2016/10/20

絞扼性神経障害とは|病態・治療・検査までわかりやすく解説

 

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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること!仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい!日々の勉強のため、また、同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思いブログを書いています。➡︎詳しいプロフィールはこちら

よせやん

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スポーツドクターを目指す若手整形外科医です。

どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

製薬会社の方の力を借りて、2週間に1回のペースで外傷や手術などに関する勉強会を開催していくことを試みています。基本的にその製薬会社さんが作成した手技DVDなどを見て勉強させてもらいます。今日はその第1回目で、小児の肘関節周囲骨折についての勉強会でした。外傷オンラインセミナーなどと同じく、非常によくまとめてくれてあってとても勉強になりました。今後もこのような勉強会を定期的に続けていきたいと思います。

外傷オンラインセミナーって何?と思った方は下の記事を読んでみてくださいね。

さて、今日は一般整形外科的な内容です。絞扼性神経障害についての総論をまとめていきます。

絞扼性神経障害って知っていますか?
有名なものとしては、手根管症候群、肘部管症候群などが知られていますね。これらがどういった病態かについては理解している方が多いと思いますが、それらの疾患の各論についてまとめる前に、まず総論について勉強しておきたいと思います。

というわけで、今日は絞扼性神経障害の総論として、

絞扼性神経障害とは
絞扼性神経障害の病態
絞扼性神経障害の治療
絞扼性神経障害の検査

についてまとめていこうと思います。

絞扼性神経障害とは

末梢神経は解剖学上、線維性あるいは骨線維性のトンネルを通過します。

その狭い空間で末梢神経に対して、圧迫、牽引、摩擦などの慢性的な機械刺激が加わって引き起こされた神経障害を絞扼性神経障害(entrapment neuropathy)といいます。

知覚異常が徐々に進行して痛みを訴える場合や、運動麻痺を主訴とする場合があります。正確な発現機序はわかっていませんが、反復動作、強制肢位が発症に関係する可能性があります。誘因がはっきりとしない末梢神経障害の患者さんでは、絞扼性神経障害を疑って検査を進めていきます。

例えば、手の症状を訴える患者さんの場合、頸椎から指に至るまでの神経が障害を受けやすい部位での麻痺の検索を行います。
糖尿病などの基礎疾患がある場合には、両側性に発症することが多いと言われています。

絞扼性神経障害の病態

では、絞扼性神経障害の病態と症状について考えてみましょう。

末梢神経の軽度の圧迫では、まず神経上膜の血流低下が起こります。圧迫が強くなると、軸索輸送が障害されて臨床的にはしびれが出現します。圧迫がさらに強くなると神経内の血行障害が生じて、知覚神経、続いて運動神経の伝導ブロックを生じてきます。
( Dahlin LB, Rydevik B. Pathophysiology of nerve compression. Operative nerve repair and reconstrucion: JB Lippincott. 1991 )

そして、末梢神経幹に2カ所以上の障害が加わった場合、近位の障害部位より末梢で軸索輸送が障害され、神経の易損傷性が亢進します。そのため、末梢での障害が増強されます。このような病態を重複圧迫神経障害(double crash phenomenon)と呼びます。
( Osterman AL. Orthop Clin North Am. 1991 )

絞扼性神経障害の診断治療に際しては、この病態の可能性について必ず考慮する必要があります。

絞扼性神経障害の検査

では、絞扼性神経障害ではどのような検査を行っていけばよいのでしょうか。

診断に際しては、障害を受けている神経の種類と部位およびその原因を明らかにすることが大切になってきます。

知覚検査には、一般に受容体の閾値を調べる検査と受容体の密度を調べる検査があります。絞扼性神経障害では、閾値を検査するSemmes-Weinsteinテスト振動覚検査の方が、受容体の密度を調べる二点識別テストより信頼性が高いと言われています。

絞扼性神経障害では、症状の発現に特別な肢位や運動が関係する場合と、関係しない場合があります。特別な肢位や運動によって症状が出現する例では、通常の誘発試験では症状が誘発されないことがあります。このような場合には、症状が誘発される特殊な運動を負荷してから知覚検査を行うなどの工夫が必要になってきます。神経伝導速度検査などの電気診断テストは信頼がおける他覚的検査です。

絞扼性神経障害の治療

では、最後の絞扼性神経障害に体する一般的に治療の考え方についてです。絞扼が初期、中期、長期の場合に分けて考えてみましょう。

・初期の障害で麻痺が軽度の例では、装具などの保存療法の効果があります。

・中期で神経内の微小循環が障害されて、しびれが持続している例では、除圧(絞扼の解除)の効果が著しいとされています。

・進行した長期経過例では、神経の線維化が起こり、除圧のみではすべての症状が消失しないことが多くなります。このような例に神経内剥離術を推奨する意見もありますが、最近では効果がないとの報告が多くなされています。

つまり、

絞扼が長期間におよんで神経の線維化が起こり、除圧でも対応ができなくなってしまう前に治療を行うことが大切です。

おわりに

以上、今日は絞扼性神経障害の総論についてお話ししました。

なぜ今回の記事を書いたかというと、各論についてお話ししたかったからです。というわけで、これから絞扼性神経障害についての各論についてもお話していきますね。まず、次回代表的な絞扼性神経障害にどんなものがあるか紹介しようと思います。

仕事が終わってから記事を書いているため、最近この時間に記事を更新することが多くなってきましたね。LINE登録をしてくださっている方はこの時間に連絡がいってしまうので、申し訳ありませんが、何卒ご了承下さい。なるべく日付が変わる前に更新したいとは思っています。

 

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