2017/10/12

手術で縫合した創部のガーゼなどによる被覆はいつまで行うべきか?現代医学の常識わかってますか?

 
術後創管理

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この記事を書いている人 - WRITER -

サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること!仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい!日々の勉強のため、また、同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思いブログを書いています。➡︎詳しいプロフィールはこちら

よせやん

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スポーツドクターを目指す若手整形外科医です。

どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

昨日はフットサルの練習に行きましたが、もちろん右足の踵が痛くてプレー出来ないので体幹トレーニングをしていました。大学生で部活のキャプテンをしていたときは毎日体幹トレーニングもやったものですが、最近ではもちろん全くやっていません。

久しぶりにやってみたら体幹トレーニングを始めてすぐに体中が悲鳴をあげました。なんとか1セットずつはやり通したものの体幹がいかに弱くなっているのかを実感してしまいました。この怪我を契機にもう一度体幹を鍛えて、当たりに強く、強いシュートが打てるようになってやろうと思いました。

さて、今日は時間がないのでちょっとした医学のテーマを記事にします。

手術で縫合した創部のガーゼなどによる被覆をいつまで行うべきか?についてお話しします。

以前の考え方

みなさんは、手術後の創部をどのように管理していますか?

特に、手術で縫合した創部のガーゼ、テープなどによる被覆はどうしているでしょうか?

いつまで被覆していますか?

被覆はガーゼで行います?バンドエイドなどのテープで行いますか?フィルムで行いますか?

実は、以前の医学では、

手術で縫合した創部は抜糸するまで被覆しておく

というのが当たり前でした。

しかし、これはもはや昔の知識です。

現在の考え方

では、現在ではどのように考えられているのでしょうか?

現在では、縫合閉鎖された創部において再上皮形成は24〜48時間で起こり、その後は被覆しないでも細菌の侵入を防ぐことができると考えられています。(竹末芳生. 感染対策ICTジャーナル. 2009)

米国疾病予防センター(Center for Disease Control and Prevention:CDC)のガイドライン1999によると、一次閉鎖された創は24〜48時間までは被覆を勧めているが、それ以上のドレッシングの必要性やシャワー、入浴を制限するエビデンスはないとされています。(Mangram AJ, et al. Infect Control Hosp Epidemiol. 1999)

Chrintzらは、清潔、準清潔手術で検討し、術後1日目でドレッシングを中止した場合と抜糸までドレッシングを継続した場合を比較し、差がなかったことを報告しています。(Chrintz H, et al. Br J Surg. 1989)

斉田らは、65例について検討し、消化器外科手術後一次縫合創に48時間以後もガーゼ被覆を継続した群、48時間後はフィルムドレッシングとした群、48時間後は全く被覆を行わなかった群のいずれでも手術部位感染(surgical site infection:SSI)がみられなかったことを報告しています。(斉田芳久ら. 日臨外会誌. 2002)

また、平田らは、胸腹部手術後100例を検討し、ガーゼ被覆群とフィルムドレッシング群を比較し、有意差はなかったもののガーゼ群では創部の発赤やテープかぶれが多かったと報告しています。(平田健ら. 日臨外会誌. 2005)

フィルムドレッシングによる被覆は、摩擦や張力からの保護作用、低刺激性による疼痛予防、浸潤環境を保ち細菌や汚れを遮断する機能、視認性、経済性などの利点があり、48時間以後も行ってよいとする報告もみられます。(新井裕子. 薬局. 2010)

今回のまとめ

以上をまとめると、

一次縫合創に対しては24〜48時間までは被覆を行い、それ以降は被覆を行わないか、行なう場合にはフィルムドレッシングが推奨されます。

実臨床においては、被覆は不要という意見が多いですが、疼痛や外界の汚染からの遮断するといった理由から48時間以降も被覆を継続している施設もまだまだ多いのではないかと思われます。

フィルムドレッシングによる被覆は、SSIが増加するわけでもなく、何もしないことと比較してもコスト面以外にデメリットはみられないため当面は行っても全く問題ないでしょう。

おわりに

以上、今回は手術で縫合した創部のガーゼなどによる被覆をいつまで行うべきか?についてお話ししました。

ちなみに、僕は手術後の縫合創に対しては術後2日目にフィルムドレッシングを行い、あとは問題がなければ抜糸まで何もしていません。

今回勉強してこのドレッシング方法で間違っていないことを確認することができました。術後ドレッシングに関しては、病院のやり方とか上の先生のやり方とか教えられたやり方があるかもしれませんが、そういう他人から得た知識が本当に現在の医学においてエビデンスのあるものなのかは常に考える習慣をつけていきたいですね。

自信を持って間違ったやり方を実行している人は意外にたくさんいるので、やはり自分で勉強・確認することは非常に大切なんだろうなぁと思います。

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スポーツドクターを目指す若手整形外科医です。

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