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「ベーカー嚢腫」非常に多い膝裏の疾患です!目指せスポーツドクター|サッカー日本代表チームドクターを目指して 「ベーカー嚢腫」非常に多い膝裏の疾患です!

      2016/10/23

ベーカー嚢腫|アスリートによく見られる膝裏の疾患です!

 

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この記事を書いている人 - WRITER -

サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること!仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい!日々の勉強のため、また、同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思いブログを書いています。➡︎詳しいプロフィールはこちら

よせやん

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スポーツドクターを目指す若手整形外科医です。

どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

大学病院では病棟番(病棟の患者さんの管理)をやっているので、自分で手術することはほとんどなく、手術期の管理やICなどがメインです。手術をする外科医としては、やりがいはないですよね。

この1年で何が成長したんだろうか?
結局、自分で勉強してきたこと、関連病院での手術見学や関節鏡手術の執刀がメインだった気がします。大学病院はカンファレンスが多いので、プレゼンに関しては症例ごとにきちんと調べて術前の準備をするようになったのはよかったことかと思います。

もうひとつの大学病院の特徴として、学会発表が多いことが挙げられますが、そんなもんは大学にいなくてもどんだけでもできますから、何のメリットにもならないでしょう。大学病院での仕事はそれほど多くないので、スポーツ医学の勉強や学会発表・論文の作成をしている隙間時間にこなしているって感じでやっています。

さて、今日は膝の裏に発生する「ベーカー嚢腫」っていう疾患について勉強してみましょう。
この間、僕が昔から一緒にフットサルをしている仲間に膝裏が痛いから診てほしいと相談されて、診察したら「あっ、これはベーカー嚢腫だな」ってことがあったので取り上げてみます。

滑液包とは

ベーカー嚢腫についてまとめる前に、ベーカー嚢腫を知るうえで必要な基本的な知識を確認しておきましょう。

滑液包(bursa)とは、閉鎖した袋状の構造物のことをいいます。

滑液包には、腱が骨や靭帯と摩擦を生じるところに存在する深在性滑液包(deep bursa)と、関節の近くで骨が皮膚と摩擦するところにできる皮下滑液包(subcutaneous bursa)があります。
ちなみに、腱鞘は深在性滑液包の分化したものであり、多くの腱が複雑に走行している手と足でよく発達しています。

深在性滑液包は、しばしば関節腔と交通が認められるのに対して、皮下のものは骨折などの特別な場合を除いて交通は存在しません。この交通は、生下時には認められません。いつ、いかにして交通が生じるかは定かではありませんが、加齢や関節内圧の上昇に関連すると考えられています。

関節疾患により関節液が貯留して関節内圧が上昇すると、隣接する深在性滑液包や腱鞘が破れ、滑液包に炎症が波及することがあります。これを関節破裂または滑膜破裂といいます。滑膜包炎や腱鞘炎を診療する際には、関節内の原因疾患の存在に注意を払う必要があります。

ベーカー嚢腫とは

ベーカー嚢腫(Baker’s cyst、膝窩嚢腫)とは、膝窩部の内側よりの嚢胞性病変で、腓腹筋内側頭腱下滑液包と半膜様筋滑液包との間(gastrocnemio-semimembranous bursa)に交通が認められ、それらに浸出液が貯留して腫大したものをいいます。

関節炎や半月板損傷、十字靭帯損傷などにより増量した関節液が解剖的に脆弱である後方内側の関節包から上記bursaへ流入したものと考えられています。

全身の中でも、最も頻繁にみられる滑液嚢胞で、膝のMRIでも頻繁に認められます。小児ではまれで、年齢とともに頻度が増すと言われています。その他、膝窩部には多くの滑液包があり、どの滑液包が罹患しているか判別できないことが多いので、膝窩嚢腫とも呼ばれます。

分類

成人型

膝関節腔と交通があることが多く、膝関節内に炎症や半月板損傷などの原因疾患があることが多いとされています。
膝窩嚢腫が巨大化し、下腿にまで下垂すること(滑膜破裂)があり、これをcalf cystといいます。

小児型

10歳以下では、関節腔との交通がないことが多く、滑液包にのみ病因が存在します。
原因として、学習時の椅子などの機械的刺激によるものがあり、これをstudent’s knee(学生膝)ともいいます。

症状

径30mm以下のものは無痛の場合が多いとされています。

まれに膝窩嚢胞が破裂をきたすことがあります。
この場合、筋肉間などの間質へ流入し内容液により、血栓性静脈炎に似た症状を示すことがあります。

画像

MRIでは、内部は均一なT2高信号を示します(図1、図2)。
しかし、まれに出血成分やdebrisにより不均一にみえることもあります。

ベーカー嚢腫 MRI sagital
図1:MRI所見sagital像(左:T2強調 右:T1強調)

ベーカー嚢腫 MRI axial
図2 MRI所見axial像(T2強調像)

治療

基本的に、保存療法を行います。
疼痛などの症状がなければ経過観察とします。

疼痛などの症状が出現した場合には、プンク(穿刺)を行って内容液を排液します。また、関節内の原因疾患の存在を疑う所見があれば、そちらに対する治療が必要になる可能性があります。

保存療法に抵抗する場合は、外科的治療を考慮する必要があります。
この場合、嚢胞切除術を行います。

追記(2016/10/23):ベーカー嚢腫に対する手術療法は上述の通り、嚢腫摘出術が一般的でしたが、再発率が高いことが報告されています。近年では、鏡視下手術による良好な成績が報告されています。

ベーカー嚢腫は腓腹筋半膜様筋渇液包が膝関節と交通し、一方方向の弁機能を有していることが原因の1つと考えられます。また、軟骨損傷や内側半月損傷の合併が多く、それらによる関節内水腫の貯留を一因になっていると考えられます。

関節鏡視下手術では、交通路を拡大し、関節液が嚢腫に一方方向に流入することを防止し、また、関節内病変に対する処置を同時に行うことにより、関節液の貯留を防止することができます。

参考図書

おわりに

以上、今回は膝の裏に生じる「ベーカー嚢腫」について勉強しました。

これは比較的出会うことの多い疾患です。特に膝の外傷を伴いやすいアスリートに見られることも多いでしょう。

出会ったときに「あっ、これがベーカー嚢腫ね!」って思えるように、しっかり勉強しておきましょう。勉強しておかないと、癌などの悪性の腫瘍かもしれないと、要らない心配をしなくてはいけなくなるかもしれません。

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スポーツドクターを目指す若手整形外科医です。

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