして、診察が終わると僕が診察する前に問診を取ってくれたり、診察してカルテを書いてくれた柔道整復師の先生がやってきて、色々と質問をしてきます。
もちろん僕もわからないことは多いですが、知っている限りの知識でお答えし、一緒に画像を見たりしていました。
それも一人の先生だけでなく、多くの柔道整復師の先生が同じような形で学ぶ姿勢を持っていました。
その時は、この人たちはなんてアグレッシブで勉強熱心なんだ。知識がなくて恥ずかしい治療をしているのを見られないように、僕ももっとしっかりと勉強して診療に臨まないといけないなと逆に思わされたものです。
よせやん
そして、型のごとく病院フットサルを通じて仲良くなり(僕はサッカー・フットサルが好きなので行く病院病院でサッカー・フットサルに誘ってもらうことが多いです)話をしていると、ここのいる柔道整復師の先生方は自分の知見を深めるために病院に就職し、そのまま病院に残る人もいるし、その知識を持って開業する人も多いことを知りました。
正直、そうやって開業した接骨院ならば医療者として信用できるなと思いました。
この時の僕は、柔道整復師の先生に対してプラスのイメージしかありませんでした。
僕が出会った良くない柔道整復師
しかし、スポーツドクターとして仕事をしていて関わった柔道整復師の先生にそのイメージは崩されます。笑
僕がこの柔道整復師の先生に対してダメだなと思ったのは以下の点です。
- 選手を囲い込む(医師に紹介しない)
- 医学的な会話が成り立たない
- コミュニケートする気がない
一番ダメなのは、医師とコミュニケートする気がなく、選手を自分の接骨院に囲い込んでしまうことでした。
ドクターに相談しないで一人で判断し、選手が不幸な経過を辿ってしまったこともありましたし、治療を受けていた選手が全然良くならないことに痺れを切らして病院に勝手に逃げたケースがたくさんありました。
選手のサポートをするために仕事をしているのに、その選手を不幸にしてしまっては元も子もありません。
おそらく、その先生のプライオリティは選手のサポートではなく、自分が選手をサポートをしているという優越感を得ることだったのではないかなと思います。
その先生は結局選手からの評判がすこぶる悪く、チームからお叱りを受けたため、その後向こうからすると仕方なくコミュニケートする機会がありましたが、選手の所見や病状について話していると申し訳ないことに知識がないことが透けてきてしまいました。
わかりやすく言うと、スポーツ医学検定2級レベルの知識も十分に持ち合わせていないようなレベルでしょうか。
その知識で自分のみで選手を診療していては、そりゃ経過が良くない症例が少なくないわけです。
この出会いから得た教訓は、柔道整復師の先生はその実力がピンキリであり、やばい人はやばいということです。
僕は正直これは医師にも同じことが言えると思っていますが、医師はご存知の通りその入り口のハードルが高いので、やばい人の割合ややばさの度合いはまだマシなのではないかと思います。
よせやん
Spolinkで出会った柔道整復師の先生
その後、2019年9月にSpolinkを作ったわけですが、そこでまた多くの柔道整復師の先生と出会うことになりました。
柔道整復師の先生方と深く交流し、医学のトピックなども一緒にディベートしていたのでまた色々と感じることがありました。
僕がSpolinkで出会った柔道整復師の先生に対して抱いたイメージはこんな感じです。
- 診察方法を圧倒的に知っている
- スポーツ現場での対応は僕の方が勉強になる
- 物理療法や徒手療法など知識が豊富
- コミュニケーション能力が高い
挙げだすとキリがないのですが、パッと思いつくのはこれくらいでしょうか。
Spolink初期コアメンバーは、柔道整復師以外の職種も同様ですが、自分でスポーツ医療体制を変えたいと思うくらいモチベーションが高くてやる気があり、現場でも活躍している方が集まっていたので、かなりのバイアスがかかっているとは思います。
ただ、整形外科医として勉強になることがめちゃくちゃあったのは紛れもない事実です。
診察に関しては、僕たち整形外科医と違ってレントゲンやCT、MRIなどの画像検査が使えないので、それを補うだけの診察方法が徹底的に鍛えられているイメージです。
また、僕たち整形外科医は診察して正直よくわからなくても最悪、鎮痛剤と湿布という逃げ道がありますが、その逃げ道がないため物理療法や徒手療法の知識が豊富なのでしょう。
スポーツ現場での対応も正直何となくやっていた僕よりも圧倒的に的確でしっかりとしていました。
スポーツドクターには現場実習の研修はないので、それも当たり前なのかもしませんが。
なので、僕は病院でもスポーツ現場でも柔道整復師やトレーナーの方から教えてもらい、実践していることがめちゃくちゃたくさんあります。
とここまで書いていたらだいぶ長くなってきてしまったので、続きは後日書きます。
まだしゃべり足らないことがたくさんあるのですが、先日のツイートの時に頂いた
- 整形外科医の声
- 柔道整復師の声
を紹介したいのと、
- 整形外科医と柔道整復師のこれから
- 整形外科医と柔道整復師の理想的な付き合い方
などについて僕の考えをお話しできればと思います。
引き続き、お付き合いいただけるとうれしいです。
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よせやん
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