実はスポーツドクターには裏方の仕事も意外とある|チームドクターの場合
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
よせやん
コロナの関係で出張や歓送迎会んど含めて飲み会などがことごとく中止になっています。
こんなに休日がフリーなことは社会人になってから本当になかったので、遅れがちだった論文や研究、ネット関連の仕事が一気に進んでいます。
コロナは早く収束して欲しいですが、この期間のことはある意味チャンスと捉えて、この期間にできることはしっかりやっておくべきですね。
さて、今日は先日の続きでスポーツドクターの仕事について紹介していきます。
とは言っても花形の現場の仕事ではなく、現場に出ているスポーツドクターの裏方の仕事を少し紹介しようかと思います。
特に今回はチームドクターの裏方の仕事を紹介しようと思います。
Contents
スポーツドクターの仕事
一般的なスポーツドクターの仕事は以前紹介しました。
簡単に復習しておくと、スポーツドクターの仕事は大きく分けて「スポーツ現場での仕事」と「病院での仕事」に大別されます。
このうち、スポーツ現場での仕事にはさらにいくつかの種類があります。
- 単回の試合や大会でアスリートや観客に傷病が発生した際に対応するマッチドクター・会場ドクターの仕事
- 単回でチームや選手に帯同し、合宿や大会の際にサポートする帯同ドクターの仕事
- チームや選手の日頃のコンディション調整やメディカルチェックを行い、傷病が発生した際に対応するチームドクターの仕事
この中で、マッチドクターや会場ドクターの仕事は、基本的にその現場内で完結するのでシンプルです。
しかし、帯同ドクターの仕事やチームドクターの仕事には現場での仕事だけでなく、それ以外の裏方の仕事があります。
よせやん
チームドクターの裏方の仕事
今回は、チームをシーズン通してサポートするチームドクターに焦点を当ててみましょう。
チームドクターの場合、試合や練習などのスポーツ現場での仕事以外にどんな仕事があるのでしょうか。
- チーム選手のメディカルチェック
- チームのメディカルバッグ内容の選定
- チームトレーナーとのやり取り
- 選手が怪我した際の病院の手配など
- 選手の診察・治療
- スタッフ内のミーティング
- 選手への指導
パッと思いつくものをあげるとこれくらいでしょうか。
順に簡単に見ていきましょう。
よせやん
選手のメディカルチェック
シーズン前には必ずチーム選手のメディカルチェックはやることになります。
毎シーズン、チーム選手のメディカルチェックをして、選手の健康状態を把握しておくことは必須です。
というか、メディカルチェック自体やることが義務付けられていることが多いでしょう。
防ぎ得る突然死を防ぐ意味でも血液検査や心電図などの確認はとても大切です。
実際にシーズン中に何か起きた場合は、メディカルチェックでプレーを許可したドクターの責任が問われる可能性もあるかもしれません。
また、それに合わせて既往歴や内服している薬やサプリメントを把握しておくことも重要です。
加えて、シーズンが始まる前の状態を把握しておくことで、後の状態と比較することが可能になりますね。
よせやん
チームのメディカルバッグ内容の選定
チームによるかもしれませんが、チームのメディカルバッグはメディカルスタッフで相談して決めることになるでしょう。
ここは自分たちが使いやすいものを揃えておくといいですね。
トレーナーはトレーナーで、ドクターはドクターでまとめていることが多いかと思います。
メディカルバッグについてはSpolinkでもまとめていますので、よかったら参考にしてみてください。
チームトレーナーとのやり取り
チームドクターの中でもチーフドクター的な役割になると、チームトレーナーとのやり取りが最も重要な仕事かもしれません。
選手に傷病が発生した際に連絡を受けたり、診察した結果を伝えたり、怪我した選手の復帰までのリハビリ内容について相談したりするのがメインになってくるでしょうか。
また、時にはメディカルチームの運営の仕方などについても話し合って決めていく必要があります。
ここはドクターはもちろんですが、トレーナーの力量によって仕事の大変さがかなり左右されることになるかもしれません。
