膝関節鏡手術のポイント④ポータルからの無理に手術器具を突っ込むな!
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
よせやん
一昨日は大学サッカー部の追いコンに行って、久しぶりにサッカーをしてきました。
昼間にサッカーをして体力を使い切ってからの飲み会。
変わってないですね。
そんな後ですが、昨日は朝から24時間救急車の対応をしていました。
また、昨日はテニスの4大大会の1つである全豪オープン4回戦で錦織圭選手とロジャー・ファデラー選手の試合がありましたね。
錦織選手は現在世界ランキング5位、対するファラデー選手は2016年に膝をケガして関節鏡手術を受けており、その後、半年間リハビリをして大会を欠場していたため現在の世界ランキングは17位ですが、元は史上最強と呼び名の高い元世界ランキング1位の選手です。
そんあ激アツの試合だったので、救急車の対応の合間にちらちら見ていたらブログを更新できませんでした。
結局、フルセットの末、錦織選手は破れ、3年連続のベスト8入りはなりませんでしたが。
さて、今日は久しぶりに膝関節鏡手術についてです。
今までと同様に、僕のような初心者が陥りやすいピットフォールを紹介しながらお話していきます。
今回は、ボータルから無理に手術器具を突っ込むな!ということに関してお話しします。
Contents
基本的なポータルの位置
今回も、基本的なポータルの位置を確認しておきましょう。
基本的なポータルの位置は図1のように、外側膝蓋下ポータルと内側膝蓋下ポータルの2カ所だと思います。
図1:膝関節鏡の基本的なポータル位置
関節鏡手術を行うときは、まず外側ポータルを作成し、そこから関節腔内に関節鏡を挿入します。
次に、関節鏡で位置を確認しながら内側ポータルの位置を決めて作成し、そこから関節腔内に向けて通り道を作成するのでしたね。
ボータルから無理に手術器具を突っ込むな!
では、今回の本題ですが、
これはどういうことでしょうか?
関節鏡初心者の方はよくわかるかと思いますが、
ポータルから関節腔へ手術器具がなかなか入らない!
ということがあると思います。
こういうときにどうするか??
なかなか関節腔に入らないので、頑張って早く関節腔内に入れようと力ずくで押していませんか?!
これ、絶対にやってはいけません!!
これは、最初に開けた通り道ではなく、新しい通り道を無理矢理作っているわけです。
これを繰り返していると、関節腔内の潅流液がいっぱい空いた穴からどんどん関節外に漏れ出し、膝周囲がパンパンに腫れてしまいます。
手術の途中から膝がパンパンに腫れていたり、関節外に液が大量に貯留して膝周囲がカチカチになったことがありませんか?
これらはポータルから無理に手術器具を突っ込み、関節潅流液が関節外に漏れ出していることが原因となっている可能性があります。
ポータルから手術器具操作の挿入
では、今回のポイントです。
ポータルから手術器具を挿入するとき、正しい通り道を通る場合は、まったく力は必要ありません。
また、正しい通り道はきちんと向かっていても手術器具が入らない場合、最初に開けた通り道自体が小さい可能性があります。
その場合は、無理矢理押し込むのではなくて、もう一度、メス・モスキートーで通り道を拡大させましょう。
よせやん
ポータルから関節腔内への方向
また、ポータルから関節腔への正しい方向を理解しておくことも重要です。
こちらに関しては今までにお話ししていますので、下の記事で確認してみて下さい。
外側ポータルに関してはこちら。
内側ポータルに関してはこちら。
今回のまとめ
以上、今回はポータルから無理に手術器具を突っ込むな!ということについてお話ししました。
ポータルから関節腔内に早く手術器具を入れようとして無理矢理押し込むと、新しい穴を空けることになってしまい、次第に膝がパンパンに腫れてきて、術後に患者さんは疼痛で苦しめられることになってしまうわけですね。
ポータルから関節腔内に手術器具を入れる際のポイントは、
- 力で無理矢理押し込むのではなく、方向を少しずつ変えて力を入れないで自然に入っていく場所を探す。
- もう一度、メス・モスキートーで通り道を拡大させましょう。
関節鏡初心者が陥りがちなピットフォールですので、当てはまっていそうな方は注意してみて下さい。
上手い方の手術は術後の患者さんの膝はやっぱりキレイです。笑
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