2022年(令和3年)度科研費採択結果|若手研究者が応募すべき種目とは?
どうも、こんにちは。
整形外科医のよせやんです。
よせやん
ちょっと仕事以外のところでわちゃわちゃしていたのでブログ止まっていました。
人生面白いもので、生きていると色々なことがありますね。
人によって物事の捉え方や考え方が全然違うのも大変興味深いなぁと思います。
一応そちらも落ち着いたような気がするのでまたブログ再開です。
さて、アカデミア研究者にとっては2022年2月28日はソワソワする1日だったかと思います。
何故ならば、科研費(基盤A・B・C・若手)の採択結果の発表日だったからです。
元々の情報では2月末に発表予定だったので、2月21日(月)頃から結果はそろそろか?とアカデミア周囲のSNSはざわついていました。
2月25日が科研費サイトのアップデート日になっていたので、おそらく28日だろうと予想されていましたが、結果予想通り28日に採択結果が内定しました。
この記事では、自分の今年の科研費の結果と若手が応募すべき種目について書いてみようと思います。
よせやん
Contents
科研費とは
まず、科研費とは何か簡単に紹介しておきます。
全国の大学や研究機関においては、様々な研究活動が行われています。科研費(※1)(科学研究費補助金/学術研究助成基金助成金)はこうした研究活動に必要な資金を研究者に助成する仕組みの一つで、人文学・社会科学から自然科学までの全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる独創的・先駆的な「学術研究」を対象としています。
研究活動には、「研究者が比較的自由に行うもの」、「あらかじめ重点的に取り組む分野や目標を定めてプロジェクトとして行われるも の」、「具体的な製品開発に結びつけるためのもの」など、様々な形態があります。こうした全ての研究活動のはじまりは、研究者の自由な発想に基づいて行われる「学術研究」にあります。科研費は全ての研究活動の基盤となる「学術研究」を幅広く支えることにより、 科学の発展の種をまき芽を育てる上で、大きな役割を有しています。
科研費制度では、研究者から応募された研究計画について厳正な審査を経て採択を決定し、研究費が助成されることになります。このような制度は「競争的資金制度」と呼ばれています。
科研費は、政府全体の競争的資金の5割以上を占める我が国最大規模の競争的資金制度です。(令和元(2019)年度予算額2,372 億円)平成30(2018)年度には、主な研究種目(※2)において約10万4千件の新たな応募があり、このうち約2万6千件が採択されています。既に採択され、数年間継続している研究課題と併せて、約7万5千件の研究課題を支援しています。
科研費は上述のように、日本最大規模の研究助成金制度で、大学で研究している多くの先生が科研費をもらって研究しています。
逆に、科研費をはじめとした研究助成金をもらっていないと、例えやりたい研究があっても資金的に十分な研究ができない可能性があるのです。その他の助成金も民間のものなどいろいろとありますが、科研費と比較すると獲得難易度は低いけど金額が安いか、同じような金額だけど獲得難易度がはるかに高いかのどちらかのケースが多いです。
というわけで、資金力が潤沢で自分で研究費と獲得しなくてもいいラボは別かもしれませんが、アカデミア研究者にとっては科研費を獲得するのは研究を続けていく上で結構大事な仕事になるわけです。
よせやん
今回僕が応募したのは・・・
前回2019年に若手研究に採択され、この3月で助成して頂いていた2年間が終了します。
というわけで、2021年は2022年からの自分の研究費獲得のために引き続き助成金が頂けるように科研費に応募する必要がありました。
科研費の中でどれに応募すべきかというと、若手研究者は基本的に若手研究に応募すべきだと思います。
若手研究者でも基盤研究に応募できますが、基盤Cは3〜5年間で500万円以下、若手研究は2〜5年間で500万円以下であるため、最短期間で申請した場合、若手研究の方が1年間あたりに使える研究費が多いのです。
