骨・軟部腫瘍のおすすめ教科書|用途別のおすすめ教科書が見つかる!
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
よせやん
今日は骨・軟部腫瘍のおすすめ教科書を紹介します。
骨・軟部腫瘍は、主に骨や筋肉・脂肪などにできる腫瘍ですが、小児から高齢者まで幅広い年齢層に発生し、また足の先から頭まであらゆる部位に発生します。
一般病院で骨・軟部腫瘍の症例に出会う機会は多くはありませんが、出会う機会が必ずあります。
また、骨・軟部腫瘍の9割以上は良性ですが、その中にわずかに隠れている悪性を確実に診断し治療を行うことは高い専門性を必要とします。
整形外科の中でも骨・軟部腫瘍は、その対応、治療が生命に直接関わる重要な分野なのです。
骨・軟部腫瘍の分野においては診察、画像診断、病理診断、外科的治療、化学療法、放射線治療など集学的知識が要求されます。
早期に正しい診断を行い、治療計画を立て、適切な治療(あるいは、腫瘍専門病院への紹介)を開始することが治療成績の向上に必須となります。
そのため、整形外科で骨・軟部腫瘍を専門とする先生はもちろんのこと、専門としない先生も腫瘍に関してはある程度の知識を持っておくことが実臨床において必要になってきます。
この記事では、そんな骨・軟部腫瘍を勉強するためのおすすめ教科書を紹介していきたいと思います。
Contents
骨腫瘍・軟部腫瘍の教科書
では、骨腫瘍・軟部腫瘍の一般的な教科書を紹介します。
まずはこの教科書です。
一般整形外科医としては、骨軟部腫瘍についてはこの教科書一冊で最低限のことはカバーできると思います。あまり頻繁に腫瘍の患者さんに遭遇することはないと思いますが、やっぱりたまに腫瘍の患者さんって来ますよね。
整形外科医であれば1冊は腫瘍の本を持っておいた方がいいでしょう。
よせやん
このシリーズの教科書は非常に読みやすいですが、特に骨・軟部腫瘍に関してはおすすめです。
続いてこの教科書もおすすめです。
この教科書は、日常診療に必要な知識の習得に最適の教科書と言えるでしょう。
WHOの新分類(2013)を基にした疾患構成とし、最新の治療法・診断技術も盛り込んだ改訂第2版です。
画像所見の読み方、手術療法、腫瘍分類などに加え、化学療法、放射線療法など新たな項目も追加されています。
各論では骨・軟部腫瘍疾患について整形外科、放射線科、病理、それぞれの分野のエキスパートの先生方が簡潔に解説してくれています。
この教科書は、大学病院勤務時代に腫瘍の症例が当たった際に、腫瘍班志望の同期に借りて読んでいた教科書です。
各画像所見、病理所見まで奇麗にまとまっていて、使い勝手がいいです。
そして、もう一冊。
最初の「見立て」の精度をあげるコツは何か?
落とし穴は何か?
外来で正しい診断を下すために、一般整形外科医があらかじめ知っておくべき最低限度の知識は何か?
これらの疑問にQ&Aや写真を多数用いて応えてくれる教科書です。
非常に読みやすい教科書なので腫瘍に抵抗のある先生はまずこちらの教科書を読んでみるのがよいかもしれません。
骨・軟部腫瘍ガイドライン
続いて、骨・軟部腫瘍のガイドラインを知るための教科書を紹介します。
まず、骨腫瘍に関するガイドライン的な教科書です。
整形外科医、病理医の日常診療において、第一に参照される網羅的な手引き書になります。第4版ではWHO分類の改訂に伴い病理画像所見と臨床画像所見が大幅に追加されました。
病理画像所見と臨床画像所見の連続性をもたせ、使い勝手の良いレイアウトになっています。
続いて、軟部腫瘍のガイドラインです。
軟部腫瘍の疫学から診断・治療全体にわたる指針、また患者への説明のよりどころとなる教科書です。2009年までの文献から信頼性と有益性を評価し、最新のエビデンスに基づいた診断・治療の推奨度と根拠を示してくれています。
付録のCD-ROMに文献アブストラクトも収録されています。
最後に、骨転移のガイドラインです。
腫瘍を勉強するなら、転移性骨腫瘍に関しても知っておかなければなりません。
転移性骨腫瘍に関しては2015年に発刊されたこのガイドラインがおすすめです。
骨・軟部腫瘍の画像診断
次に、骨・軟部腫瘍の画像診断の教科書です。
まず、骨腫瘍の画像診断の教科書です。
骨腫瘍の診断は、常に危険と隣り合わせです。
最初に撮影する単純X線で少しでも異常を感じた場合は、MRIなどの追加検査を行い、さらに腫瘍専門医に紹介することで適切な治療を行うことができます。
しかし、最初のX線で怪しいと思えなかった場合、腫瘍は見逃され、問題はどんどん深刻化してしまうでしょう。
