【2017年版】スポーツ選手が使用可能なビタミン・滋養強壮・鉄剤リスト
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
久しぶりの更新です。日曜日は社会人フットサルの都道府県リーグをして、JFLのマッチドクターに行って、そのあと、県外でフットサルの試合をしてきました。そのとき相手選手と接触して、第2肋骨にヒビが入りました。今も咳払いしたり上肢を使うとかなり痛みます…。怪我はやっぱり辛いですね。
さて、今日は2017年版のアンチ・ドーピングとして使用可能なビタミン・滋養強壮・鉄剤をご紹介します。
アスリートは薬を使う場合はこのリストの中から使えば、うっかりドーピングを防ぐことができますし、医療スタッフもチームと共に携帯する薬をこのリストの中の薬だけにしておけば、自分が手渡した薬によって選手がドーピング検査に引っかかってしまうことは起こり得ません。
医療従事者の方もアスリートに対してはこの記事の中にある薬を処方しておけば、ドーピング検査に該当する薬を知らずに処方してしまうことを防ぐことができますので、ぜひ知っておくとよいかと思います。
Contents
はじめに
今回、紹介するのは2017年版のアンチ・ドーピングとして使用可能なビタミン・滋養強壮・鉄剤です。
アスリートの方でも身体を健康に保つため、コンディション調整のためにビタミン剤や滋養強壮剤を使用している方は意外と多いのではないでしょうか。また、特に女性アスリートの方は鉄欠乏性貧血のために鉄剤を内服している方も少なくないでしょう。
この記事では、ドーピング検査のうち競技会検査での使用可能なビタミン・滋養強壮・鉄剤のみを紹介していきます。競技会検査では、禁止物質の一部が検査されるので、このリストの薬はいつでも安心して使用することができます。
病院で処方される処方薬とお店で売っている市販薬に分けて紹介していきます。
注意
- 禁止物質でも申請手続きにより「治療使用特例(Therapeutic Use Exemption:TUE)」を受けられる場合があります。
- また使用量が少なく、尿中濃度が低ければ使える薬もありますが、そのような使用条件に制限のある薬はここでは紹介していません。
- この記事で紹介するリストは例示であり、他にも多くの使用可能な医薬品はあります。
- ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、先発医薬品と同等の有効成分を含有しているため、基本的には使用可能です。
- 市販薬は名前全体が完全に一致することを確認してください。ほとんど同じ名前でも頭に「新」がついたり、終わりに「錠」や「会社名」あるいは「アルファベット」がついているだけで組成が異なる場合があります。
ビタミン・滋養強壮薬
では、まずアンチドーピングとして使用可能なビタミン・滋養強壮を紹介していきます。
- ビタミン剤:各種ビタミンは禁止されていません。
注意:ビタミン類に種々の強壮薬などを配合した製剤、とくに外国製品には禁止物質を含むものが多いので注意が必要です。医薬品の場合には内容を明記してありますが、医薬品以外は使用しない方が賢明でしょう。
- 滋養強壮保健薬:医薬品にも男性ホルモンやストリキニーネなどの禁止物質やモニター物質を含むものがあります。
注意:漢方を含むものや外国製品も組成不明が多く、禁止物質陽性となることが多いです。使用しない方が安全でしょう。
各種ビタミン剤は禁止されていないので使用しても問題ありませんが、強壮薬を配合したものや外国製品には禁止物質を含むものが多いので、使用するならば国内で発売されているシンプルなビタミン剤にしましょう。
滋養強壮剤はうっかりドーピングを防ぐためには使用しない方が賢明だと思われます。
鉄剤の処方薬
次に、アンチドーピングとして使用可能な鉄剤の処方薬です。
- フェルムカプセル(フマル酸第一鉄)
- フェロ・グラデュメット錠(硫酸鉄)
- フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)
鉄欠乏性貧血に対して鉄剤を病院で処方してもらう場合にはこの中の薬を処方してもらえば安心です。
スポーツドクターや一般整形外科医であってもアスリートに対して投薬を行う場合は、このリストの中の薬を処方しておけば基本的に安心ですので参考にしてください。
鉄剤の市販薬
最後に、アンチドーピングとして使用可能な鉄剤の市販薬です。
- フェイチ
- マスチゲン-S錠
- ヘマニック
上の注意でも書いたように、市販薬は名前全体が完全に一致することを必ず確認してください。
ほとんど同じ名前でも頭に「新」がついたり、終わりに「錠」や「会社名」あるいは「アルファベット」がついているだけで組成が異なる場合があり、実際に名前のほとんど同じ薬は非常に多いので注意しておきましょう。
おわりに
以上、今回は2017年版のアンチ・ドーピングとして使用可能なビタミン・滋養強壮・鉄剤を紹介しました。
スポーツ界でもドーピングは最近注目を浴びるようになってきた分野です。思いがけないうっかりドーピングや自分が処方した・選手に手渡した薬で選手がドーピング検査で引っかかってしまい、悲しい運命を辿ることがないように、今回紹介した薬の中から薬を選んで頂くと安心です。
スポーツ関係者の方には是非とも参考にして頂けましたら幸いです。
本気でスポーツ医学と運動器診療を学びたい人のために!
- どこにいても(都会でも地方でも)
- 誰でも(医師・理学療法士・鍼灸師・柔道整復師・トレーナー・学生などスポーツに関わる全ての人)
- いつでも(24時間)
利用可能なスポーツセミナー動画配信サービス!!
1週間1円トライアル実施中!!