足の外科学会「第6回機能解剖セミナー」
どうも、こんにちは。
1月9日−10日に開催された日本足の外科学会教育研修会「第6回機能解剖セミナー」が終了し、宇都宮からの帰路の新幹線の中で書いております。
この後、医局旅行に合流するため、長野県まで行かなくては行けません。
宇都宮からは5時間くらいかかります。
さて今日は、今回参加させて頂いた第6回機能解剖セミナーについて、今後の参加を考えている先生のために、まとめておこうと思います。
Contents
機能解剖セミナーとは
これは足の外科学会主催の教育研修会であり、毎年この時期に、宇都宮餃子で有名な栃木県の獨協医科大学にて開催されます。
足の外科に関する機能解剖および足の外科領域の内視鏡を学ぶための研修会です。
外部リンク:足の外科学会「機能解剖セミナー」ホームページ
非常に人気のある研修会でありますが、募集人数は40人であり、なかなか当選することは難しい研修会です。
昨年までは先着順だったようで、9時に応募開始し、9時10分には応募締め切りになっていたそうです。
今年から先着順ではなくなったそうですが、もちろん9時に申し込みました。
そして、ありがたいことに見事当選しましたので、今回行ってきました。
プログラムは以下のようになっています。
しかし、実際は講義はほとんどなく、ワークショップがほとんどの時間を占めます。
獨協医科大学へのアクセス
会場は獨協医科大学で、最寄りの駅はおもちゃのまち駅です。
僕の場合は新幹線で東京に向かい、東京から宇都宮まで東北新幹線で行きました。
僕の場合はホテルを東武宇都宮駅周辺に取っていたため、東武宇都宮駅からおもちゃのまち駅まで東武宇都宮線で向かいました。
ちなみにJR宇都宮駅から東武宇都宮駅まではバスが頻回に出ており、150円で行くことが可能です。
おもちゃのまち駅から獨協医科大学までは徒歩10分かからないくらいです。
ただ、僕も行くまで全く知りませんでしたが、1日目・2日目とも研修会が終わった後に、獨協医科大学からJR宇都宮駅までバスが出ます。
懇親会の会場もJR宇都宮駅周辺ですので、ホテルはJR宇都宮駅周辺で確保しておくのがベストだと思います。
研修会1日目
当日、会場に行って参加メンバーを見てみると、北海道から九州まで日本中のあらゆる場所から参加されていました。
年次はバラバラだと思いますが、年配の先生も足の外科の勉強を始めたところという先生が多く参加されていました。
お話を聞いていると、やはり全国的に足の外科を専門にされている整形外科医はまだまだ少なく、教えて欲しくても教えてくれる先生がいないので、こういう勉強会に参加するしかないとのことでした。
上の先生が執刀する、足の外科の手術をいつも見れている僕は幸せなのかもしれません。
朝の講義は30分程で、すぐにワークショップが始まります。
要項には汚れてもいい服装と案内されており、オペ着を着ている先生が多かったですが、手術ガウン、ロングのシューズカバー、マスク、帽子を提供して頂けるので、全身カバーされているような状態で、服装はあまり気にしなくていいように思います。
ワークショップは各テーブル5名ずつに分かれ、ホルマリンにて固定されていない新鮮屍体を用いて行われます。
1日目の午前は、内視鏡の基本手技を学びます。
足関節の前方鏡視、後足部内視鏡、距骨下関節鏡(後方からと中足部外側から)、腓骨筋腱鞘鏡、足底腱膜に対する内視鏡アプローチを実践させて頂きました。
1日目の午後は、内視鏡下手術や足の外科の手術を学びます。
11社もの企業が機器などを協賛してくださり、内視鏡だけでなく、各手術に必要な道具を揃えてくれており、使わせて頂くことができました。
具体的には、鏡視下足関節固定術、距骨骨軟骨損傷に対する手術、アキレス腱付着部症に対する骨棘切除およびアキレス腱移行術、外反母趾に対する矯正術を行いました。
1日目が終わると、懇親会があり、多くの先生が参加されます。
懇親会はJR宇都宮駅の近くのホテルで行われ、2次会は宇都宮餃子を食べに行きました。
足の外科関連の先生方とお話をさせて頂き、非常にためになりました。
研修会2日目
2日目は朝からすぐにワークショップを行います。
ただし、2日目は内視鏡は使わず、Dissection(解剖)を行います。
また、その途中で、いろいろな手技の勉強もさせて頂きました。
解剖をやったのは、大学2年生のとき以来です。
まず、足の主要な血管・神経がどのように走行しているかを確認しました。
大伏在静脈、伏在神経、脛骨神経から内側底側神経・外側底側神経・踵骨枝の分岐、浅腓骨神経の分岐、深腓骨神経、腓腹神経などを確認しました。
次に後脛骨筋に沿って足内側を、腓骨筋腱に沿って足外側を解剖させて頂きました。
後脛骨筋の舟状骨結節への付着、短腓骨筋腱の第5中足骨への付着を確認し、それらがさらに足底に向かって延長しており、内外側から足底を支えている様子を確認できたのは非常に興味深かったです。
また、脛腓間の前下脛腓靭帯、足関節内側の三角靭帯の浅層と深層、足関節外側の前距腓靭帯(ATFL)、踵腓靭帯(CFL)、後距腓靭帯(PTFL)、リスフラン靭帯なども確認しました。
外から見るとATFLとCFLは別々に付着しているように見えますが(図1:左)、外果を切り離して、裏側を確認すると、それらが同一部に付着していることがよくわかります(図1:右)。
図1 左:外側靭帯を表から見たところ 右:外側靭帯を裏側から見たところ
その他にも、脛骨と腓骨の間の前下脛腓靭帯を確認してから切離し、タイトロープで固定したり、腓骨筋腱脱臼を想定して腓骨筋肢帯をノットレスアンカーを用いて逢着したり、リスフラン靭帯を切離してタイトロープで固定したりする手術手技も学ばせて頂きました。
百聞は一見にしかず
とはよくいったもので、実際に目で見て観察できるということは、万巻の書物に代えがたいことであると思います。
おわりに
今回、足の外科学会主催の第6回機能解剖セミナーに参加させて頂き、本当に貴重な経験ができました。
ご指導頂きました先生方、機器などを協賛してくださった企業の方々に深謝致します。
そして、ご貢献を賜りました方々に、謹んで追慕と哀悼の意を捧げます。
人類の医学の進歩のために、ご貢献いただいた崇高なるご遺志に対し、心からの敬意と感謝を捧げます。
先ほども述べましたが、実際に目で見て観察できるということは、万巻の書物に代えがたいことです。
医師の先生方はもちろんですが、DePuy Synthes社などが主催する理学療法士、トレーナー対象の勉強会などもあるようです。
興味をお持ちの方は参加されてみてはいかがでしょうか。
おすすめ教科書
今回も予習に使った、管理人のおすすめ教科書です。
足の解剖から内視鏡手術まで、まさにこのセミナーと同じような内容がまとまっている教科書です。
足の外科に興味のある先生はぜひ読んでみてください。
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