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試合直前〜試合後まで、試合当日に適した食事、栄養摂取とは?

 
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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

今日は足の外科学会主催の第6回機能解剖セミナーに参加しに、栃木県の獨協医科大学まで来ております。機能解剖セミナーに関しては後日また記事にさせて頂きます。栃木県の宇都宮といえば、宇都宮餃子が有名ですよね。そちらもきちんと堪能させて頂いております。

さて、今日は試合に合わせた食事・栄養摂取の方法に関してやっていきたいと思います。

試合でいいパフォーマンスを発揮するためには、試合に向けて食事を調整することが大切です。前回、試合前に適した食事に関してまとめました。

日本代表の選手であっても、栄養面では改善の余地が残されていることが多いと言われており、同じトレーニングをしているならば、差がつくのはトレーニング時ではなく、食を含めた生活の時間(オフ・ザ・ピッチ)です。

スポーツに関わる方は、このような栄養に関する知識も勉強し実践してみてはいかがでしょうか。

今回は試合直前の栄養摂取試合の休憩時間の栄養摂取試合直後の栄養摂取、および試合後の食事に関してまとめていきます。

Contents

試合直前の栄養摂取

では、まず試合直前の栄養摂取についてです。

運動の30〜60分前に70〜75gのブドウ糖を摂取すると、インスリンの作用により運動直前に低血糖を誘発し(インスリンショック)、結果的に疲労が高まる可能性がある。

ということが報告されています。( 杉浦克己.トレーニングによるからだの適応ースポーツ生理学トピックスー:杏林書院.2002 )

したがって、試合直前の糖質摂取は避けるようにしましょう。

では、何を摂取したらよいのか。

試合の直前にブドウ糖タブレットやマルトデキストリン(デンプン分解物でブドウ糖の重合体)を主成分とするドリンクを摂取することが望ましい

とされています。
( 日本サッカー協会スポーツ医学委員編.サッカー医学テキスト:金原出版.2012 )

このようなタイミングであれば、インスリンショックの心配はありません。

試合の休憩時間の栄養摂取

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次に、試合の休憩時間の栄養摂取についてです。

持久的運動においては、運動中の糖質摂取により疲労に至る時間が延長され、仕事量が増加する。

ことが報告されています。

運動中に絶えず糖質を摂取する必要はありませんが、いわゆる低血糖状態になって筋グリコーゲンが枯渇しまってから対応しても手遅れです。

僕はサッカー好きなので、サッカーに例えて話をさせて頂きます。

自転車こぎ運動を用いて、サッカーの運動時間と運動強度(最大酸素摂取量の75%)をシュミレートし、90分間の運動のハーフタイムに糖質50gを摂取すると、水あるいは果糖溶液を摂取した場合に比べて、90分運動後のスプリント・パフォーマンスが向上すること、そして後半の運動中の生化学的パラメータおよび主観的運動強度が良好に保たれる。

ことが報告されています。( Sugiura K, et al. Med Sci Sports Exerc. 1998 )

このことより、

ハーフタイムの栄養補給にはマルトデキストリンにビタミンB1とクエン酸を配合したドリンクが最適

であろうと思われます。

試合直後の栄養摂取

続いて、試合直後の栄養摂取についてです。

運動を中止すると、骨格筋ではグリコーゲンの合成が始まります。このタイミングを利用して、計画的に糖質を摂取することは回復を早めるのに重要だと考えられます。

筋グリコーゲンの回復を早めるには、運動後2時間を経過してからよりも、運動直後にマルトデキストリンを摂取する方が有効である。

とされています。推奨摂取量は体重1kgあたり0.7g以上です。

激しい運動の直後に糖質摂取を怠ると、身体は脳のエネルギーでもある糖質を得ようとして、筋肉や肝臓のたんぱく質を分解し、アミノ酸から糖質を作ろうとするため、消耗は時間とともにさらに進行してしまいます。

また、

糖質とたんぱく質を3:1の割合に配合したドリンクの摂取により、筋グリコーゲンの回復が糖質単体よりも高まる。

ことが報告されており、これは運動後の筋の材料を補給するうえで有効な方法です。( 杉浦克己.トレーニングによるからだの適応ースポーツ生理学トピックスー:杏林書院.2002 )

杉浦らは、試合直後の栄誉摂取として、

ロッカールームに戻ったときにマルトデキストリンとアミノ酸を摂取させ、シャワーを浴びて落ち着いてからプロテインと糖質を配合したゼリーを摂取する。

ことを勧めています。

これらは、消化吸収に時間がかからず、現状で考えられる最適のものであり、レベルの高い選手に勧められます。

また、ジュニアのチームであれば、

果汁100%のオレンジジュースやアップルジュース、そして牛乳やヨーグルトドリンクなどを用いるとよい。

とされています。

試合後の食事

ステーキ 食事

では最後に、試合後の食事についてです。

連日のようにトレーニングと試合を行う選手は、筋グリコーゲンの回復のために、24時間以内に体重1kgあたり8g以上の糖質を摂取する必要がある。

ことが報告されています。( 杉浦克己.トレーニングによるからだの適応ースポーツ生理学トピックスー:杏林書院.2002 )

これは、日本人の平均食生活では、糖質のエネルギー比が50〜60%であるので、

体重65〜80kgの選手であれば、24時間以内に約4000kcalの食事をする

ことに相当します。

2002年の日韓ワールドカップ日本代表選手の食事は平均5200kcalであり、筋グリコーゲンの回復は十分に図れていたと思われます。

おわりに

以上、今回は試合直前の栄養摂取試合の休憩時間の栄養摂取試合直後の栄養摂取、および試合後の食事に関してまとめました。

日本代表の選手であっても、栄養面では改善の余地が残されていることが多いと言われています。

早い時期から栄養教育の場を設け、日常の食事の大切さを選手に理解させることは、子供の健全な発育・発達を実現するため、さらに日本の競技レベルをいっそう向上させるために重要であると思われます。

同じトレーニングをしていれば、差がつくのはトレーニング時ではなく、食を含めた生活の時間(オフ・ザ・ピッチ)です。

栄養に関する知識があれば、美味しい食事をしたうえで、不足分があったとしても、それをどう補えばよいか理解できるはずです。

スポーツに関わる方は、トレーニング法だけでなく、このような栄養に関する知識も勉強し活かしてみてはいかがでしょうか。

よせやん

 

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