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SLRテストの正しい方法とは|よくある間違った方法も知っておこう!

 
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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

 

先日は久しぶりに学生のときのようなノリでお酒を飲んでしまいました。

まっ、人様に迷惑をかけなければそういうときもあってよいでしょう。

今日は24時間救急当直をしているので、隙間時間に記事を書いていきます。

 

さて、先日スポーツ整形外科の勉強会がありました。

そのときのお題はタイトネスでしたが、そこで診察方法を確認していたときにドキッとしてしまった内容がありました。

それが本日のタイトルのSLRテストです。

あなたは、SLRテストを正しい方法でできている自信がありますか?

よせやん

というわけで、今日は「SLRテストの正しい方法」について解説します。

Contents

はじめに

SLR(Straight Leg Raising)テストとは、下肢伸展挙上テストのことです。

 

SLRテストは、整形外科領域では非常に用いることの多い検査だと思います。

坐骨神経(第5腰椎神経根、第1仙骨神経根)の神経根症状誘発テストとして用いたり、大腿後面のタイトネスを調べるために用います。

また、ハムストリングの肉離れの重症度を調べるためにも用います。

 

みなさんは、SLRテストを正しい方法でできている自信がありますか?

よせやん

感度が高く覚えておくべきテストですが、正しい方法でできていないとそれは宝の持ち腐れになってしまいます。

というわけで、今回はこのSLRの正しい方法を解説していきます。

みなさんも、きちんとできているか今一度確認してみてください。

SLRテストの正しい方法

では、SLRテストの正しいやり方を紹介します。

 

SLRテストの方法
 

SLRテストは、患者さんに検査台に仰臥位で休んでもらい、検者は患者の踵を持って膝関節伸展位を保ったまま徐々に下肢を挙上していきます。

そして、床面から下肢がどの程度まで上がるのかを、床面からの角度によって判断します(図1)。

それ以上の挙上が困難な角度を記録し、70°以上挙上できれば正常と判断します。

SLR 正しい
図1:正しいSLRテストの方法 

 

坐骨神経は股関節、膝関節の後面を走行するため、患者を仰臥位にして膝関節を伸展させたまま股関節を屈曲させると坐骨神経が伸展されるわけですね。

よって、第5腰椎神経根、第1仙骨神経根に圧迫がある場合、この伸展力が神経根に伝わり疼痛が誘発されるわけです。

 

 

ただし、ハムストリングのタイトネスがあっても疼痛が生じるため、タイトネスとの鑑別が必要です。

 

坐骨神経に沿う疼痛が誘発されるかがタイトネスとの鑑別のポイントになります。

臀部・大腿後側に放散痛がある場合は坐骨神経痛症状膝の後側のにぶい痛みはタイトネスによる痛みと判断します。

 

SLRテストのよくある間違った方法

と、以上が正しいSLRテストの方法です。

 

僕もそのように施行していたつもりでしたが、ダメなやり方を把握できていなかったため、正しいSLRテストが施行できていなかった可能性があることに先日の勉強会で気づかされたわけです。

 

腰椎ヘルニアの方にSLRテストを行ってもほとんど陽性になることがなく、SLRテストの感度って低いのかなぁと思っていました。

よせやん

実はSLRテストは正しく施行すれば、文献上はSLRの感度は92%ほどであると言われていますので、おそらく(間違いなく)僕のやり方が正しくなかっただけですね。

というわけで、SLRテストのよくある間違った方法の例を紹介します。

間違った方法①

1つ目は、図2のように検側の膝関節が伸展できていない場合ですね。

坐骨神経痛やハムストリングのタイトネスを代償するために、膝関節が屈曲してしまうわけですね。

ですので、膝関節をきちんと伸展させて行うことを意識する必要があります。

SLR ダメな例①
図2:正しくないSLRテストの方法(検側膝関節が屈曲してしまっている)

 

間違った方法②

2つ目は、図3のように対側の膝関節が浮いてきてしまっている場合です。

これも、坐骨神経痛やハムストリングのタイトネスを代償しようとする動きです。

僕はこれに意外に気付いていないことが多かったんじゃないかなと思います。

正しくは、対側が浮いてきた時点でその角度を計測しなければいけません。

SLR ダメな例②
図3:正しくないSLRテストの方法(対側膝関節が浮いてしてしまっている)

 

おわりに

以上、今日はSLRテストの正しい方法に関して解説しました。

 

みなさんは正しくSLRテストを施行できていましたか?

僕のようにドキッとした方もいたのではないでしょうか。

 

SLRテストは正しく施行すれば、文献上はSLRの感度は92%ほどであると言われています。

せっかく感度の高い検査なのに、検査を正しく施行できていなければ正しい診察はできないでしょう。

 

整形外科の身体診察の教科書については下の記事で紹介しています。

自信のない先生は今一度、一通り確認してみてはいかがでしょうか。

 

SLRテストとラセーグテスト、ラセーグ徴候などの違いについて下の記事で解説しています。

自信がない方はぜひ読んで違いを知っておいてください。

意外に知られていないような気がします。

 

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