脊椎外科を勉強するためのおすすめ教科書|用途別のおすすめ教科書が見つかる!
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
先週でこのブログを始めて2周年記念ということで、1週間ブログを休ませてもらいました。
というのは言い訳で、純粋に忙しすぎてブログ書く時間がありませんでした。
1番大きかったのは弟の結婚式があったことです。今でもよく一緒に遊んだりフットサルしている仲良し兄弟なのですが、弟が結婚すると思うと当日は思っていた以上に感慨深い気持ちになりました。弟はいろいろと親には苦労をかけてきたような奴なので、親もさぞ嬉しかったんじゃないかなと思います。
そして、うちは兄妹が非常に多いので兄妹で弟のために余興をすることになりました。そのため、結婚式直前の1週間は平日の仕事が終わってから、フットサルの練習が終わってから夜な夜な余興の練習をしていました。そんな訳で疲れていた&なかなか時間がなくてブログは更新していませんでしたが、無事結婚式も余興も終わってよかったです。
さて、今日は脊椎外科を勉強するためのおすすめ教科書を紹介しようと思います。
脊椎・脊髄疾患の患者さんは日常診療で出会う頻度が多いです。周りを見たら腰痛で悩んでいたり、手足が痺れて困っている方が少なからずいるでしょう。
脊椎・脊髄疾患の診断学は、画像診断の進歩により著しく発展を遂げたましたが、その病態把握には的確な神経学的診察や丁寧な局所診察が重要なことには変わりありません。
この記事では、そんな脊椎外科を勉強するためのおすすめ教科書を用途別に厳選して紹介していきます。
Contents
脊椎外科の総論
では、まず脊椎外科の総論的な教科書を最初に紹介します。
この教科書は、どちらかと言うと脊椎外科の初学者向けの教科書で、多数の図表を用いて神経学的診察や局所診断法における診断のポイントとコツをわかりやすく解説してくれています。
脊椎・脊髄疾患を扱う整形外科、脳神経外科、神経内科、放射線科、リハビリテーション医学の方々の日常診察やカンファランスにすぐに役立つ必携の1冊ですが、特に研修医の先生やこれから脊椎外科医を志す先生におすすめしたい教科書です。
この教科書は、脊椎・脊髄を代表するジャーナルである「脊椎脊髄ジャーナル」で最も読まれた特集号をアップデート&12項目を書き下ろして書かれた教科書です。
本書の元になった脊椎脊髄ジャーナルの総特集「Dynamic diagnosisに必要な脊椎脊髄の神経症候学」の特大号が発刊されたのは2005年5月のことです。雑誌の命は書籍よりも短く、1年もすれば忘れ去られることも多い中で、この特大号は10年以上にわたって売れ続け、同誌の中では販売部数が最も多い号となっています。
この教科書は先の総特集を当時の著者たちと一部の新しい著者たちによって、新しく改版したものであり、各著者は神経内科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、放射線科、リハビリテーション科などを専門とするため、多角的な視点で執筆されているという特長があります。
日本初の脊椎脊髄に特化した神経症候学の書籍と言えるものでしょう。
脊椎外科の身体診察
続いて、脊椎外科の身体診察の教科書です。
脊椎外科医にとって脊髄・神経根障害レベルの理解は必須です。というか、これは脊椎外科医出なくても整形外科医であれば当然知っていなくてはいけない知識です。
この教科書には素晴らしい図とともに、髄節を覚えるためのtipsがたくさんあります。分厚い教科書ではないので、脊椎外科を志す方は通読しておくことをお勧めします。
脊椎外科の身体診察に関してはこちらの教科書もおすすめです。
この教科書は、末梢神経・脊髄神経根に障害のある患者さんを診察するための教科書で、カラー写真と簡潔な説明、詳細な模式図、神経と根支配などを掲載し、運動系と感覚系の検査に必須の知識がコンパクトにまとまっています。
徒手筋力テストや神経支配などが、いつでもどこでもすぐにわかる携帯サイズであり、末梢神経疾患や脊髄疾患、神経筋疾患の診療にあたる初学者からベテランまですべての人に役立つ1冊です。
電子版のアクセス権付きなので、スマホやPCなどの電子機器でも活用できるのもいいところです。
脊椎外科のMRI画像診断
続いて、脊椎外科のMRI画像診断の教科書です。
脊椎脊髄のMRI画像診断も脊椎外科医にとって必須です。
この教科書は、幅広い知識と高度な読影力が求められる脊椎脊髄MRI診断を、病因・病態および撮像法から読影、診断ポイントまで、鮮明で豊富な画像と簡潔な解説でわかりやすく、さらなる知識を伝えてくれています。
脊椎外科医のみならず整形外科医、放射線科医、脳神経外科医、神経内科医にとって必携書といってよいでしょう。脊椎外科の手術
続いて、脊椎外科の手術の教科書です。
脊椎脊髄疾患は患者のQOL、健康寿命に大きく影響します。これを担当する脊椎脊髄外科医には、より適切な治療、効果のある治療、特に外科的治療が求められます。