もちろん、J1チームなどトップカテゴリーであれば、少なくともチーフトレーナーはしっかりしていることが多いと思いますが、J3やなでしこ、JFLなどのカテゴリーの場合はトレーナーのレベルが足らずコミュニケートが難しいという話は聞くことがあります。
選手が怪我した際の病院の手配など
そして、選手のが怪我した際の病院の手配などはとても大切な仕事ですが、かなり事務的で大変な作業になります。
練習に帯同しているトレーナーや試合に帯同しているドクターから、選手が怪我をした際に連絡をもらい、選手をできるだけ早く診察できるように行ってもらう病院を選定します。
チームによって行く病院が決まっている場合もありますが、曜日によって外来の担当医師は異なる場合がありますし、曜日によって行く病院や診てもらう先生を決めなくてはいけないチームもあるかと思います。
どちらにせよ、診察してもらう病院に連絡したり、診察してもらう先生にお願いしたり、仲介的なことをしなくてはなりません。
自分で診察する場合でも病院の事務に連絡したり、診察や手術を調整したり、CT・MRIなどの検査を調整しなくてはなりません。
特に、トップレベルになればなるほど即日MRIをチームから希望されることが少なくありませんが、実はその調整はなかなか大変です。
急性期病院であればMRI検査は、2週間〜1ヶ月くらい先まで予定が埋まっていることも少なくないと思います。
そこを放射線科に電話をして、無理やり予定をこじ開けてもらい撮影するわけです。
ですから、普段から放射線科が快く受けてくれるような環境を作っておくこともチームドクターの一つの仕事かもしれません。
よせやん
トップアスリートは大きな病院でもすぐMRIを撮ってもらえるのが当たり前と思ってるかもしれない
しかし、その裏には時間外に撮影してくれる技師さん、年度始めに挨拶に行ったり学会でお土産を買ってきて円満な関係を構築しつつ、毎度申し訳ないと思いながら依頼する医師いることを知っておいて欲しい
— よせやん@目指せスポーツドクター (@sports_doctor93) March 24, 2020
選手の診察・治療
そして、選手の診察・治療は当然のことながら重要なチームドクターの仕事になります。
ここはチームによって現場に行ってるドクターと別で治療専門で担当している先生がいるチームもあるでしょうし、現場に行っているドクターが治療も行なっているチームもあるでしょう。
診察を行う医師と手術治療を行う医師が別の場合もあるでしょうね。
選手に傷病が発生した際に、可及的早期に的確な診断をし、その選手やチームの状況に応じて適切な治療をし、少しでも早く復帰させることは、やはりスポーツドクターの最もやりがいのある仕事の一つと言えるかと思います。
よせやん
スタッフ内のミーティング
また、これもチームによるでしょうが、定期的にスタッフ内ミーティングを行ったり、必要に応じてミーティングを行うことがあるでしょう。
選手の怪我を含めたコンディション情報を共有したり、メディカルを含めたチームの体制について話したり、いろいろと話し合うべきことはありますよね。
最近はアプリやオンライン共有ソフトを使って、日々スタッフ間でもコミュニケートしているチームも多いかもしれませんが。
選手への指導
最後に、選手への指導です。
これも場合によると思いますが、選手個人に栄養指導やコンディショニング、スポーツ傷害に対する指導を行うこともあるでしょう。
また、それらをチームの全選手に知ってもらうために、選手たちの前で講義することもあるかと思います。
こういう場合に備えて、しっかりとスポーツ医学やコンディショニングについて勉強しておくことはやはり大切ですね。
よせやん
おわりに
以上、今回はチームドクターの裏方の仕事を紹介しました。
このように、実は試合や練習への帯同以外にもチームドクターは非常にやることが多いです。
正直、チーフドクターになると面倒な仕事も多いと思います。
ただし、チームや選手に頼ってもらえるのは純粋にうれしいですし、ただ試合の時に会場ドクターをするよりもはるかにやりがいはあるでしょう。
まあ、ここも自分がスポーツドクターとして何がしたいのかによるのかなと思います。
何れにしても、自分がスポーツドクター として何をしたいのかを考えておき、それに向かって行動する、それができる環境に行くことは非常に大切なことだと思います。
よせやん
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