肉離れのMRI画像診断と重症度分類|Boutinらの分類

どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
今日は最近勉強している肉離れについて続けてまとめていきます。
今回は肉離れの「肉離れのMRI診断と重症度分類」についてです。
前回、肉離れのMRI画像の撮影方法を勉強しました。
肉離れのMRI画像は、診断する上でも重症度分類する上でも非常に大切です。前回の記事を読んでいない方は、まずそちらをチェックしておいてください。
さて、知っておいて頂きたい肉離れのMRIを用いた重症度分類は2つあります。
- Boutinらの分類
- 奥脇らの分類
重症度分類を覚えると治療方法やスポーツ復帰時期の目安なんかも理解できるようになります。
そのためにも、まずは重症度分類をしっかりと覚えましょう。
また、肉離れに特徴的なMRI画像についても覚えておくとよいでしょう。
今回は、まずBoutinらの分類についてまとめます。
Contents
Boutinらの分類
Boutinらの分類は、MRI所見による肉離れの重症度分類で、以前から用いられているものです。
- Ⅰ型(軽症)
筋・腱接合部に出血、浮腫を認めます。
feathery appearance、rim signがⅠ型損傷に特徴的です。
- Ⅱ型(中等症)
損傷部位に広がる血腫や浮腫を認めます。
特に筋・腱移行部にみられる血腫はこのⅡ型損傷に特徴的です。
- Ⅲ型(重症)
筋・腱接合部の完全断裂を認め、血腫やときに筋肉の収縮を伴います。
Ⅰ型損傷に特徴的なfeathery appearance、rim signについては知らない方がいるかもしれないので、実際のMRI画像を提示して説明しておきます。
これらは非常に特徴的な所見ですので、覚えておくとよいでしょう。
feathery appearance
まず、feathery appearanceについてです。
図1:MRI画像におけるfeathery appearance
MRI画像を見ると、確かに鳥の羽のように見えますよね。
feathery appearanceを見たら、Ⅰ型(軽症)の肉離れだなと思って下さい。rim sign
続いてrim signについてです。
図2:MRIにおけるrim sign
これも非常に特徴的で、覚えやすい所見ですね。
rim signもfeathery appearanceと同じくⅠ型(軽症)の肉離れを表します。筋腱移行部の血腫
最後に、Ⅱ型に特徴的な筋・腱移行部の血腫についてもMRI画像を載せておきます。
図3:MRI 筋腱移行部の血腫
図3で健側(左足)では正常な腱の低信号帯(←)の同定ができますが、患側ではこれが確認できず,筋腱移行部付近での高信号域を認め、これが血腫であると思われます。
この筋・腱移行部の血腫はⅡ型に特徴的な所見として覚えておくとよいでしょう。
おわりに
今回は肉離れのMRI診断と重症度分類について、特にBoutinらの分類についてまとめました。
実際のところ、現在は次回紹介する奥脇らの分類が使われることが多いですが、今日紹介したfeathery appearance、rim signなどの肉離れに特徴的なMRI所見は覚えておくとよいかと思います。
本当のところ、分類をまとめて一気に紹介するつもりでしたが、講演後で疲れがたまっているので、残りの大事な部分は明日にとっておきます。
というわけで、次回、肉離れ治療における肝となる「奥脇らの分類」について詳細にまとめていきます。
肉離れを知る上で必ず知っておくべき分類ですので要チェックです!
これらの重症度分類を覚えると、それによって治療方法やスポーツ復帰時期の目安なんかも理解できるようになります。
そのためにも、まずは重症度分類を覚えましょう。
よせやん
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