アキレス腱断裂に対する手術|縫合術(Lim&Tsai法)の方法を紹介!
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
今日は初診外来の日でしたが、GW明けにも関わらず患者さんは少なめでした。おかげで早く手術室に行くことができました。
当院ではスポーツ整形外科も有名ですが、手の外科でも有名です。月曜日は基本的に手の外科の先生の手術日なので、手の外科の手術をたくさん見ることができました。
1週間前に、僕が初診外来で診たけれども、手術予定が合わず手の外科の先生に手術をお願いした、上腕骨外顆の裂離骨折の手術が夕方からありました。上腕骨外顆に付着している外側尺側側副靭帯も骨片と一緒に剥がれてしまっているわけで、骨片ごと靭帯も修復する手術が必要だったわけです。
腕神経叢ブロックをしたのも、研修医のとき以来なので14ヶ月ぶりでしたが、やっぱり何度もしたことは覚えているものですね。バッチリ麻酔は効いてくれていました。よく使う腕神経叢ブロックや斜角筋ブロック、大腿ブロック、膝窩ブロックなどに関しては、また復習がてらそのうち記事にしておきます。
さて、今日は明日手術予定のアキレス腱断裂の腱縫合術の復習をかねて「アキレス腱断裂に対する縫合方法」についてまとめておきます。
まず、僕が主縫合として用いている「Lim&Tsai法」について、その実際のやり方を解説します。
Contents
Lim&Tsai法とは
では、早速「Lim&Tsai法」について解説していきます。
図を見てもらえばわかりますが、6-strandの縫合方法ですね。
「strandって何や?」って思った方は下の記事で確認して下さい。
Lim&Tsai法の方法
では、早速Lim&Tsai法のやり方をイラストを用いて説明していきます。
まず、ループ針を2針用意しておきます。
(A)最初に断端の片方に、腱に垂直の方向に針を通し、ループ針のループに針を通して糸をかけておきます。
(B)次にそこから腱の中を通して断裂部まで、さらにそこからもう一方の断端の中を通して糸を抜きます。
(C)反対側に同じように糸を通して、両者を引き寄せておきます。
(D)糸を出したところの近傍から、腱に垂直の方向に針を通します。
(E)下側のように、ループに針を通します。
そこから上側のように、断裂部に近い位置より、再度、腱の中を通して断裂部まで針を通します。
反対側でも同様にして、断裂部からどちらの糸も出ている状態になります。そこで糸を切り、針を外しておきます。
(F)これで、断裂部の両側からそれぞれ2本の糸が出ている状態となりました。これらを両側から1本ずつ取り、しっかりと腱を引き寄せた状態で、断裂部中央でそれぞれを縫合します。
(G)縫合が終わると、このような状態になるわけです。メインの縫合であるLim&Tsai法はこれで完成です。
おわりに
アキレス腱断裂に対するメインの縫合であるLim&Tsai法を、イラストを書いて説明しました。
原著論文の絵を参考にして書きましたが、絵心がないのでわかりにくいところがあっても勘弁してください。
実際にはこの後、補助縫合として断端部の縫合を行い、より強力な縫合張力を得ることができます。補助縫合に関しては、後日また記事にします。
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