2018/03/27

骨盤骨折の分類|Muller AO分類とAO/OTA分類、Malgaigne(マルゲーニュ)骨折を覚えておこう!

 

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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること!仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい!日々の勉強のため、また、同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思いブログを書いています。

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よせやん

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スポーツドクターを目指す若手整形外科医です。

どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

今日は骨盤骨折の分類についてまとめようと思います。

簡単なMuller AO分類、それをさらに細かく分類したAO/OTA分類、そしてMalgaigne(マルゲーニュ)骨折とはなんぞやってことについてまとめていきます。

骨盤骨折でまず覚えるべき分類

骨盤輪は非常に強固で、1ヶ所だけの骨折では力学的な不安定性を生じません。

2ヶ所以上骨折している場合に不安定性を生じる可能性があります。

そして、治療方針を決定する際には骨盤の力学的安定性の評価が不可欠です。

安定から不安定へは連続して移行しますが、実用性と治療方針決定のために大きく分けると以下の3つに分類されます。

骨盤骨折の分類
  • TypeA:骨折は1ヶ所、骨盤輪の力学的構造は損傷されていない
     頻度50〜70%
  • TypeB:回旋不安定性はあるものの、垂直・横方向は安定している
     頻度20〜30%
  • TypeC:前方及び後方不安定性の合併、回旋・垂直・横方向の不安定性
     頻度10〜20%

 

手術を行うか否かはこの骨折型によって決まってきます。 

  • TypeA:手術による固定は例外的な適応のみ
  • TypeB:骨盤輪前方の固定のみで十分
  • TypeC:二次的転位のリスクを最小にするため、骨盤輪の整復及び安定化を要する

Muller AO分類

そして現在、広く使われている骨盤損傷のMuller AO分類は、受傷機序の評価と骨盤輪の安定性・不安定性に基づいているものです。

これも覚えやすい簡単な分類なのでまず覚えてしまいましょう。先ほどの分類とほぼ同じです。

Muller AO分類

  • TypeA:力学的に安定
  • TypeB:部分的後方不安定性(回旋不安定性)
  • TypeC:完全な前方・後方不安定性(回旋不安定性かつ垂直不安定性)

とりあえずは、ここまで覚えておいて、骨盤骨折の画像を見たときに不安定性を評価できるようになっておきましょう。

AO/OTA分類

続いて、もう少し詳しい分類についてまとめていきます。

AO/OTA分類は、骨盤後方部の損傷程度(部分破綻・完全破綻)から骨盤輪の安定性により分類しています。

Pannal分類では、骨折を生じる際に加わった外力の方向を、前後方向の圧迫(antero-posterior compression)、側方からの圧迫(lateral compression)、垂直剪断(vertical shear)およびその複合したものとしています。

前後方向の圧迫では恥骨結合が離開し、前仙腸靭帯は断裂して仙腸関節前方が開いて寛骨は凱旋します(open book)。しかし、他の靭帯群の断裂はないか軽微です。

側方からの圧迫では、患側寛骨は内戦して恥骨部が骨折し、通常仙骨翼の圧迫骨折を伴います。この場合にも後方靭帯群の断裂は少ないと言われています。

これらの骨折は回旋方向の不安定性はありますが、垂直方向の不安定性はありません(部分不安定

垂直剪断によるものは前方では恥骨結合の断裂または恥骨・坐骨骨折があり、後方では仙骨垂直骨折、仙腸関節脱臼、腸骨骨折のいずれか、骨盤後方部の重度の損傷を伴い骨盤輪が破綻します。

骨盤片側が頭側へ偏位し、回旋方向および垂直方向共に不安定となります(完全不安定)。従来、Malgaigne(マルゲーニュ)骨折と呼ばれたものはこれに該当します。

では、前置きはこれくらいにして、AO/OTA分類について紹介します。

AO/OTA分類

TypeA:骨盤後方靭帯群の断裂はまったくなく、骨盤輪は安定しているものです。
 A1(筋付着部裂離骨折)
 A2(直逹外力による腸骨・腸骨翼骨折または転移のない骨盤輪骨折)
 A3(仙骨もしくは尾骨の横骨折)

TypeB:後方靭帯群が一部断裂して回旋方向への不安定性を生じているが、垂直方向の安定性は保たれているものです。
 B1(片側の外旋方向への不安定性があるもの。前後方向への力によって生じるopen book typeの損傷)
 B2(片側の内旋方向への不安定性があるいわゆるlateral compression typeの損傷)
 B3(両側の後方部分破綻)

TypeC:後方靭帯群が完全に断裂したもので、回旋方向のみならず垂直方向への不安定性を伴うもの。
 C1(片側の損傷であり、損傷部により以下に細分けられる)
  C1.1(腸骨骨折)、C1.2(仙腸関節)、C1.3(仙骨)
 C2(片側完全破綻、対側部分破綻)
 C3(両側完全破綻)

実臨床で骨盤骨折と出会ったら、この表を見ながら分類して少しずつ覚えて自分のものにしていきましょう。

Malgaigne骨折

最後に、骨盤骨折の分類ではありませんが、実臨床で骨盤骨折の分類について語るときに知っておいた方がいいMalgaigne(マルゲーニュ)骨折について簡単にお話しします。

Malgaigne骨折とは、垂直剪断力により生じる骨盤輪骨折で、AO/OTA分類のTypeCに該当します。

狭義には前方での恥骨骨折と腸骨垂直骨折を合併するものをいいます。

一般には骨盤前方での恥骨骨折や恥骨結合離開に、後方での仙骨垂直骨折や仙腸関節脱臼を伴うものを含める場合が多いです。

骨盤骨折のtypeを言うときによくMalgaigne骨折という単語が飛び交うかと思いますので覚えておきましょう。

おわりに

以上、今回は骨盤骨折の分類についてまとめました。

骨折の分類は、他の先生と語るときの共通言語となるものなのでしっかりと覚えておきましょう。

少なくともMuller AO分類のAなのかBなのかCなのか、安定型なのか不安定型なのかが評価できないようでは、治療方針も決めることができないため、整形外科医として話になりません。

1つずつ地道に覚えていきましょう。僕も頑張ります。

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本田圭介

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