スポーツドクターにドーピング知識が必要な理由とドーピングに関わる仕事内容
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
よせやん
今日は朝からずっと手術の1日でした。
けっこう大変な症例が多く、最後の多発外傷の手術はやらなくてはいけない骨折部位がかなり多くけっこうな時間がかかりました。
でも出来上がりはかなり美しく満足できるものでした。
さて、今日はスポーツドクターとドーピングに関してお話しします。
スポーツドクターを目指していても、ドーピングと言われると自分には関係ないと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、その必要性をなかなか理解することができないのが実際のところだと思います。
確かに、医学生のときはもちろんのこと、医師になってからもスポーツドクターとして実際に活動していないと、ドーピングに関する話を聞いたり、勉強する機会はないと思います。
この記事では、スポーツドクターにドーピングの知識が必要な理由、ドーピングに関わるスポーツドクターの仕事内容についてお話ししようかと思います。
参考にして頂き、スポーツドクターもドーピングに関して勉強しておかないといけないということを理解して頂けたら幸いです。
Contents
スポーツドクターにドーピングの知識が必要な理由
オリンピック競技大会やアジア競技大会といった国際総合競技大会以外にも、日本のトップアスリートが海外で活躍する機会は多く、少なくとも国際競技連盟独自の主催による世界選手権大会やワールドカップ、大陸(アジア)選手権などがあります。
また、複数国での大会に参加し、その成績によってポイントが加算される制度をとっている競技もあります。
特に近年では、若手選手の強化、育成という視点からジュニア世代や、さらにその下の年代の選手達が国際競技大会に参加する機会も増えてきています。
一方、世界アンチ・ドーピング機構(World Anti-Doping Agency:WADA)は、グローバルスタンダードなアンチ・ドーピング普及活動を展開しており、禁止薬物や方法をはじめ、サンプル採取に関するルールや検査項目、検査機関、アンチ・ドーピング教育といった啓蒙活動まで多岐にわたる詳細な規範の標準化を積極的に促しています。
トップレベルの選手が集う国際競技大会では、ドーピング検査が行われる確率は高いためトップアスリートはもちろんのこと、2003年より国民体育大会(国体)にドーピング検査が導入され、アンチ・ドーピング活動はますます身近な問題となってきています。
アスリートは自身の競技力向上以外に、健康管理の一環として常に最新のアンチ・ドーピングに関する情報収集と理解に努めることが求められます。
そして、これらの活動をサポートするスポーツドクターも常に最新のアンチ・ドーピングに関する情報収集と理解に努めることが求められているのです。
よせやん
また、2015年の世界アンチ・ドーピング規定の改訂に伴い、アスリートは厳格責任が求められ、
スポーツドクターを始めとするサポートスタッフへの厳格制裁、役割や責任が強調されるようになっています。
ドーピングに関わるスポーツドクターの仕事内容
では、スポーツドクターとして仕事をしていると、実際にどのようなドーピングに関わる仕事があるのでしょうか。
- アスリートからのドーピングに関する相談
- アスリートへの薬物の処方
- TUE申請
- 遠征帯同時などの携行医薬品
アスリートからのドーピングに関する相談
まず、シチュエーションとして最も多いのはアスリートからのドーピングに関する相談です。
これはチームドクターとして仕事をしている場合、チームや大会に帯同している場合にアスリートやチーム関係者からドーピングに関する相談を受けるのはもちろんのこと、病院にアスリートが受診してきた場合にも相談される可能性があります。
冒頭でも述べたように、2003年より国体にドーピング検査が導入されていることや、スポーツ関係者およびアスリートのアンチ・ドーピングへの関心が高まってきていることから、今後ますますドーピングに関して相談される機会は増えてくるでしょう。
アスリートへの薬物の処方
同様に、病院に勤務しているだけであったも、アスリートに薬物を処方する機会があるでしょう。
この場合にも、ドーピングに関する知識を持っていないと、アスリートにドーピング禁止物質を処方してしまう可能性があります。
当然ですが、アスリートからドーピング禁止物質が検出されれば、治療目的であってもドーピング違反になります。
TUE申請
治療使用特例(Therapeutic Use Exemptions:TUE)は、アスリートが適切な治療を受け、競技へ参加するための権利です。
TUEに関しては、また詳しくお話しします。
しかし、本制度はアスリート自身だけでは権利を行使できず、医師やサポートスタッフの協力と理解が必要となります。
特に、医師はTUEの申請を行う必要があり、チームや大会に関わるスポーツドクターはTUEに関する理解を持っておく必要があります。
遠征帯同時などの携行医薬品
最後に、チームドクターとしてチームに帯同する場合、遠征隊同時などに携行する医薬品を選定する必要があります。
また、大会によっては、事前に携行する医薬品や医療機器を申請し、許可証の取得が義務づけられている場合が多く、特に近年は医薬品の事前申請が複雑かつ厳格になってきています。
選手に使用するドーピング禁止物質を含まない薬剤、ドーピング禁止物質に含まれるが緊急の治療時に必要な薬剤、麻薬・抗精神病薬(睡眠導入剤を含む)についてはしっかりと理解しておく必要があるでしょう。
よせやん
おわりに
以上、今回は、スポーツドクターにドーピングの知識が必要な理由、ドーピングに関わるスポーツドクターの仕事内容についてお話ししました。
参考にして頂き、スポーツドクターもドーピングに関して勉強しておかないといけないということを理解して頂けたら幸いです。
今後もスポーツドクターとして、またアスリートやスポーツ関係者が知っておくべきドーピングに関する知識を少しまとめていきます。
一緒に少しずつドーピングについて勉強していきましょう。
本気でスポーツ医学と運動器診療を学びたい人のために!
- どこにいても(都会でも地方でも)
- 誰でも(医師・理学療法士・鍼灸師・柔道整復師・トレーナー・学生などスポーツに関わる全ての人)
- いつでも(24時間)
利用可能なスポーツセミナー動画配信サービス!!
1週間1円トライアル実施中!!