足関節捻挫後に完全スポーツ復帰させるための評価項目|最新の文献から紹介!

どうも、こんにちは。
整形外科医のよせやんです。
よせやん
今日は田舎病院での当直を終えて、家でゆっくりしています。
田舎病院では科研費の申請書とずっと睨めっこしていたので何だかんだ疲れました。
家で過ごす時間は幸せなものですね。
とか言いながら、何だかんだブログを書いているわけですが。笑い
さて、今日はス久しぶりにポーツ医学の話題です。
最新の論文から足関節捻挫後にスポーツ復帰させるための評価項目について紹介しようと思います。
今までなんとなく評価してスポーツ復帰を許可していた方もいらっしゃるかと思いますので、明確にリスト化された評価項目があると非常に有用ですよね。
スポーツ医療者はもちろんのこと、指導者やトレーナーの方にも知って頂けたら幸いです。
よせやん
Contents
足関節捻挫
足関節捻挫は、日常生活やスポーツにおいて最も頻度の高い外傷の一つです。
しかし、再発率は高く、医療機関や治療院で適切な治療がなされないことも少なくないと言われています。
また、適切な治療をしなければ足関節の不安定性を残し、後の変形性足関節症の原因となることもあります。
ですので、そうならないように捻挫の病態をきちんと把握し、適切な診断と治療を行い、その後に適切なタイミングでスポーツ復帰させることが大切です。
今まで足関節捻挫後のスポーツ復帰の判断をするためのガイドラインは存在しませんでしたが、先日スポーツに関わる世界トップジャーナルであるBritish Journal of Sports Medicine(BJSM)から足関節捻挫後のスポーツ復帰に関する評価項目についての論文が発表されたことを、スポーツドクターの友人が教えてくれたので今日はそれを簡単に紹介します。
足関節捻挫からスポーツ復帰するために必要な評価項目
この評価項目のリストは、世界各国から集まった医療従事者155名のコンセンサスで作成されました。
早速、内容をお伝えしていきましょう。
このリストでは、16項目の評価項目が必要であり、これらの項目は5つの領域に分類されています。
とりあえず、論文に記載されて雑誌アカウントがSNSでも拡散している図をお示しします。
これだとわかりにくいと思いますので、日本語にして解説していきましょう。
- 痛みの程度
スポーツ参加中の痛み
24時間以内の痛み
- 足関節の状態
足関節の可動域
足関節の筋力、筋持久力
- アスリートの認識
足関節に対する自信・安心感の感じ方
足関節の安定感の認識
- 感覚運動制御
感覚固有受容器
動的姿勢制御/バランス
- スポーツ/機能的パフォーマンス
ホッピング・ジャンプ
アジリティ
スポーツ特有のアクティビティ
フルトレーニングセッセションを完了する能力
簡単な表現でまとめるとこんな感じでしょうか。
これはスポーツ復帰を開始するための評価項目ではなくて、スポーツに完全復帰させる前に行うべき評価項目といった感じですね。
こうやってみると、整形外科医であれば自然とこれらを評価して復帰させているのではないかなと思うものばかりですね。
よせやん
痛みの程度
痛みの程度の評価はもちろん大切ですね。
スポーツ中の痛みはもちろん、日常生活やスポーツ後24時間以内の痛みに関して評価を行います。
足関節の状態
足関節の状態についての評価ももちろん行わなくてはいけません。
足関節の可動域や筋力、筋持久力などに関してはきちんと評価を行います。
理想としては正常の可動域、そして、筋力や筋持久力が健側の90%以上まで改善していることが大切です。
アスリートの認識
アスリートの認識の評価も大切です。
足関節に対する不安定感を感じておらず、安定感や自信を持っていることを確認します。
不安を取っていくためには少しずつ復帰していくことが重要でしょう。
感覚運動制御
感覚運動制御の評価はやられていないことが少なくないかもしれませんね。
感覚固有受容器をしっかりと戻してあげて、動的姿勢制御やバランスが回復していることを確認します。
片足立ちの不安定感に左右差がないことを確認したりしています。
スポーツ/機能的パフォーマンス
最後にスポーツ/機能的パフォーマンスの評価です。
ホッピング・ジャンプ、アジリティ、プレイするスポーツ特有のアクティビティ、全トレーニングセッセションを完了することができるかを評価して確認をしてから復帰させれば安心感があります。
おわりに
以上、今回は最新の論文から足関節捻挫後にスポーツ復帰させるための評価項目について紹介しました。
今までなんとなく評価してスポーツ復帰を許可していた方もいらっしゃるかと思いますので、こういった明確にリスト化された評価項目があると非常に有用ですね。
スポーツ医療者はもちろんのこと、指導者やトレーナーの方にも知って頂けたら幸いです。
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