この教科書では、骨腫瘍治療の最大のポイントである「最初のX線で見逃さない」ことに重点をおき、主要な骨腫瘍の典型画像を網羅し、どこに注目し、どのように所見を採るべきかを解説してくれています。
こちらも骨腫瘍の画像診断の教科書です。
整形外科医の多くは、骨腫瘍は専門としていないため、四肢の症状からレントゲンが撮影されても、運悪く悪性腫瘍が見落とされてしまうことがあります。
そうした不幸を減らしたいという、著者の切実な思いがこの一冊には込められています。
悪性骨腫瘍を見逃さないように、部位ごとに主だった悪性腫瘍像を提示し、悪性と判断するためのポイントが解説されています。
写真が多く、説明も簡潔なため、時間のない医師でもすぐに目を通すことができ、腫瘍専門医への橋渡しに役立つと思います。
続いて、軟部腫瘍の画像診断の教科書です。
軟部腫瘍はあらゆる部位に発生し、組織型も数多くあるため診断が非常に難しいです。
この教科書では、第一線で活躍する執筆陣が軟部腫瘍で主流となりつつあるMRIにおいて“どのような所見に注目するか”“どのような手順で診断を進めるか”“どのように鑑別診断を絞り込むか”などを実践的かつ詳細に解説してくれています。
レベルアップしたい放射線科医、整形外科医必読の一冊と言えるでしょう。
軟部腫瘍の画像診断の教科書をもう1冊紹介しておきます。
この教科書では、非腫瘍性43疾患・腫瘍性49疾患を網羅し、左ページに症例提示、右ページに疾患概念、画像所見、鑑別診断というように見開き2ぺージでそれぞれの疾患について解説してくれています。
骨・軟部腫瘍の病理学
そして、腫瘍をやる上で非常に重要な病理学についての教科書です。
病理診断は極めて重要であり、悪性であれば、再発・転移のリスクがあり、その後の生命予後に重大な影響を及ぼします。
確定診断は生検術による病理組織診断にて行いますが、HE染色に加えて、特異的分子マーカーによる免疫染色や融合遺伝子診断などが広く臨床応用されています。
これらの病理診断ツールを駆使して、早期に正しい診断を行い、治療計画を立て、適切な治療を開始することが治療成績の向上に必須です。
おすすめしたいのがこの教科書です。
この教科書の第一の特徴は、現場での『骨・軟部腫瘍の治療指針』を目指したものであるため、長文による記述を避け、箇条書きを基本としている点です。
一般的に敬遠されがちな骨・軟部腫瘍の病理診断を、初学者にも親しみやすい構成に工夫されています。
また、鑑別診断のための「フローチャート」や「診断のポイント」を多く用い、確定診断までのアプローチが簡潔に記載されているため、病理医だけでなく、臨床医にも活用しやすくなっています。
もう一つの特徴は、現代的にビジュアル感党を重視し、鮮明な画像所見とともに、美しいカラー写真によるマクロ像、組織像がふんだんに盛り込まれていることです。
特に、骨腫瘍では、単純X線像、MRI像と病理所見が対比されており、整形外科医にとって大変有用だと思います。
骨・軟部腫瘍を鑑別することだけにとどまらず、病理診断が治療にどのように影響するのかを学ぶことが可能で、臨床医に治療計画の立脚点を与えてくれるのも心強いと言えるでしょう。
病理医はもちろんのこと、骨・軟部腫瘍の診断・治療を行うすべての臨床医におすすめしたい1冊です。
こちらは骨腫瘍に特化した病理の教科書です。
多数の病理組織写真やX線写真を用いて骨腫瘍および骨腫瘍様病変の病理についてまとまった解説書です。
骨・軟部腫瘍の英語の教科書
最後に、骨・軟部腫瘍の英語の教科書を紹介しておきます。
医師にとって英語は論文を読んだり、書いたりする上で必ず必要です。意味の知らない単語や言葉の言い回しを調べる時間を減らすためにも、少しでも慣れておいて損はありません。
診断から治療まで骨・軟部腫瘍について英語でしっかりと学ぶことができるでしょう。
最後にこちらも紹介しておきます。
WHOの骨・軟部腫瘍の分類を病理学などを含めて勉強することができます。
さいごに
以上、今回は骨・軟部腫瘍のおすすめ教科書を紹介しました。
一般病院で骨・軟部腫瘍の症例に出会う機会は多くはありませんが、出会う機会が必ずあります。
また、骨・軟部腫瘍の9割以上は良性ですが、その中にわずかに隠れている悪性を確実に診断することが大切です。
何はともあれ、日々勉強することのどれだけ多いことか。勉強してもしても新しく勉強することが湧き出てきます。
若手だから当たり前なんでしょうが、前線でやっていくためには、結局医者はいつになっても日々勉強なのかなと思います。
この記事が骨・軟部腫瘍の教科書を探している方の参考になれば幸いです。
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