この教科書は、脊椎脊髄外科専門医を目指す医師に必須の手術を精選し、867点の美しい正確なイラストにより、解剖図から進入路、手技までをわかりやすくみせる本格的手術アトラスです。
術者の視野で、手の動きがみえてくるように描写された臨場感あふれるイラストが術野の展開に従ってstep-by-stepに示される実践書でもあります。
本文の「手術適応」、「手術の留意点とコツ」(術前プランニング、手術体位、皮膚切開、進入法、展開、手術手技、骨移植、閉創、術後管理、後療法)には、エキスパートである著者たちが苦労して習得してきたエッセンスが簡明に解説されており、必要な手術法に素早くアクセスできるよう、除圧・固定、instrumentationなどによる手術法を前後別、高位別に分け、また脊柱変形、腫瘍などに対する手術法を系統的に網羅し、索引も充実しています。
脊椎外科医は、この圧巻の手術書を手術前のイメージトレーニングなどにぜひ活用してほしいと思います。最近では脊椎外科においても低侵襲である内視鏡下手術が普及してきています。
この教科書はそんな脊椎外科の内視鏡下手術の教科書であり、各手術手技については豊富な術中写真に加えてシェーマも並行して提示することでより理解しやすい構成となっています。また、要所要所にはQ&Aのコーナーが設けられており、読者がわかりづらいポイント、つまずきやすいポイントをピックアップしてくれ簡潔な回答を提示してくれています。
脊椎内視鏡下手術に携わっている医師、これから始めようとする医師のバイブルとなる1冊です。続いて、おなじみOS NEXUSシリーズですね。
OS NEXUSは、OS NOWと比べかなり内容がアップデートされているだけでなく、より一層ポイントがわかりやすくなっているため、しっかりと勉強したい分野に関してはついつい揃えてしまう教科書シリーズですね。OS NEXUSシリーズは、『Fast Check』で手術の要点をおさえ、『NEXUS View』で手術のコツや注意点がひと目でわかる構成になっており、電子書籍版も同時刊行しているのが特徴です。
他の分野同様、脊椎外科においてもおすすめできる教科書です。
脊椎脊髄手術数が増加してくると、ある程度の頻度で合併症は必ず起こってしまうものです。そんな中で合併症から患者を救済するのはもちろんですが、医療訴訟にならないようにするのも重要です。
そのためには、迅速に対応して患者を救い、最悪でも被害を最小限にとどめることが必要であり、苦しくてもできるかぎり自施設で何とか乗り切ることが重要だと思います。しかし、1つの施設で経験できる合併症と対処法には限界があります。
この教科書は経験豊富な第一線の専門家が合併症の発見法と対処法について書いたものであり、合併症に対するスキルアップが期待できる一冊です。手術する脊椎外科医にすぐに役立つ実践書であり、特に脊椎脊髄外科の専門医、認定医、指導医を志す整形外科医や脳神経外科医には必携書だと言えるでしょう。
脊椎外科のリハビリテーション
次に、脊椎外科のリハビリテーションの教科書です。
この教科書は、スポーツ界での活動を志す理学療法士が集まって書かれたSPTSシリーズです。
この教科書では、頚椎から仙腸関節まで、脊椎に発生するスポーツ外傷・障害を網羅し、胸椎・胸郭、腰椎、仙腸関節についての疫学、病態、診断学、評価、治療法、治療成績などについての文献レビューを行っており、脊椎・脊柱のリハビリテーションに関するこれまでの数々のエビデンスが豊富に紹介されています。
脊椎外科においてもリハビリテーションは重要なので、リハビリテーションについて勉強したい方はこの教科書を参考にして頂けたらと思います。
脊椎外科の英語の教科書
最後に、脊椎外科の英語の教科書を紹介しておきます。
医師にとって英語は論文を読んだり、書いたりする上で必ず必要です。意味の知らない単語や言葉の言い回しを調べる時間を減らすためにも、少しでも慣れておいて損はありません。
これは僕が医学英語の勉強と足の外科の勉強を兼ねて研修医のときに使っていたAAOSの教科書シリーズの脊椎のものですが、ボリュームが少なくとっつきやすい英語の教科書です。
1つ1つの内容はそんなに深くなく、割とすぐに読めるので英語があまり得意でない方の導入の教科書としてよいかと思います。それでも、脊椎のAnatomyやBiomechanicsなどの包括的な内容までこの教科書で勉強することができます。
世界で使われている脊椎外科のスタンダードな教科書ですので、英語でしっかりと勉強したい方はこちらを読んでみてはいかかでしょうか。
おわりに
以上、今回は脊椎外科を勉強するためのおすすめ教科書を紹介しました。
何はともあれ、日々勉強することのどれだけ多いことか。勉強してもしても新しく勉強することが湧き出てきます。若手だから当たり前なんでしょうが、前線でやっていくためには、結局医者はいつになっても日々勉強なのかなと思います。
この記事が脊椎外科の教科書を探している方の参考になれば幸いです。
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