症例から学ぶ「os subtibiale」鏡視下手術
どうも、こんにちは。
明日の朝、医局で発表することが突如決まり、今日の夜は大忙しになりそうです。
そういうことはもっと計画的に決めて欲しいですが、文句言ってもな何も変わらないのでとりあえず頑張ります。
そういえば、このサイトへのいいね!が1000件を超えました。
こんなに増えるとは思ってもいませんでした。
いいね!してくださった方、ありがとうございます。
励みにして、今後も頑張っていきます。
さて、今日は以前まとめたos subtibialeについてもう少し細かく勉強してみます。
具体的な症例をみて、より深く突っ込んでみましょう。
os subtibialeて何?って思った方はまず下の記事に目を通してください。
Contents
症例
最初に症例を提示します。
症例:33歳、男性
現病歴:過去に左足関節捻挫の受傷歴が数回あり、最近、足関節内側部の痛みが持続するということを主訴に病院を受診されました。
スポーツ歴:陸上、剣道
既往歴:特記事項はありません。
職業:自衛隊員
画像所見
単純レントゲン写真、CTにて内果下端に12×14mm大のOs subtibialeを認めました。
また、外反ストレスで明らかな外反動揺性を認めませんでした。
図1:レントゲン写真(左)、CT画像(右)
CTではより詳細にos subtibialeを確認できます。
3D-CTでは立体的に捉えることができます。
図2:3D-CT画像
手術
明らかな外反動揺性を認めず三角靱帯再建術は必要ないと考え、鏡視下摘出術を行いました。
足関節前内側・前外側ポータルに加え、前内側ポータルの15mm末梢に補助ポータルを作成し手術を行いました。
図3:鏡視所見①
手術所見ですが、まず、内果後方に存在するos subtibialeを確認しました。
ただ、靱帯と思われる線維組織に埋没し、鏡視のみではos subtibialeをはっきりと確認することができないため、プローベによる触診での骨片の位置、大きさを確認しておきました(図3左)。
ピンク針で大きさを把握した後、周囲組織との境界を確認し、デーバーやシェーバーを用いて、周囲組織との剥離を十分に行いました(図3右)。
図4:鏡視所見②
にしはた、グリーンワールドを用いて、骨片をpiece by pieceで摘出しました(図4左)。
術中イメージやレントゲンで取り残しがないこと、三角靱帯の損傷のないことを確認して手術を終了しました(図4右)。
術後経過
後療法ですが、2週間の歩行用ギプス着用後、足関節装具を3ヶ月間使用しました。
術後、足関節内果部痛は消失し外反動揺性も認めていません。
JSSF ankle/ hindfoot scaleは術前の67点から100点に改善し、自衛隊の訓練・スポーツ活動も行えています。
図5 術後レントゲン写真
考察
一般的な治療法に関しては前回の記事を確認してみてください。
今回は、os subtibialeの骨片摘出術に関して少し考察してみます。
骨片摘出術は直視下に行う方法と鏡視下に行う方法があります。
直視下摘出術は従来行われてきた方法です。
この方法では三角靱帯の切離を要し、摘出後に靱帯再建が必要となります。
近年、足の外科の鏡視下手術はめざましい発展を遂げており、os subtibialeの骨片摘出術も鏡視下に行うことが可能になっています。
鏡視下手術は、足関節不安定感の自覚がなく、ストレスX線撮影において外反動揺性が無い場合に選択可能です。
鏡視下手術では三角靱帯の切離が不要であり、靱帯の損傷を最小限に留めることが可能です。
ただし、骨片の多くは深層線維に埋没しており、愛護的摘出を行ったとしても靱帯成分に少なからず侵襲性あるとはされています。
また、切開が小さいこと、術後疼痛が少ないこと、術後瘢痕トラブルが最小限であること、早期離床可能であること、術後の外固定期間の短縮し日常生活・仕事・スポーツへの早期復帰を目指すことができることが利点です。
直視下摘出術の場合は6週間の外固定を行うことが推奨されています。
おわりに
以上、今回はos subtibialeについて具体的症例から考えてみました。
具体的な症例をみると、理解しやすくなりますね。
今日は明日までにやらなくてはいけないことができてしまったので、駆け足で終わらせました。
今から発表用のスライド作ります…。
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