新型コロナウイルス感染症による自粛後のトレーニング再開の注意点|感染症予防編
どうも、こんにちは。
整形外科医のよせやんです。
よせやん
今日はいつもは忙しい金曜日なのですが、ものすごく早く仕事が終わりました。
たまにはこういう日もあるといいのかもしれませんね。
おかげでこうやってブログも書けますし、週末にやる予定だった実験も今日できそうです。
というわけで、本日は先日の続きで新型コロナウイルスによる自粛解除後のトレーニング再開ついてお話しようと思います。
5月14日に東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府、京都府、兵庫県、北海道以外の39都道府県で新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除されました。
これに伴い、だんだんとトレーニングを再開する選手やチームも増えてくるでしょう。
しかし、再び新型コロナウイルスが再燃しないようにトレーニング再開後も引き続き感染対策に留意していくことは、スポーツ界にとってとても大切になってくると思います。
というわけで、この記事では自粛明け(長期間のオフ明け)のトレーニング再開における具体的方法と注意点について感染予防の観点からお話ししようと思います。
肝は段階的なトレーニング再開です!!
トッププロチームの実際の例も踏まえてトレーニング再開の具体的な方法と注意点について紹介していきますので、一人でも多くのスポーツ関係者の皆様に参考にして頂き、トレーニング再開後のケガ人が減る一助になれば幸いです。
よせやん
Contents
感染症対策を考慮した段階的トレーニング再開
今回は、新型コロナウイルスを再燃させないための、感染症対策においても段階的に進めていくことが必要です。
感染症対策の側面から考える具体的なトレーニング再開方法を紹介します。
これは、日本スポーツ振興センター管轄ハイパフォーマンススポーツセンターのガイドラインを元に作成しました。
- Phase1→Phase5まで段階的に進めていく。
- 1つのphaseは2週間程度実施し、感染のリスクがないと判断された場合のみ次のphaseに進む。
- 感染した選手や濃厚接触者となった場合はすべてのトレーニングを直ちに休止する。
その後、感染リスクがないと判断されトレーニング再開時はphase1から開始する。 - 同じグループ内で体調不良者が出た場合は直ちにトレーニングを休止し医師の判断を仰ぐ。
では、それぞれのPhaseを具体的に見ていきましょう。
よせやん
Phase1:個人トレーニング
- ホームトレーニング
- 屋外トレーニング(器具なし)
屋外トレーニングでは、Personal Distanceを確保して、ランニングなどを行います。
Phase2:施設個人利用
- 屋内・屋外トレーニング施設の個人利用
限定された者のみが利用する施設でトレーニング行います。
- 体温37.5°C未満継続2週間かつ倦怠感、咳嗽、咽頭痛など体調異常なし
- もしくはPCR検査陰性、COVID-19抗体陽性
Phase3:施設利用(対物トレーニング)
- チームトレーニング
- 機器の同時共有や接触はなし
選手・スタッフはPersonal Distanceを保持してトレー二ングを行います。
- 都道府県をまたいだ移動を伴わないこと
- 一つ前のphaseを踏んだメンバー間のみこのphaseに入ることが可能
- 同じphase内で同時にトレーニングする選手は原則固定とする
Phase4:施設利用(対人トレーニング)
- ペアトレーニング(接触あり)
- チームトレーニング(接触あり)
ここから接触ありのトレーニングを開始します。
- 都道府県をまたいだ移動を伴わないこと
- 一つ前のphaseを踏んだメンバー間のみこのphaseに入ることが可能
- 同じphase内で同時にトレーニングする選手は原則固定とする
Phase5:通常トレーニング
- 通常のトレーニング
通常のトレーニングに復帰します。
毎日体調チェックを行う
具体的にトレーニング再開についてお話ししましたが、その他に感染症対策としてスポーツ関係者の皆さんに知っておいてほしいことを紹介していきます。
よせやん
まず、アスリートに限らずですが、毎日自分の体調チェックを行うことが大切です。
毎日自分のコンディションを把握しておくことで、異常が生じたときに気が付きやすくなります。
チェックしておくべき項目としては、
- 体温
- 食欲
- 自覚的な体調
- 痛いところや疲労感
- 睡眠時間
などでしょう。
そして、発熱があるときや体調がすぐれないと判断した場合には練習参加は見合わせて様子を見ましょう。
そして、厚生労働省の医療機関を相談・受診する目安に準じて、それが4日以上続く場合や強い症状(高熱、呼吸困難、強い倦怠感など)が出現した際には帰国者・接触者相談センターや医療機関への受診を検討してください。
また、チームの場合はチームとして所属選手のコンディションを把握しておくべきです。
それにより、いち早く感染を疑わなくてはいけない選手に気が付き、集団感染を防ぐことが可能となるでしょう。
無理して参加したり参加させたりして、万が一感染していた場合には集団感染の引き金になる可能性があるので、体調がすぐれない時は勇気を持って休む、休ませるようにしましょう。
よせやん
3つの密を避ける
次に、トレーニング・あるいはその前後のミーティングにおいても、三つの密を避けることが大切です。
- 活動中・それ以外の間も含め、周囲の人 となるべく距離を空けることを心がける
- 強度が高い運動・スポーツの場合は、呼気が激しくなるため、より一層距離を空けることが重要
- 走るトレーングにおいては、前の人の呼気の影響を避けるため、可能であれば前後 一直線に並ぶことを避ける
- 更衣室、休憩・待機スペースは感染リスクが比較的高いと考えられることに留意する
ここは、新型コロナウイルスが完全に落ち着くまではずっと意識すべきでしょう。
よせやん
感染予防意識の徹底
最後に、感染予防意識を徹底することです。
- マスク持参のうえ、移動時や着替え時等のスポーツ活動以外の際にはできるだけマスクを着用する
- こまめな手洗い、アルコール等による手指消毒を実施する
- 運動・スポーツ中に、唾や痰をはくことは極力行わない
- プレー中に必要以上に大きな声で会話や応援等はしばらくの間我慢する
- タオル・ペットボトルなどの共有は避ける
ここに挙げたことはいわゆる一般的な感染予防対策になりますので、新型コロナウイルスが落ち着いた後でも、意識して継続していくべきだと思います。
よせやん
おわりに
以上、今回は新型コロナウイルスによる自粛後のトレーニング再開における注意点として感染予防の観点からお話ししました。
今回お話ししたことは、自分だけが分かっていてもチーム関係者のみんながわかっていないと意味をなさない可能性があります。
自分が意識していても、他の選手が意識しておらず、ウイルスをばら撒いていたら意味がないですからね。
ですので、こういう情報は自分だけに留めておくのではなく、チームスタッフやアスリートの仲間にもぜひ共有してあげてください。
よせやん
もしも、新型コロナウイルスが再燃してまたスポーツができなくなってしまうと、また刺激のない日々に逆戻りです。
みんなで協力して、スポーツを楽しめる環境を再度作っていきましょう。
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