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縫合糸の種類|違いをきちんと理解して使い分けてますか?

 
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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

よせやん

昨日のACミランとナポリの試合見ましたか?僕は5時に起きてリアルタイムで見てました。

ナポリ優勢の時間が長かったですが、結果は1−1の同点でした。

前回の対戦では、ミランが0−4で負けていますし、2位のナポリに引き分けた結果はミランにとっては悪くない結果でしょう。

ちなみは本田選手は1アシストし、守備にも貢献し、悪くない内容でした。

本田選手も好調ですし、これで10試合負けなしのミラン。今後の試合が楽しみですね。

 

さて、今日は自分が日常業務で疑問に思って調べたことを記事にしてみます。

というわけで、手術で使われる縫合糸の種類使い分けについてまとめます。

手術をしているといろいろな縫合糸を使うかと思いますが、きちんとその縫合糸がどんなものか理解していますか

僕はずっと縫合糸の種類について、この糸はどんな糸なんだろう?どういうときにこの糸を使うんだろう?

と疑問を持っていましたが、ちゃんと調べたのは研修医2年目(1年目の終わり頃だったかもしれません)だったと思います。

よせやん

縫合糸にどういう種類のものがあり、普段使っている縫合糸がどれに属するものか理解すると、なぜその縫合糸が選択されているのか理解できると思います。

1回しっかりと勉強しておくといいと思います。

 

Contents

縫合糸の分類

縫合糸は、生体内変化・素材・形状によって以下のように分類されます。

 

生体内変化による分類

まず生体内変化による分類です。

生体内変化による分類

吸収性

  • 一定期間は創部を維持する抗張強度を有した後、加水分解などで経時的に体内に吸収される。
  • 主な使用部位:消化管・筋膜・筋層・皮下組織・尿路生殖器など

非吸収性

  • 生体内で分解・吸収されずにずっと残存する。
  • 主な使用部位:皮膚(表皮)・血管・神経組織・骨・靭帯など  

 

これは、縫合糸が体の内で一定時間が経過した後に吸収されるか、吸収されないかの違いですね。

吸収されるものはいずれ吸収されてなくなるし、吸収されないものはずっと体内に残ることになります。

 

では、その使い分けを確認しましょう。

吸収性・非吸収性の使い分け

吸収性

  • 消化管
  • 尿路系
  • 胆道系
  • 感染のリスク

非吸収性

  • 皮膚
  • 筋膜

 

吸収糸の主な使用部位は、消化管や尿路上皮のような治癒の早い組織、長期間糸が露出すると糸の表面に結石ができてしまう尿路系や胆道系です。

また、感染のリスクがあるときにも体内に残らない吸収糸を使用します。

非吸収糸の主な使用部位は、皮膚や筋膜、腱などの治癒の遅い組織です。

 

素材による分類

続いて、素材による分類です。

素材による分類
 ①合成

  • 組織反応が極めて小さく、抗張力(強さ)は強い。
  • 製品によるバラつきが少ない。

天然

  • 組織反応が大きく、抗張力(強さ)が弱い。
  • 特に絹糸(シルク)は異種蛋白のため、抗原として認識される。 

 

合成素材のものは、組織反応が極めて小さく、抗張力(強さ)は強いです。

逆に、天然素材のものは、組織反応が大きく、抗張力(強さ)が弱いという特徴があります。

天然糸は最近ではほとんど使用されなくなっています

 

形状による分類

最後に、形状による分類です。

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図:モノフィラメントとブレイドの違い

形状による分類

モノフィラメント:単一のフィラメントからなるもの

【利点】

  • 組織通過時の組織損傷が少ない
  • ノンキャピラリーであるため細菌が伝播しない
  • 結び目のすべり下ろしが容易

【欠点】

  • 柔軟性に欠け取り扱いにくい
  • 結び目が大きくなってしまう
  • メカニカルなダメージに弱い

ブレイド:複数のフィラメントを編み上げたもの

【利点】

  • しなやかで取り扱いが容易
  • 結び目が大きくならな

【欠点】

  • 組織通過性が悪く組織損傷の可能性がある
  • キャピラリーであるため細菌が伝播しやすい
  • 編み目に細菌が宿り感染巣になることがある  

 

では、それぞれの特徴による使い分けを確認していきましょう。

モノフィラメントはノンキャピラリーであり細菌が伝播しないため、感染には有利です。

一方、ブレイドは、糸同士のすきまに細菌が付着して感染を悪化させやすいため、感染創には不適です。

 

また、確実な結紮が必要なときはブレイドを使用します。

糸がしなやかで結びやすく、かつ摩擦係数が大きいため、結び目がほつれにくいという特徴があります。

 

これと比較すると、モノフィラメント糸はゆるみやすく、結紮回数を増やすなどの対処や熟練した技術が必要となってきます。

よせやん

縫合糸の具体例

以下、具体例を示したものです。

縫合糸 種類

図:縫合糸の種類

 

僕の関連している病院で使っている商品をオレンジ色で書きました。

病院によって使っている商品を違うかと思いますが、根本的な分類を理解していれば、商品を見たらそれがどんなものなのか理解できると思います。

 

一度、自分の使っている縫合糸がどんなものか確認してみてください。

よせやん

縫合糸の使い分けまとめ

最後に縫合糸の使い分けについてまとめておきます。

糸の使い分けにおいて考えること
  • 縫合糸による汚染・感染を防ぐ
  • 縫合により不要な損傷を組織に与えない
  • 縫合により組織の修復をできるだけ妨げない
  • 生体内にできるだけ異物を残さない  

 

わかりやすくまとめると、

感染のリスクがある部位では細菌が付着しにくい糸(モノフィラメント)を使用するか、あるいは体内に残らない吸収糸を使用する。

逆にマルチフィラメント(撚り糸編み糸)は、感染を悪化させる可能性があるため使用しない。

 

確実な結紮が必要なときはブレイドを使用する。

 

消化管や尿路上皮のような治癒の早い組織は吸収糸を使用する。

皮膚や筋膜、腱などの治癒の遅い組織では非吸収糸または持久性のある吸収糸を使用する。

また、尿路系や胆道系では長期間糸が露出すると糸の表面に結石ができるため、吸収糸を使用する。

 

まとめ

以上、今回は手術で使われる「縫合糸の種類」と「使い分け」についてまとめました。

 

縫合糸にどういう種類のものがあり、普段使っている縫合糸がどれに属するものか理解すると、なぜその縫合糸が選択されているのか理解できたでしょうか。

1回しっかりと勉強しておきましょう。

よせやん

今回は僕が働いていて疑問に思ったことを調べたものを記事にしてみました。

今日はちょっと時間がないので、あっさりまとめてしまいましたが、後日、文献的な内容を肉付けしていきます。

どれだけの人に需要があるかわかりませんが、自分がわからないことはみんな疑問に思っている可能があると思うので、日常の疑問について調べたものについては今後も記事にしていこうと思います。

 

 

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