2017/09/01

高エネルギー外傷とはどんな外傷なのか|JATECガイドラインより紹介!

 

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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること!仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい!日々の勉強のため、また、同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思いブログを書いています。➡︎詳しいプロフィールはこちら

よせやん

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スポーツドクターを目指す若手整形外科医です。

どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

最近天候が悪いこともあり、先週末から外傷の患者さんが急増しています。みなさんも、外傷には十分注意して下さいね。

さて、救急外来で外傷患者さんの対応をするわけですが、外傷患者さんを最初に診る研修医の先生が意外にきちんとした対応の仕方をわかっていないなぁと最近思うことが多いので、自分の復習も兼ねて外傷の対応についてもまとめていこうと思います。

僕は基本的にJATEC(Japan Advanced Trauma Evaluation and Care)の診療ガイドラインに準じて治療を行っています。というか、現在日本で行われている救急治療はJATECに準じて行われています。

この記事の内容も、JATECに準じてまとめていきます。

本日はまず、高エネルギー外傷とはどんな外傷なのか?ということをしっかりとまとめておきます。

高エネルギー外傷とは

まず、最初に高エネルギー外傷について簡単に知っておきましょう。

高エネルギー外傷とは、名前の通り、高いエネルギーが加わった生じた外傷のことをいいます。

高いエネルギーが加わる状況がどういうものかに関しては後ほど解説しますが、このような高いエネルギーが加わって生じた外傷の場合、重篤な外傷となる可能性が生じてきます。

ですので、

高エネルギー外傷の患者さんが救急搬送されてくる場合には、診療を行う医療者も重篤な外傷が起こっているかもしれないと身構えて診療に臨む必要があるのです。

しかし、実際の臨床の場では、高エネルギー外傷がどうのようなものか理解していないため何でもかんでも全身CTを撮影したがる研修医が多いように思います。高エネルギー外傷だから全身CTというのも実際には正しくはないのですが…。

もちろん、全身をCTで撮影しておけば見逃しやすい内臓損傷などを見逃す可能性は低くなるでしょうが、軽い事故の患者さんにまで全身CTを撮影するのは、放射線被爆や医療費、検査にかかる時間などの面を考えるとどうなのでしょうか。少なくと僕はどんな患者さんにでもすぐ全身CTを撮影するような医者にはなりたくないです。

この記事で、高エネルギー外傷がどういうものなのか、今一度確認しておきましょう。

高エネルギー外傷はどのような外傷か

では、実際にどうのような外傷を高エネルギー外傷というのでしょうか。

外傷初期診療ガイドラインJATECにはこう記載されています。

高エネルギー外傷とは

  • 高所墜落
  • 以下の自動車事故
    同乗者の死亡
    車の横転
    車から放り出された
    車が高度に損傷している
  • 歩行者・自転車が車に衝突された
  • 車に轢かれた
  • 転倒したバイクと運転者の距離が大きい
  • 機械器具に巻き込まれた
  • 体幹部が挟まれた

これを見ると、確かにエネルギーの高そうな事故ばかりですね。

ただ、実際にこのような受傷機転を聴取した場合、何か重篤な外傷があるかもしれないと感じることが多いと思います。

実臨床に置いて判断が微妙なのは、ここに書かれていないような自動車事故や歩行者、自転車の事故などです。また、高所墜落に関しても実際にどの程度の高さからのものが該当するのかなど曖昧なところがあるのではないでしょうか。

高エネルギー外傷の詳細

というわけで、高エネルギー外傷についてもう少し詳細に勉強してみましょう。

上記の外傷初期診療ガイドラインJATECに記載されている高エネルギー外傷は、以下のガイドラインを参考にされて書かれています。

Guidelines for Field Triage of Injured Patients: Recommendations of the National Expert Panel on Field Triage, 2011

このガイドラインでは、もう少し細かく高エネルギー外傷について記載されているのでそちらも紹介しておきます。

高エネルギー外傷の詳細

  • 高所墜落
    成人:>6.1m (2階)
    小児:>3.05m、もしくは伸長の2-3倍
  • 自動車事故
    >45.7cmの車の陥入
    車から放り出された(部分的もしくは完全に)
    同乗者の死亡
  • 歩行者・自転車
    車に轢かれた
    >32.2km/hの速度で車と衝突
  • バイクで>32.3km/hの速度での事故

(Guidelines for Field Triage of Injured Patients: Recommendations of the National Expert Panel on Field Triage, 2011)

これでより詳しく高エネルギー外傷がどういったものか理解しやすくなりましたね。

当たり前といえば当たり前ですが、高所墜落に関して成人と小児でその基準が異なることには注意が必要です。小児の場合には、例え1.5メートルからの転落でも高エネルギー外傷として対応する必要がある場合があるわけです。

また、歩行者、自転車が車と衝突したといっても、>32.3km/hの速度でなければ高エネルギー外傷には該当しないわけですね。駐車場でバックしてきた車に衝突された歩行者の患者さんなどにまで全身CTを撮影していませんか?

おわりに

以上、今回は高エネルギー外傷とはどんな外傷なのか?ということを解説しました。

今回紹介したような高エネルギー外傷の患者さんが救急搬送されてくるという場合は、何か重篤な外傷の可能性があると思って診療に当たるようにしましょう。

きちんと身構えておくだけでも、重篤な外傷を見逃すリスクをぐっと下がると思います。

ニーズがありそうであれば、今後、高エネルギー外傷の患者さんをどうやって診察するのか?全身CTの適応は?など実臨床で意外に判断に困るところに関してもまとめていこうかと思います。

 

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