Heel Fat Pad Syndrome(ファットパッド症候群)|アスリートにみられる踵部の痛みはこれを疑え!
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
よせやん
先週末にフットサルをしていて右足の踵を痛めた話をしたかと思います。
昨日、装具屋さんにジェルヒールカップというものを頂戴して、さらに歩行が楽になってきたものの、日常生活でもまだ少し痛みが残っているためフットサルは日曜日まではお休みして筋トレに徹します。
テーピングが一番効果的だと思うので、テーピングも今日の夜にでも試してみようと思います。
さて、この僕の右足の踵の痛みはどういう病気かおわかりでしょうか。
足の外科をやっていても意外に聞きなれない病名かもしれません。
僕自身も自分が怪我するまで知らなかったので。
というわけで、今日はHeel Fat Pad Syndrome(ファットパッド症候群)についてお話しします。
Contents
踵部の解剖
まず、Heel Fat Pad Syndrome(ファットパッド症候群)に関与する踵部の解剖からお話しします。
踵骨の下には踵部脂肪体(Heel Fat Pad)という脂肪のかたまりが存在していて、体重がかかる際の衝撃吸収に寄与しています。
Heel Fat Pad Syndrome
このHeel Fat Pad Syndromeと踵部脂肪褥炎という病気を合わせて有痛性踵パッドとも言われます。
原因
原因としては以下のようなことが考えられます
- 踵に衝撃がかかる運動を始めたばかりの初心者
- 靴を変えた(衝撃吸収能が低下した)
僕の場合もフットサルシューズを新調して調子がいいと思っていた矢先に踵部が痛くなってしまいました。
スポーツする人にとって靴って本当に大切です。
よせやん
症状
体重をかけると踵部に痛みが走ります。
ここ!という圧痛点があるわけではなく、踵部全体に圧痛を認めます。
特に、裸足で歩いたり、固い地面の上を歩くことで痛みが増強します。
治療
治療は基本的に保存療法を行います。
踵部脂肪体の安定性が損なわれていることが原因なので、下のようなヒールカップやヒールサポーターを使用し、踵部のクッション性をサポートします。
また、テーピングを行い、踵部の支持性をサポートすることも非常に有効です。
田中らは、以下のテーピング方法はこの疾患の治療に非常に有効であることを報告しています。
- アンダーラップを設置
- 38mmホワイトテープを用いてアンカーを設置
- 踵部を側方より圧迫するようにアンカー内側より外側へ二重にテープを設置
- 再びアンカー部をロックにて固定
おわりに
以上、今回はアスリートの踵部の痛みの原因となるHeel Fat Pad Syndrome(ファットパッド症候群)についてお話ししました。
意外に聞きなれない病気だと思いますが、これを機に知っておきましょう。
また、同じような踵部の痛みを行う疾患として踵部脂肪褥炎も知っておいた方がいいので、こちらもまた記事にします。
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