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アキレス腱断裂の治療後に機能低下は残ってしまうのか?元のレベルでのスポーツ復帰は可能?

 
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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
整形外科医のよせやんです。

よせやん

4月も中旬になってきました。

新年度が始まって皆さんいかがお過ごしでしょうか。

僕も新しい生活にだいぶと慣れてきました。

最近は整形外科の面白さ、そして、深く勉強することの楽しさを実感しています。

少しずつ理想の自分に向かって頑張っていけたらと思います。

 

さて、今日は、

アキレス腱断裂の治療後に機能低下が起こってしまうのか?

元のレベルでのスポーツ復帰は可能なのか?

についてお話ししていこうと思います。

 

アキレス腱断裂は以前に深くまとめていますので、よかったらそちらの記事も読んでみてくださいね。

よせやん

 

アキレス腱断裂を受傷すると

まず、最初にアキレス腱断裂について少しふり返ってみましょう。

 

アキレス腱断裂は、30歳代〜40歳代スポーツ活動の盛んな人に多く、男女比は5〜6:1で男性に多いとされています。

決してめずらしいスポーツ外傷ではなく、周りにアキレス腱を切った方がいる人も多いでしょう。

 

保村療法と手術療法があり、長期的な成績にあまり差はないと言われていますが、手術療法の方がスポーツ復帰を早めると言われています。

ただ、それでもスポーツ復帰時には半年ほどの時間を要します。

 

では、アキレス腱断裂の治療後に走る機能や足関節可動域、腓腹筋筋力などの機能は元に戻るのでしょうか?それとも低下してしまうのでしょうか?

また、機能低下が生じてしまうとしたら、スポーツ選手の競技復帰に影響が出るのでしょうか?

 

今回はそこら辺について解説していこうと思います。

よせやん

アキレス腱断裂治療後の機能低下

まず、アキレス腱断裂治療後の機能について調べているいくつかの文献を紹介しましょう。

 

  • 112症例(手術療法59例、保存療法53例)のRCTで、受傷後2年経過時までの手術療法と保存療法の比較では、両群間に明らかな機能的差は認めなかったが、いずれにの群においても受傷側の下腿周囲径に低下を認めた。
     
  • 111症例(手術療法56例、保存療法55例)のRCTで、受傷後1年の調査において、足関節の可動域異常・腓腹筋の萎縮が保存療法に多かった。
     
  • 81例(手術療法42例、保存療法39例)のRCTで、いずれの群においても術後1年・術後2年の時点で機能低下が残存し、術後1年から術後2年ではわずかにしか改善していなかった。
     
  • 61症例(術後早期リハビリテーション群と術後8週間ギプス固定群)の比較で、術後早期リハビリテーション群が足関節可動域・社旗復帰・スポーツ復帰のいずれにおいても優れていたが、両群とも最終筋力は健側の89%と低下していた。
     
  • 101症例の手術療法症例の検討で、術後に3.0〜16.6%の底屈筋力低下がみられた。低下は特に女性で大きかった。
     
  • 73例の手術療法症例の術後1年の調査で、腓腹筋の持久力は健側の76%と低下していた。
     
  • 314例の手術療法症例の術後10年以上経過時の調査で、手術側は健側と比較して足関節可動域・下腿周囲径・底屈筋力の低下を認めた。

 

これをまとめると・・・

アキレス腱断裂治療後の経過

アキレス腱断裂の保存療法も手術療法も長期成績に明らかな差は認めないが、手術療法と保存療法を比較すると、手術療法の方が筋力・足関節可動域などの機能低下が少なく、社会復帰・スポーツ復帰にも有利である。

しかし、手術療法の場合でも健側と比較すると機能低下が術後1年でも術後2年でも術後10年でも残存してしまう。

 

従来の保存療法では、外固定の期間が長かったので筋力や足関節可動域の機能低下が生じてしまうことは想像に難くありません。

ただし、近年では早期運動療法の重要性が言われており、保存療法と手術療法のいずれにせよ機能低下が起こる確率は低下しているのかもしれません。

 

でも、いずれにしても長期にわたり機能低下が残存してしまうというのは意外にショッキングな事実ではないでしょうか。

よせやん

トップアスリートの競技復帰

では、そのような機能低下が残存することがわかったところで、スポーツ選手は競技復帰できているのか気になりますよね。

続いて、特にトップアスリートを対象に行われた研究を紹介します。

 

  • 手術療法を行ったNBA選手18例の調査で、7例(38.9%)はNBAの試合には復帰できなかった。3名(16.7%)は1シーズンのみ、8名(44.4%)は2シーズン以上復帰できた。NBAの試合に復帰できた選手でも、出場時間の低下を認めた。
     
  • アキレス腱断裂をしたNFL選手28名31例の調査で、10名(35.7%)はNFLの試合には復帰できなかった。NFLの試合に復帰できた選手でも50%以上のパフォーマンスレベルの低下を認めた。
     
  • 手術療法を行ったNFL選手9例の調査で、全員がプロレベルに復帰でき、復帰時期は平均8.9ヶ月であった。ただし、2例(22%)はNFLの試合に復帰できなかった。

 

これをまとめると・・・

アキレス腱断裂治療後のスポーツ復帰

トップレベルでは、半数近くの選手は競技復帰できない

復帰できたとしても、元のパフォーマンスレベルには戻らない可能性が高い

 

何とも厳しい研究結果ですね。

ただし、トップアスリートではなく、レクリエーションレベルや大学生などを対象とした研究では、スポーツ復帰は多くの人ができています

 

トップレベルの世界がどれほど厳しい世界なのかよくわかりますね。

よせやん

今回のまとめ

以上、今回はアキレス腱断裂治療後の機能やスポーツ復帰についてお話ししました。

 

アキレス腱断裂後はきちんと治療しても、受傷側の腓腹筋筋力(ピークトルク値、持久力)、足関節可動域・パフォーマンスなどの機能低下が起こり、1年経過時のみならず、2年以上経過しても残存する可能性があります。

そのため、トップアスリートではこのような機能低下が残ると元のレベルで競技復帰できないことが少ないのが実情のようです。

ただし、日常生活はもちろん、レクリエーションレベルのスポーツ復帰は良好であると言われています。

 

上記で紹介した研究は2010年以前のものがほとんどなので、早期運動療法が行われるようになった現在ではもちろん結果が異なる可能性はあります

そのうち、最新の研究についてもまた調べてまとめてみようと思います。

 

ただ、今回の結果だけ見ると、アキレス腱断裂は選手生命を脅かし得るスポーツ傷害なので受傷しないように予防するのが最も良いというまとめになりそうです。

よせやん

アキレス腱断裂は以前に深くマニアックにまとめていますので、よかったらそちらの記事も読んでみてくださいね。

 

 

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