膝の半月板とは|解剖・機能を詳細に勉強しよう!

どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
膝にある半月板(半月)って聞いたことありますか?
スポーツに関わる人なら聞いたことがある人が多いのではないでしょうか?
それはおそらく、周りもしくは自分が半月板損傷を受傷したことがあるからでしょう。
半月板損傷はスポーツ外傷の中でもかなりメジャーなものです。
しかし、なぜ今までまとめていなかったかというと、僕がメインで研究している分野なので中途半端にやりたくはなかったからです。
特に現在、半月板の形態異常に関して研究しており、円板状半月、半月嚢腫などに関して論文を書いています。
ってわけで半月損傷を学ぶ前に、まず半月板とは何かってことを知って欲しいので、半月板の解剖と機能についての知識をまとめていきます。
Contents
半月板(半月)とは
まず、半月板とは何なのか?について確認しておきましょう。
- 内側のものを内側半月(medial meniscus:MM)
- 外側のものを外側半月(lateral meniscus:LM)
といいます。
半月板の機能
続いて、半月板の機能です。
- 大腿骨と脛骨の接合部の安定性
- 荷重分散
- 衝撃吸収
- 関節の保護
などの役割をを担っています。
特に、大腿骨と脛骨への荷重伝達の6〜7割を担うとされています。
半月板の解剖
半月は線維軟骨からなり、その大半はtype1膠原線維(コラーゲン)により構成されます。内側2/3は横線維と円周方向の線維によりますが、外周1/3は円周方向の線維が主体です。
中心部(半月の深部)では、不規則な膠原線維の走行を示します。
半月の外周1/3は血行がありred zoneと呼ばれ、この部に発生した小断裂は自然治癒する可能性があります。
これに対し、内周2/3(自由縁側)は血行がなくwhite zoneと呼ばれ、自然治癒が難しい部位になります(図1)。
図1:半月の名称(図のピンク色の部分がred zone、白色の部分がwhite zone)
半月は3つに大別すると前節・中節・後節(または、前角・体部・後角)となりますが、5つに分けると以下のようになります(図1)。
- 前角(anterior horn)
- 前節(anterior segment)
- 中節(middle segment)
- 後節(posterior segment)
- 後角(posterior horn)
内外の半月の前角と後角の先端部はmeniscal rootと呼ばれ、脛骨に強固に付着しています。
このroot部分の修復術であるroot repairが最近の半月板縫合術のトピックの1つとなっています。
後方は脛骨高原(脛骨の関節面)の最後方までその表面を覆っています。
そして、内側半月前角のrootは前十字靭帯(anterior cruciate ligament:ACL)の脛骨付着部のすぐ前方に、外側半月のrootはACLの脛骨付着部のすぐ後方に結合します(図3)。
図3:膝関節内の解剖
内側半月と外側半月は、前角同士および後角同士が結合して、transverse meniscal ligament(of Winslow)が走行します。
内側半月前角rootの後方成分は、transverse meniscal ligamentに合流します。
また、内側半月辺縁部は、内側側副靭帯(medial collateral ligament:MCL)深層と関節包に比較的強固に結合します。
外側半月は関節包への結合は弱く、背側の膝窩筋腱溝ではわずかなfascicleで関節包に支持されるのみで、膝の屈伸に伴う可動域は内側に比べて極めて大きくなっています。内側半月と外側半月の違い
続いて、内側半月(MM)、外側半月(LM)について詳しくお話しします。
内側半月は、外側半月より半径が大きく開き気味(C shape)ですが、その幅は外側半月よりも狭くなっています。また、内側半月は辺縁部が厚く、全体的に大きくなっています。
これは、荷重軸は膝関節内側を通り、脛骨も内側が大きいことから考えたら当たり前のことかもしれません。
よせやん
特に内側半月後節は最も厚くなっており、5mm程度の厚さがあります。
内側半月後角は、前角より常に幅広く、最大幅は12mmで前角の約2倍ほどです。
また、後角の幅はその高さよりも大きくなっています(図2)。
外側半月は半径は小さく、より閉じたO字型に近い形状(O shape)をしています。
外側半月の幅は、約10mmでほぼ一定となっています(図2)。
図2:内側半月、外側半月の形態的特徴
おわりに
以上、今回は半月損傷を学ぶ足がかりとして、半月板とは、解剖・機能について詳細にまとめてみました。
知っていることばかりでしたか?
こんなに詳細なところまでは必要ないかもしれませんが、半月損傷に関してはスポーツに関わる人は必ず知っておいた方がよいでしょう。
よせやん
今後、半月板損傷に関して少しずつまとめていきます。
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