カダバートレーニング(cadaver training)とは?参加する方法は?
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
よせやん
今現在、サイトをリニューアル中なので、それに伴いサイト運営の勉強をやり直しています。
勉強すると今までいかにテキトーにサイトを運営していたかが自分自身でわかってきてしまいました。
見た目はある程度完成に近づいたのですが、現在、内部調整をいろいろしております。
さて昨日、足の外科学会と日本臨床スポーツ医学会の演題が採択されたとの連絡がありました。
どちらも一般口演です。
10月には市民向けの骨粗鬆症に関する講演もあるので、これから準備でいろいろと忙しくなりそうです。
そして、昨日は膝のカダバートレーニングのお誘いを頂きました。
「ん?!カダバートレーニングって何や?!」
って思った方いませんか??
医療関係者の方でも意外に聞き慣れない言葉だったりします。
僕もきちんと意味を知ったのは整形外科医になってからでした。
ということで、今日は、
- カダバーとは?
- カダバートレーニングとは?
- カダバートレーニングに参加するにはどうしたらいいのか?
について解説していきます。
Contents
カダバー(cadaver)とは
まず、カダバー(cadaver)とは何なのかについてお話ししましょう。
ズバリ、
人体を解剖するということは、医学を学ぶ者、医療者にのみに許された行為です。
貴重な人生を終え、自らを医学の発展のためにと献体となられたご遺体、またそのご家族の方々のご理解とご協力があって始めて成立するものです。
カダバートレーニング(cadaver training)とは
カダバー(cadaver)の意味はわかりましたね。
では続いて、 カダバートレーニング(cadaver training)についてです。
カダバートレーニング(cadaver training)とは何なのでしょうか?
近年、医療安全への社会的な関心が高まり、手術手技の修練もいきなり患者で行うのではなく、OJT (on the job training)による臨床経験を積んだうえで、さらに模型や動物等を使用して十分な練習を行うことが求められています。
しかし、実際にはなかなかOJT の機会が少ないのが現状です。
海外では手術手技向上のためのcadaver trainingが幅広く行われていますが、日本国内においては未だその環境が整っておらず、ご遺体を用いた手術手技実習は法律の枠内での基準が定められていないため、 一部の限られた施設では行われていますが、広く普及し医療安全に貢献するという状況にはありません。
僕が以前参加した「足の外科学会機能解剖セミナー」もcadaver trainingの1つですね。
また、以前、ご案内した日本国内で行われるJOSKASセミナーもcadaver trainingですが、その記事でお話しした通り整形外科専門医でないと参加資格がありません。
まだ参加申込期間中ですので、参加資格がある先生は参加されてみてはいかがでしょうか。
cadevar trainingでは、まずいくつかの手術実習を行い、その後、ご献体を解剖して、手術した部位がどうなっているのか?解剖がどうなっているのかを詳しく学ぶことができます。
僕もcadaver trainingに参加したことがあるのは、まだ上述した足の外科学会機能解剖セミナーだけですが、cadaver trainingは本当に勉強になることが多いです。
当然のことながら、書面での勉強の何倍も頭に入ってくると思います。
よせやん
今年もすでに1回の参加が決まっています。
何回行っても非常に勉強になると思います。
cadaver trainingに参加するには?
この記事を読んでcadaver trainingに興味を持たれた先生もいるのではないでしょうか。
では、こういったcadaver trainingに参加するにはどうしたらよいのでしょうか。
1つは一般に公開されているcadaver trainingに応募することです。
上述した、JOSKASセミナーや足の外科機能解剖セミナーなどがそうですね。
こういったcadaver trainingを探して応募してみて下さい。
その他はほとんどがコネではないでしょうか。
僕が今回cadaver trainingに行かさせて頂くのもコネのようなものです。
そのためにも、cadaver trainingに参加されている先生、講師として行かれている先生、そして、cadaver trainingを企画してくれる器械屋さんとコネクションを作っておき、機会があれば参加したいことをアピールしておくことが大切です。
よせやん
cadaver trainingについて思うこと
最後に、cadaver trainingについて僕が思うところを書かせてもらいます。
医学生は、2年生のとき(学校によっては違う学年で行う場合もあります)に解剖学実習を行います。
しかし、医学部2年生のときはまだ医学に関する知識はほとんどないのが実際のところです。
当然、解剖学を学ぶということも目的の1つではありますが、それ以上に自分は医者になるんだという意識付けにおいて解剖学実習は非常に意味があるのだと思います。
働き出してから思うのは、学生のときにもっとしっかり解剖学実習をやっておけばよかったということです。
今は手術や診察などの臨床で解剖に触れる機会が多いので、山のように解剖に関する疑問や知りたいことが出てきますが、医学部2年生のときにこのような疑問を抱くのは本当に一握りの優秀な生徒だけでしょう。
そういう意味でも、解剖について本当に興味を抱くようになってから行うcadevar trainingが非常に有意義なものとなるのは間違いありません。
今回、僕が参加させて頂く予定のcadevar trainingは膝のものですが、膝だけでも実習したいこと、学びたいことは山のようにあります。
膝で実習したいこととしては、各種器械を使った半月縫合、ACL(前十字靭帯)再腱、MCL(内側側副靭帯)再建、MPFL(内側膝蓋大腿靭帯)再建などなど。
解剖で学びたいこととしてはACLやMCL、MPFLの正確な付着部や走行、ACL再建のときに腱採取を行う半腱様筋や薄筋などの走行、付着部などなど。
知りたいことはいくら挙げてもキリがありません。
一般的にcadaver trainingに参加されるのは、専門医を取得した後のことが多いと思います。
しかし、僕は興味ある・しっかり勉強しているのであれば、もっと早くに参加した方がよいと思います。
cadaver trainingで興味のあることを勉強すると、それを臨床に活かすことができ、それによってさらに興味のあることや疑問に思うことが出てくるでしょう。
そうしたら、またcadaver trainingに参加してどんどん知識の幅を広げていけばよいのです。
解剖学の勉強
cadaver trainingに参加することは非常に勉強になるとお話ししましたが、参加するだけでは勿体ないです。
普段から関節鏡に触れて関節鏡が上手いほど、普段から勉強して解剖学について理解しているほど、より勉強になることは多くなるでしょう。
人間を相手にする医療者にとって、解剖学の知識は必須の知識であり必ず勉強しておかなければならないものです。
よせやん
下の記事で、僕がおすすめする解剖学の教科書を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
おわりに
以上、今回はカダバー(cadaver)とは何か?、カダバートレーニング(cadaver training)とは何なのか?、カダバートレーニングに参加するにはどうしたらいいのか?について解説しました。
cadaver trainingに興味を持たれた方はぜひ参加されてみてはいかがでしょうか。
医師向けのcadaver trainingもあるし、歯科医師、看護師や救命救急士向けのcadaver trainingもあります。
必ずや勉強になることでしょう。
カダバートレーニング(cadaver training)は亡くなられた方、またそのご家族のご協力・ご理解なしには成り立ちません。
感謝の気持ちを忘れずに、きちんと準備して有意義な実習をさせて頂きましょう。
よせやん
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