「足の外科の診察:問診編」何を聞いたらいいの?!
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
よせやん
1週間なんてあっという間ですね。
関節鏡が1人でできるようになるためには、まだまだ経験積まなきゃいけないなぁと思った今日1日でした。
今年中にある程度のレベルまで達せられるだろうか…。
貪欲に頑張っていくしかないですね。
さて、今日は昨日の記事にした足の外科研修会のアウトプットです。
アウトプットしたいことはたくさんあるのですが、今日は足の外科の診察(問診)についてまとめていきます。
普段の診察において、自分のルールを決めていますか?
足の症例が来たら、どんな問診をしていますか?
普段から自分の中でこういう患者さんにはこういう問診をして、こういう身体診察をして、こういう検査をして、こういう疾患を考えるっていうものが決まっている方が多いのではないでしょうか。
足の症例も同じように自分の中の診察のパターンを決めておきましょう。
というわけで、これから足の外科の診察の際に、どういう診察を行うべきかについてまとめていきますが、今日はどのような問診を行うべきかについてまとめます。
Contents
主訴
最初に患者さんが何を希望して受診したのかを確認しましょう。
そのためには現在、患者さんが何に困っているのかを聞くことです。
患者さんが困っていることとしては、以下のことが挙げられます。
- 痛み
- 見た目
- 合う靴がない
- 転びやすい
- スポーツのパフォーマンスが悪い
などが挙げられますが、整形外科を受診する1番多い理由は痛みだと思います。
足の痛みの原因
では、足の痛みの原因にはどういうものがあるのでしょうか。
もちろん、まずは整形外科的なもので、運動器疾患ですね。
すなわち、骨・関節・神経・筋の異常によるものです。
その他には、足の痛みの原因となるものとしては、以下のものが考えられるでしょう。
・内科的疾患
・靴などの外部因子
つまり、問診ではこういうことまでカバーする必要があるわけですね。
既往歴
というわけで既往歴です。
既往歴としては、以下のことを確認しましょう。
- 足の痛みを引き起こす全身疾患の有無
- 外傷歴の有無
- 糖尿病の有無
- 動脈閉塞性疾患の有無
- 関節炎を疑う場合は、結核の既往・家族歴の有無
足の痛みを引き起こす全身疾患としては、関節リウマチや痛風などがあります。
こういった疾患がないかは確認しておきましょう。
また、糖尿病や動脈閉塞性疾患は往々にして足の疾患を引き起こします。
足の糖尿病壊疽は意外に見る機会がありますよね。
足が痛いと訴える患者さんの痛みの原因がASOなどの動脈閉塞性疾患である可能性もあるため、こちらも問診できちんとカバーしておきましょう。
そして、捻挫や骨折などの外傷後には、足の痛みを残すことがありますので、外傷歴に関しては当然確認が必要でしょう。
足の痛みに関する問診
患者さんが足の痛みを訴えている場合には、どのようなことを問診すればよいでしょうか。
- まず、どこが痛いのか確認することが大切です。
- 次に、どんな時に痛みが出るのか知ることも大切です。
歩行時の痛みなのか、安静時の痛みなのか、夜間の痛みなのか確認しましょう。
患者さんによっては、マラソンで30kmまでは痛くないけど、それを過ぎたくらいから痛くなってくるという訴えで来院される患者さんもいます。
どういう状況で痛みが生じるのかは、原因を考えるうえで非常に大切です。
- そして、痛みの性状を聴取することも大切ですね。
単に痛みと言っても、骨格筋系の痛みなのか、神経による痛みなのかで治療法は大きく変わってくるでしょう。
痛みの性状を聞くことは、これらを鑑別する助けになります。
まとめ
では、最後に足の外科の診察で行うべき問診をまとめておきましょう。
ズバリ、足の外科の診察で問診すべき事項は、以下の項目です。
- 主訴
- 現病歴
- 既往歴
- 家族歴
- 職業
- スポーツ歴
- 常用している履物
聞くべきことは、一般的な問診とほとんど同じですが、太字のものは足の外科の診察の際には聞いておくべきものです。
職業は、具体的な足への負担があるかどうかを知る大きな手がかりになります。
現在の職業だけでなく、以前の職業まで聞いておきましょう。
スポーツ歴はもちろんのことながら大切です。
このブログではいつも言っていますが、スポーツによって特性があり、痛めやすい部位や受傷しやすい疾患は異なります。
ですので、スポーツ歴を知ることは、現在問題となっている部位がどこなのか、どんな疾患の可能性が高いのかを類推する助けになります。
最後に足の外科に特有なのは常用している履物に関する問診でしょう。
常用している履物は足に大きな影響を与えます。常用している履物が傷害の原因になることもあるのです。
有名なのはハイヒールがFreiberg病や外反母趾のリスクなどですかね。
足の患者さんを診る場合には、必ず確認するようにしましょう。
おわりに
以上、今日は足の外科の診察における問診についてまとめました。
パターン化というのは、効率の面でも精度の面でも効果が高いです。
足の症例を診るときに、どういう問診をするのか、自分の中の診察のパターンを決めておきましょう。
よせやん
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
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