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最近話題のPRP療法とは|作り方と分類についてかなり専門的に解説!

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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

当直明けで非常に眠い1日でしたが、朝から夕方までバイトでした。

また、大学院生としても色々とやらなければいけないことが溜まってきており、疲弊気味です・・・。

 

さて、今回は自分の備忘録として近年話題になっているPRP療法についての記事です。

  • PRPとはどんなものか
  • どうやって精製するのか
  • PRPの分類
  • PRPに含まれる成長因子

について以下の文献を参考にまとめていきます。

(金森章浩. 臨床スポーツ医学. 2017)

この記事は備忘録なので医学系の人向けに専門用語を使いますが、また後日一般の方向けにわかりやすい記事も書こうかと思います。

PRPとは

PRP( Platelet Rich Plasma)とは多血小板血漿のことで、全血の血小板より高い濃度の血小板を含む血漿と定義されます。

そもそも、血小板は様々な成長因子を含有しており、これらは組織の治癒過程において発現する細胞の遊走・増殖・分化に関与しています。

血小板に含まれる成長因子
  • 上皮成長因子(EGF)
  • VEGF(血管内皮細胞増殖因子)
  • PDGF(血小板由来成長因子)
  • FGF(線維芽細胞増殖因子)
  • IGF(インスリン様成長因子)
  • TGF-β(トランスフォーミング成長因子β)

など

 

PRP療法は、生体内でのバランスを保ったまま、複数の成長因子を高濃度に供給することで、組織治癒や再生を期待する治療法として近年注目を集めています。

 

多くのアスリートがこの治療を受けていますが、最近、エンゼルスの大谷翔平選手が痛めた肘にPRP療法を行なったのは記憶に新しいでしょう。

よせやん

PRPの作り方と分類

では、そのPRPはどのようにして作るのでしょうか?

PRPの作り方は大きく分けると3段階に分けられます。

この3段階での違いによりPRPの性質そのものが異なってくるため、これが分類に繋がります。

PRP製法の3段階
  1. 抗凝固薬入りの試験管内で遠心
  2. 遠心後の血液からPRPを抽出
  3. 使用前のPRPの活性化

 

これらにつき、順番に詳しく説明していきます。

遠心

第1段階は、採取した静脈血を抗凝固薬入り試験管内で60分以内に遠心することです。

遠心時の重心加速度が大きさ、遠心時間により、血小板濃度は変化します。

遠心時の重心加速度が大きいほど、遠心時間が長いほど、血小板濃度は上昇します。

 

  • 骨の再生には、末梢血のの1.5〜4.5倍の血小板濃度が有効と言われていますが、6〜12倍になると逆に抑制することが報告されています。(Weibrich G, et al. Bone 34. 2004)
     
  • また、骨芽細胞や線維芽細胞の増生には2.5倍の血小板濃度が最も有効であったと報告もあります。(Graziani F, et al. Minerva Stomatol 54. 2005)

 

PRP内の適切な血小板濃度についてはまだ結論が出ていないのが実際のところです。

PRPの抽出

第2段階は、遠心後の血液からのPRPの抽出です。

遠心後の試験管内で、血液は赤血球、白血球・血小板を多く含んだbuffy coat、血漿の3層に分かれます(下図)。

(金森章浩. 臨床スポーツ医学. 2017より引用)

そして、最終的に赤血球と上層の血漿層を除去し、血小板を多く含む血漿層を抽出します(下図)。

(Kemmochi M, et al. J Orthop 15. 2018より引用)

抽出の際に、buffy coat層を含むかどうかでPRPは大きく区別されます。

PRPの抽出による分類
  1. 血漿のみを抽出
    plasma based PRP
    pure PRP(P PRP)
    leucocyte poor PRP(LP PRP)
     
  2. buffy coatを含む
    buffy coat based PRP
    leucocyte rich PRP(LR PRP

 

  • buffy coat層の白血球は、細胞外基質を破壊する炎症性サイトカインやタンパク質分解酵素を含んでおり、組織再生には不利であることが危惧され、基礎研究ではLR PRPで培養した腱細胞は細胞増殖が阻害され、アポトーシスが多くみられたと報告されています。(Zhang L, et al. Am J Sports Med 40. 2016)
     
  • また、マウスの膝蓋腱にPRPを直接注入した研究では、LR PRP群で組織の炎症所見とともに腱の線維化が強く認められたことを報告しています。(Dragoo JL, et al. Am J Sports Med 40. 2012)
     
  • 関節内にPRPを注入する場合には、LR PRPでは投与後の腫脹などの炎症症状を惹起する可能性が指摘されています。(Filado G, et al. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc 19. 2011)

 

実際に、白血球を高濃度に含むPRPは炎症が惹起されるため、PRP注射を行なった後、しばらく痛むという患者さんが多いです。

よせやん

 

  • そして、PRP内の血小板濃度も抽出部位によって異なり、一般にbuffy coat based PRPの血小板濃度は末梢血の4〜6倍となり、plasma based PRPでは2〜4倍であると言われています。

PRPの活性化

第3段階は、使用前のPRPの活性化の有無です。

活性化によって、血小板内に存在するα顆粒内の成長因子や濃染顆粒内の生理活性物質が放出されます。

 

血小板活性物質であるトロンビンや塩化カルシウムをルーチンに加えることで、PRPは活性化されます。

しかし、組織内の内因性コラーゲンでも血小板は十分に活性化するため、使用前に活性化させない場合もあります。

 

機械的な刺激でも血小板を活性化させるので、注入にあまり細い注射針を用いると、思っているよりも早く成長因子の放出が起きるので注意が必要です。

よせやん

PRPに含まれる成長因子

また、PRPの調整方法によって、成長因子の濃度は大きく異なります。

特に、白血球が含有するかどうかによって、PRP内の成長因子濃度は影響を受けます

 

  • 3種類のPRP調整方法を比較した研究では、LR PRPではPDGF、TGF-β、IGFなどがLP PRPより高濃度であったことが報告されています。(Mazzocca AD, et al. J Bone Joint Surg Am 94. 2013)
     
  • さらに、VEGF濃度もLR PRPで高いことが報告されており、白血球内に存在する成長因子の関与を示唆しています。(Kobayashi Y, et al. J Orthop Sci 21. 2016)

 

また、血小板の機能は日内変動することが知られています。

  • しかしながら、PRP内の成長因子濃度は日内変動を測定した研究では、採血時間によって成長因子濃度は影響されないことが報告されています。(Aoto K, et al. Clin J Sport Med 24. 2014)
     

さらに、年齢とPRP内の成長因子濃度の関連を検討した研究もあります。

  • 20〜60歳ではPDGFとIGFの濃度が年齢とともに減少しますが、その他の成長因子は変化せず、特に50歳以上のPRPではIGFがほとんど検出されなかったことが報告されています。(Dragoo JL, et al. Oper Tech Orthop 22. 2011)

おわりに

以上、今回はPRPとはどんなものかちょっと専門的にまとめました。

今回の内容はかなり医学的な内容で一般の方にはわかりにくかったと思います。

備忘録としての記事なので勘弁してください。

また、実際のPRP療法がどんな感じで行われているのか?どんな疾患に適応があるのかなど記事にしたいと思います。

 

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