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腸腰筋損傷の経過は?腸腰筋肉離れを受傷したブログ主の体験をもとに治療やスポーツ復帰時期に関して解説!

 
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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

よせやん

昨日は2連続当直からの科研費の書類作成をして、そのままフットサルがあったので更新できず。

今日は1日仕事でしたが、しっかり更新していきます。

 

というわけで、今日は僕自身が受傷した腸腰筋損傷の経過についてお話ししましょう。

僕自身の経験を通して、治療や経過において大事なことなどもお話ししていこうと思います。

Contents

腸腰筋損傷とは

まず、腸腰筋損傷とか腸腰筋関連鼡径部痛ってよく知らないって人は昨日の記事を見たってください。

 

なんか昨日の記事は腸腰筋のことを腸骨筋と書いてしまっていました。

また、修正しておきます。

 

症例提示

というわけで、case report風に自分の怪我がどんなものだったのかお話ししていきます。

 

主訴

右鼡径部痛

現病歴

フットサル中に相手のシュートをブロックするためにスライディングをした際に、体制を崩した相手と接触して股関節過伸展となった。

1プレーだけ続けたが、右鼡径部に違和感・痛みを感じてすぐにプレーを中断した。

身体所見

  • 右鼡径部に圧痛あり
  • 詳細に触診すると腸腰筋に圧痛あり
  • 股関節屈曲で疼痛誘発あり
  • 股関節伸展でも疼痛誘発あり

MRI画像所見(STIR像)

coronal像では、腸腰筋の走行に沿って高信号領域を認めます。

sagital像では、腸腰筋の後方成分に縦に走る高信号変化を認めます。

axial像でも、腸腰筋の後方に高信号変化が確認できますね。

 

診断

以上より、右腸腰筋肉離れと診断。

 

腸骨筋関連鼡径部痛の鑑別は覚えていない人は下の記事で復習してくださいね。

 

治療

画像を撮りに行って診断するまでは、とにかくPRICEを意識して患部に負担をかけないことと冷却、圧迫をして過ごしました。

怪我した直後から自分ではおそらく肉離れだろうと思っていたので、それ以上損傷を大きくしないこと血腫を増やさないことを意識していました。

 

PRICEって何だっけ?と思ったらこれも確認しておきましょう。

 

超急性期が過ぎたくらいにはMRI画像を撮りに行って自分で診断を付けたのですが、今は社会人フットサルも大事な時期だし、少しでも早く復帰したい・・・と思って修復を待つ以外にできることを模索しました。

文献などを調べていて、やはり一番簡易であり効果がありそうなのはPRP療法と判断しました。

 

PRPについては、以前少しお話ししましたが、もしこれも知らないという方がいたら下の記事を参考にしてください。

これは多くの有名なスポーツ選手も使用している最近注目を集めている治療法の1つです。

 

僕は、筋損傷の場合にはPRPにより早く炎症を起こしてあげて、それだけ早く修復のフェーズに移行させることが有効だと思っています。

よせやん

ただし、もちろん上で述べたように、損傷を大きくしてしまったり、損傷部からの出血が増えて血腫が大きくなると、それだけ治療期間は長くなる可能性があるのでそこは勘違いしないでくださいね。

 

僕が尊敬しているスポーツ整形外科の先生に、MRI所見を元にエコー下で腸腰筋の損傷部周囲の筋膜下にPRPの注射をして頂きました。

PRP注射後は炎症が惹起されるので、腸腰筋を使用する動作で痛みがさらに誘発されるようになりました。

というか、正直歩くのも痛くなりました。笑

だけど、想像していたものよりは痛くなかったというのが正直な感想。

 

経過

注射をして2日後には、腸腰筋を使う動作時痛も消失しました。(注射の前は少し痛い程度の疼痛はありました。)

この期間は、腸腰筋に負担のかからないインナーマッスルのトレーニングや足趾筋のトレーニングのみやっていました。

怪我をするまで毎日トレーニングする習慣がついていたこともあり、この時期はトレーニングが出来ないことでストレスMAXでした。

 

注射をしてから1週間後には日常生活は全く気にならなくなりました。

受傷してから2週間でストレッチ痛が出ないことを確認し、ストレッチと体幹トレーニングを再開。

その3日後からジョギングを開始し、痛みが出ないことを確認してドリブル動作なども順次開始。

 

受傷後3週間でダッシュや切り返しなどのアジリティ動作を開始。

痛みが出ないことを確認して、様子を見ながら強めのキックを少しずつ始めて対人もできるようになりました。

 

競技レベルへの完全復帰が受傷後4週間ですね。

自分自身のことであり、再発しないようにかなり安パイに進めたので実際にはもっと早く復帰できたのかもしれませんが、肉離れは再発しやすいスポーツ外傷であり、無理に早く復帰させるよりも確実に復帰させることが大切です。

 

前回紹介した論文では、腸腰筋肉離れのスポーツ復帰は平均8.6週なので、それと比較するとかなり早いと言えます。

肉離れであれ、筋挫傷であれ、筋損傷は無理やりプレーを続けてしまうと、損傷を大きくしてしまったり、血腫を大きくしてしまう可能性があり、そうなると治療期間は長くなってしまう可能性が高いです。

 

そういう意味でも、すぐにプレーを中止する・させる診断するまではPRICEを徹底することが一番大切なのかもしれません。

よせやん

おわりに

というわけで、今回も自分の身に起きた怪我を通じて勉強したことをブログにしました。

 

昔からブログを読んでくださっている方はご存知の通り、僕は今までにいろんな怪我をしてきました。

 

最後の内科的なものは別として、自分が怪我するといつも勉強する以上にしっかり深く学びたいと思うし、少しでも早く復帰するためにできることはないのかと思ってめちゃくちゃ勉強します。

人生経験は非常に貴重なので無駄にしちゃいけませんね。

 

また、最近は怪我をした時の治療はもちろんなのですが、スポーツドクターとして怪我をしないための身体作りや一度怪我をしたとしても再発させないための身体作りなど予防医学の大切さを以前よりも実感するようになりました

アスリートの力になれるスポーツドクターになるためには、まだまだ勉強しなくてはいけないことが積みのようです。

 

これからもひたすら勉強と研鑽の毎日になりそうだけど、終わりが見えないからやっていて楽しいんですよね。

というわけで、今後も頑張っていきます!!

よせやん

 

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