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サッカー選手に必要な能力(体力的要因)とは|スポーツ科学で考える!

 
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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

 

ゆっくりできる休日は本当にありがたいですね。

1週間でやり残した仕事+αをゆっくりとやっています。+αのための時間をもっと確保したいけど、なかなかできないですね。

少しずつ仕事を慣らしていって+αの時間を増やせるように頑張ります。

 

さて、今日はスポーツ医学のブログらしくサッカーに必要な能力について考察してみようと思います。

サッカーに必要な体力的要因にはどのような要素があり、それらはサッカーのどのような能力に繋がるのでしょうか。

 

それらについて、運動生理学的なスポーツ科学の観点から考えてみましょう。

よせやん

Contents

サッカーに必要な体力的要因

サッカーの試合では、さまざまな生理的要素が要求されます。

そのため、サッカーに必要な体力的要因には、あらゆる特質と適性が混在しています。

 

こうした体力的要因には、ボールの奪取やキープ、そして90分間高強度で動き続ける能力、試合前や最中のメンタル面の調整、覚醒レベルや反応も含まれます。

デンマーク代表やイタリアセリエAのユベントスでアシスタントコーチを歴任したコペンハーゲン大学のJ. Bangsbo博士は、サッカーに要求される体力的要因を以下の4要素に分類しています。

 

サッカーに要求される体力的要因
  • 持久力
  • 高強度運動能力
  • スプリント能力
  • 筋発揮能力

( Bangsbo J. J Exerc Sci Fit. 2006 )
( 安松幹展,広瀬統一.トレーニング科学.2010 )

 

ドイツのJ. Weineckは、サッカーの体力的要素として、持久力、筋力、スピード、可動性をあげています。( 安松幹展,広瀬統一.トレーニング科学.2010 )

一方、フランス、イタリア、スペインのチームに数多くのフィジカルコーチを輩出しているG. Comettiは、サッカーには筋力と持久力が必要であるが、持久力に関してはサッカーが高強度の間欠的運動を特徴とすることから、持久力の強化方法には注意が必要であり、特に筋力強化が重要であると説いています。( Weineck J. Spitta Verlag GmbH, Balingen. 2002 )

 

今日は、サッカーに必要な体力要素として、J. Bangsboが定義した4つの要素を取り上げて考察してみましょう。

 

持久力パフォーマンス

まず、持久力パフォーマンスについてです。

 

サッカーにおいて必要な持久力は、一定強度の運動を持続的に行う持久力ではなく、ジャンプやスプリントといった高強度運動後の回復能力に関する持久力です。

 

持久力の評価には、最大酸素摂取量が良い指標となりますが、最大酸素摂取量がサッカーのパフォーマンスに反映する指数は決して大きくないと一般的には考えられています。

 

しかし、持久力が全く必要ないということではありません。

基礎持久力の向上は、回復能力の最適化、ケガの最小化、心理的負荷許容量の増加、技術的失敗の減少などに貢献すると考えられています。( 安松幹展,広瀬統一.トレーニング科学.2010 )

 

高強度運動パフォーマンス

続いて高強度運動パフォーマンスについてです。

 

サッカーに必要な体力要素として、サッカー中に繰り返される高強度運動後の回復能力、つまりサッカーにおける高強度運動パフォーマンスも重要です。

 

この強度パフォーマンスを評価できるテストに、Yo-Yo Intermittent Recovery test(YYIR)があります。

このテストは、信号音に合わせて20mの往復スプリントごとに5mを往復します。10秒間の回復時間が設けられています。

合計で2回、信号音のペースについていけなくなった時点での走行距離で評価します。

 

YYIRの結果は、試合中のスプリントなどの高強度運動量と相関することや、競技レベルが上がるにつれテストでの走行距離が延びることが報告されています。
( JFAフィジカル測定ガイドライン2006年度版.日本サッカー協会.2006 )
( P Krustrup, et al. J Sports Sci. 2001 )

 

スプリントパフォーマンス

次はスプリントパフォーマンスです。

 

サッカーにおけるスピード特に20mまでの短い距離のパフォーマンスは、試合における決定的な場面で大変重要な体力要素と考えられています。( 安松幹展,戸苅晴彦.日本スポーツ方法学会創設10周年記念学会大会研究報告.2000 )

 

実際に試合の中で発揮されるスピード能力は、認知スピードから始まり、予測スピード、決定スピード、反応スピード、運動スピード、行動スピードという具合に、さまざまな要素が作用します。( 安松幹展,広瀬統一.トレーニング科学.2010 )

筋発揮パフォーマンス

最後に筋発揮パフォーマンスです。

 

サッカーにおける筋発揮パフォーマンスでは、ジャンプのような瞬発系の能力が試合の結果を左右することはよく知られています。( 安松幹展,戸苅晴彦.日本スポーツ方法学会創設10周年記念学会大会研究報告.2000 )

 

サッカーにおいて、大腿四頭筋、大腿二頭筋、下腿三頭筋といった下肢の筋力はジャンプやキック、タックル、ターン、ペースの変化に大きく関与します。

また、強い筋収縮を持続できる能力は、バランスの維持、とくに相手選手がボールを奪いにきたときのボールコントロール時に発揮されます。

 

等尺性筋力は、滑りやすいピッチにおけるバランス能力やボールコントロールに対しても重要です。また、ゴールキーパーにとっては、そのポジション特性から考えて、すべての筋力が重要となります。

さらに、ハイレベルの筋力は、傷害のリスクを少なくするうえでも大変重要です。

 

参考図書

おわりに

以上、今回はサッカーに必要な体力にはどのような要素があり、それらはサッカーのどのような能力に繋がるのか運動生理学的な観点から考えてみました。

 

サッカーに必要な体力にどのようなものがあるのかは今回理解頂けたかと思います。

では、日本人選手にはどのようなフィジカル特性があり、日本人以外の選手との違いはどんな点なのでしょうか。

今度、またそういう点についても考察してみます。

お楽しみに。

 

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