若手研究の応募資格があるのに基盤研究に応募している方をたまにSNSで見かけますが、一度基盤研究に採択されてしまうと若手研究に応募する資格を喪失してしまうため、非常にもったいないです。
ただし、この基盤研究でも基盤Bになると3〜5年間で500万円以上2000万円以下となるため、圧倒的に研究費が大きくなります。
そして、若手研究2回目の申請時は若手研究と基盤Bにも重複して応募することが可能なのです。
なので、本当に優秀な若手研究者は若手研究は1回だけで、次は基盤Bを取っていきます。
という背景がある上で、僕が今回どうしたかと言うと・・・
基盤Bには応募せず・・・若手研究のみに応募してそちらは採択されました。
若手研究に採択されたのは非常にうれしくありがたいことなのですが、今は基盤Bにチャレンジしなかったことに後悔しています。
よせやん
今回僕がどうして基盤Bに応募しなかったかというと、理由は簡単で業績が足りないためどうせダメだろうと思ってビビったからです。
若手研究は研究テーマと内容がしっかりしていて、ある程度の結果が出ていれば、業績が全くなくても適切な申請書を書けば採択される可能性は低くありません(採択率約40%)。
しかしながら、基盤Bになると少なくとも1本、できれば2本はメジャーな雑誌の論文が必要という認識なので躊躇してしまったのです。
実際、応募したらまず不採択だったと思いますが、それでも応募する価値はあったと思います。
その理由は、落ちても若手研究の応募の同時にできるノーリスクな状況で応募できる唯一のタイミングであること、落ちたとしても審査結果を閲覧することで自分に何が足らないのか客観的に知ることができるからです。
こういうノーリスクなところでさえチャレンジできないようになってしまうとダメですね。
昔のようなチャレンジ精神を思い出して改めて頑張ろうと思います。
よせやん
若手研究者が応募すべき種目
最後に、改めて若手研究者が応募すべき科研費について今の考えを述べておきます。
その王道は
大学院進学時にDC(特別研究員)、大学院卒業時に若手研究、次の申請時に若手研究と基盤Bの重複だと思います。
僕は大学院に進学するときにそこまで下調べができていなかったのでDCは取得していませんが、DCも若手研究と同じくほぼ業績は必要なく申請書だけで審査されるので、大学院進学時点で全く業績がなかったとしても応募すべきだと思います。
自分ももし大学院進学時に戻れるならば絶対に応募します。
一応、科研費獲得も業績の一つになりますし、何より自分自身の研究費を持っておくと研究がやりやすくなると思うので、アカデミックキャリアを考えている人は科研費は継続して獲得しておきたいところですね。
よせやん
今後のキャリア形成
今まで自分のキャリアについて色々と考えてきた僕ですが、今は大学でアカデミックキャリアを形成中です。
ただ、ずっとアカデミアにいると決めているわけではありません。
最終的に色々なキャリアの中から自分の好きな生き方ができるように、もちろんスポーツの仕事も精力的に続けていますし、資産形成をして医師を趣味としてやることも選択肢の一つに入れています。
でも、アカデミックキャリアに後から飛び込むことは難しいですし、研究助成金やフェローシップに年齢的な縛りがあることも多いので、将来的なアカデミックキャリアという選択肢も残すために今はアカデミアにいるというわけです。
ただ、僕は何事でもやるからには上を目指したいので、今はアカデミアとしても自分の能力でできることはやりたいと思っています。
というわけで、今年の目標にアカデミア関連のものとして
- 基礎論文1本を目指すジャーナルにaccept、臨床論文は1本書く
- 科研費若手研究に採択される
- Award、科研費以外の研究助成を一つずつ獲得する
という3つを入れていました。
科研費は無事クリアできたので、他の目標もクリアできるように引き続き頑張っていこうと思います。
ただ、今一番追い詰められているのはIOC Diplomaのレポートです。笑
思っていた以上に本格的でかなり大変なのです。
締切が近いのでまずはこれをしっかりと終わらせようと思います。
よせやん
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