AOとは|整形外科医・外傷医のための外傷・骨折治療のGolden Standard
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
よせやん
2月16日から今日までの3日間、神戸で開催されていたAO Trauma Basic Principles Courseに参加していました。
スケジュールはかなりハードで、初日の夜は解散したのが9時ごろだったし、朝は8時からDiscussionがあったりとなかなかの強行日程でした。
でも、思っていた以上に勉強になることが多かった素晴らしいセミナーだったので、今後受講を考えている先生方のためにもAO Trauma Basic Principles Courseがどういうものなのか知ってもらうために、その体験記を書いておこうと思ったのですが、まずAOとは何なのか知らない方がいるかもしれません。
というわけで、この記事では整形外科医・外傷医のための外傷・骨折治療のGolden StandardであるAOについて紹介します。
Contents
AOとは
では、さっそくAOとは何なのか紹介しましょう。
AO(Arbeitsgemeinschaft für Osteosynthesefragen)は、1958年スイスで13名の外科医によって創設された骨折治療に関する研究グループです。
約50年の時を経て、国際的、外科的、そして、科学的な研究財団(Foundation)へと発展し、世界各国12,000人以上の整形外科医・外傷医、手術室看護師、獣医師が所属する世界有数の学術的組織となり、外傷及び骨接合法における”Global Standard”と呼ばれるほどになりました。
2010年には、より高度で専門的な外傷治療を目指す外科医に臨床・教育・交流の場を提供することを主な目的としたAOTraumaが設立されました。
AO Trauma Japan(略称:AOTJP)は1998年10月25日に開催されたAO Combined Course東京での総会にて発足したAO Trauma の日本支部です。
1987年の第1回AO Courseから過去20数年に渡り、整形外科医・外傷医、手術室看護師に向けてAO の原理原則を学ぶ機会を提供しています。1988年には、AO本部よりAO Trauma支部としての活動が認められ、AO理念に基づき、教育、研究・開発、広報活動を行なっています。
AO Trauma Japanより引用
日本では、英語読みの「エーオー」もしくはドイツ語読みの「アオー」と呼ばれています。
AO Trauma Course
では、続いてAO Trauma Courseについて紹介します。
基礎コース(Basic Principles、 Advanced Principles)から部位別の専門コース(Specialty)、その他Cadaver workshopなどが世界各国で実施されています。
Courseは原則3日以上、参加者は50〜100人、下記構成で開催されています。
- Lecture
15〜20分毎の専門別講義 - Practical Exercise
ボーンモデルを使用した各AOシステムの実技実習 - Case Discussion
少人数での症例検討
日本で開催されるAO Trauma Courseは以下の通りです。
Basic Principles
続いて、僕が今回受講したBasic Principlesについて見てみましょう。
整形外科医・外傷医が、AO の原理原則から最新情報を学び、実技を習得できる貴重な機会なので、外傷に興味のあるならば受講しておくのが望ましいでしょう。
そして、上の図を見てもらったらわかるように、より発展した内容の Advanced Principles、部位別の専門コース(Specialty)を受講するために、まずこのBasic Principlesを受講する必要があります。
整形外科後期研修医の受講申込が多いと思いますが、各都道府県で差が生まれないように受講者が選出され、そして同じ施設からは原則1人しか受講できないため、各都道府県から2〜3人しか受講できないことになっています。
Advanced Principlesの受講を希望している上の年次の先生もBasic Principlesを受講しますが、聞いた話によると選考には年次が最も重要視されるため若手の枠はより少なくなります。
毎年8月と2月に開催されていますが、8月は前期・後期の2回開催されるため、受講できる可能性は2月より高くなるかと思います。
また、Basic Courseは卒後3年が経過し(4年目以降)、外傷に興味を持っている医師でないと受講することはできません。
AO Trauma Seminar
そのため、研修医や卒後3年目の先生、Basic Courseに申し込んでもなかなか通らないという先生は、Basic Courseを受講する前にAO骨折治療の基本的な概念を学ぶためのAO Trauma Seminarというセミナーを受講して頂くとよいでしょう。
3日間のBasic Principlesと違い、このセミナーは実技実習がないので1日で終えることができるため受講しやすいのが特徴です。
僕も卒後3年目にAO Trauma Seminarを受講しています。
もしかすると、このAO Trauma Seminarを受講していることも、Basic Principlesを受講するための選考に関係しているのかもしれませんね。
Advanced Principles
そして、Basic Principlesの次にあるのがAdvanced Principlesです。
Basic Principles修了者もしくは未専門医であれば Basic Principles修了後1年が経過していることが受講条件です。
もちろん、僕は整形外科医の一般教養としてこのAdvance Principlesを受講予定ですが、受講できるのは5年目の2月以降になるわけですね。
このAdvanced Principlesを修了すると、Masters(日本では開催されていません)や骨盤外傷、足の外科、上肢・下肢、小児骨折というSpecialtyコースを受講できるようになります。
僕もゆくゆくは足の外科を専攻する予定なのでFoot & Ankleは受講したいなと思っています。
おわりに
以上、今回は整形外科医・外傷医のための外傷・骨折治療のGolden StandardであるAOについて紹介しました。
AO Trauma Seminarや AO Trauma Courseは、整形外科医・外傷医、手術室看護師が、AO の原理原則から最新情報を学ぶことのできる貴重な機会なので、外傷に興味があるならば受講しておくのが望ましいでしょう。
後日、今回僕が参加したBasic Courseについて体験記を書く予定です。
また、需要があるようでしたので、このコースで学んだ外傷、骨折治療のポイントを少しずつ紹介していこうと思います。
乞うご期待。
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