整形外科の手技(基本手技・ギプス・テーピング・エコー)|おすすめ教科書7選
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
よせやん
今日は整形外科の手技についての教科書を紹介します。
整形外科の外来をするうえで、関節内注射やブロック注射、骨折に対する牽引療法などの手技は必須となってきます。
また、骨折や捻挫を保存的に治療する場合のギプス固定やテーピングの手技も知っておくとよいでしょう。
そして、今の時代は必須となっている超音波を用いた診察・ブロックなどの手技は習得しておかなければいけないでしょう。
今回は、これら整形外科の手技を学ぶためのおすすめ教科書7選を紹介していきます。
Contents
整形外科基本手技の教科書
まず、整形外科の手技の教科書です。
整形外科の外来診療において、手技は非常に重要です。具体的に言うと、関節穿刺やブロック注射、四肢骨折の牽引などですね。
こちらの教科書では、診断スキルとして診察・検査の進め方、外来・病棟処置スキルとして皮膚縫合法や腱縫合法、関節穿刺・注射、ブロック療法や四肢骨折に対する牽引療法など整形外科医として必要な手技についてまとめられています。
特に、四肢骨折の牽引法や肩関節注射、トリガーポイント注射などは、経験がないときに実際の臨床で出会うと正直困ると思います。
そういう手技的なことがしっかり書いてくれている教科書は少ないので、重宝している教科書の1つです。
よせやん
ギプスの教科書
次に、紹介するのはギプスの教科書です。
ギプス治療は骨折に対する最も基本的な治療法であり、ギプス固定は整形外科医に必須の手技です。折れた骨をしっかり整復・固定するためには適切なギプス固定の技術が必要となりますが、骨折の部位や折れ方によってその固定方法を変える必要があります。
この教科書は、日本骨折治療学会が発刊している教科書で、「総論」でギプスの基本的な操作・適応・合併症と禁忌を、「各論」で各種骨折に対する具体的なギプス巻きのテクニックを順を追って学べるよう記載されています。
また、付属DVDおよびWeb配信による動画では、字幕・音声により注意点やコツがよりわかりやすく解説されており、書籍では動画中のポイントを確認しやすいようにマークで関連付けられています。書籍と動画を合わせることでギプステクニックに熟達できるでしょう。
僕は今の病院にきて初めて脊椎椎体骨折の患者さんにギプス固定をしましたが、その際にこの教科書は非常に参考になりました。
よせやん
テーピングの教科書
続いて、テーピングの教科書です。
整形外科医としては、テーピングに関しても知識を持っておくと幅が広がります。
特に僕のようにスポーツドクターとして働いている場合は、選手にテーピングもできないと話にならないでしょう。現場にはトレーナーがいない時もありますので。
この教科書の著者である山本郁榮先生は、日本リスリングチームのナショナルコーチ、日本オリンピック委員会強化スタッフスポーツコーチをされていた方です。この本は、山本郁榮先生が長年研究し続けた技法を集大成したもので、「スポーツマンのための実践に役立つテーピング」を目指して、競技の特性に合った技法の解説だけでなく、テーピングや運動に必要な機能解剖やスポーツ傷害・障害についても述べられています。
テーピングに関する教科書は多数ありますが、この教科書はしっかりとテーピングの原理から学ぶことができるため非常に有用だと思います。
また、テーピング実技のDVDも付録されている点も手技を理解しやすくていいかと思います。
よせやん
こちらの教科書も新しくてよいかと思います。
理学療法とアスレチックトレーニングに関するテーピング技術を網羅し、治療的側面からもテーピングについて解説してくれています。
整形外科医だけでなく、理学療法士、作業療法士、アスレチックトレーニングの専門家にもオススメです。
よせやん
超音波検査の教科書
最後に、超音波検査(エコー)の教科書も紹介しておきます。
近年の整形外科の外来診療では、超音波検査が必須の検査であることは異論ないでしょう。
超音波は器械の進歩により、その解像度は以前に比してはるかに鮮明になり「骨」、 「筋」、 「靱帯」、 「血管」という運動器分野を描出できるようになりました。
解像度がアップしたことで読影法も平易になり、超音波本来の利点であった“被爆ゼロ”、“外来の場で即座に診断できる簡便さ”、“ハンディータイプの利用によりスポーツ現場に持ち込める手軽さ”がさらなる特徴となり、現在その注目度は上昇し、かつ広く活用されるようになっています。
特に若手の先生は超音波検査ができないと時代に取り残されてしまうでしょう。
この教科書は2017年5月に出たの教科書です。
運動器へのエコーを使いこなすために必要な基礎知識や技術を、筆者の実体験をもとにわかりやすくまとめてくれています。
紙面のQRコードをモバイル端末等で読み込めば、実際の動画を見ながら実践的に手技を学部ことができます。また、最近話題となっている生食筋膜リリースについても詳説されていいます。
エコーをほとんど使ったことのない医師や技師でも、運動器にもプローブをあててみたくなる1冊です。
よせやん
また、エコーでの診断についてはこちらの教科書もオススメです。
この教科書は、実際に超音波検査を行うためのマニュアルとなるように構成されています。
上肢は肩関節、肘関節、手関節、手指、下肢は股関節・大腿、膝関節、下腿・足関節について解説してくれています。
見たい部位を的確にとらえるにはプローブの扱い方が最大のポイントとなりますが、超音波画像に常に「プローブの動き」が明記されているのもこの教科書のいいところです。
よせやん
最後に、エコー下の伝達麻酔の教科書も紹介しておきます。
整形外科医にとって、超音波ガイド下伝達麻酔は非常に魅力的な手技です。超音波で末梢神経や穿刺針、薬液の広がり方をリアルタイムで確認しながら行う伝達麻酔の手技では、必ずしも放散痛を必要とせず、必要最小限の局所麻酔薬で確実な効果を得ることが可能です。
エコー下伝達麻酔の手技を覚えると、手術の際の麻酔だけでなく、救急外来や病棟での処置、術後に痛みの少ないリハビリテーションを行うために使用するなど整形外科診療の幅を大きく広げることができるでしょう。
この教科書は僕が整形外科医になってから、かなり活用している教科書の1つです。
よせやん
おわりに
以上、今回は整形外科の手技を学ぶためのおすすめ教科書7選を紹介しました。
今回紹介した整形外科の基本手技やギプス固定、超音波検査は整形外科医であれば必ず実践できるようになっておくべきだと思います。
しっかり勉強しておきましょう。
特にエコーは実践しないと上手くならないので、まず教科書で勉強して、あとは外来で当てれるときに当ててみるというのが大切だと思います。
また、整形外科手技と併せて、身体診察も整形外科医にとって非常に大切で必須なものです。
身体診察に関する教科書は下の記事で紹介していますので参考にしてください。
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