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骨折手術後のインプラント抜去(抜釘)の必要性とタイミング(時期)とは

 
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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

よせやん

今日はまだ尿管結石による疝痛発作が起きていません。

このまま何も起こらないといいですが。

今日は待機なので、日中に救急外来に来た整形外科患者さんの対応をしていましたが、夕方から2時間くらい爆睡してしまいました。

 

さて、今日は抜釘シリーズです。

抜釘術はそのメリットとデメリットをしっかりと理解したうえで手術を考慮することが大切です。

この記事では、抜釘(インプラント抜去)術の必要性とタイミング(時期)についてまとめます。

 

不必要な抜釘や適切な時期ではない抜釘によって再骨折などの合併症が生じないように、抜釘のタイミングに関してもしっかりと勉強しておきましょう。

よせやん

Contents

抜釘術の必要性

最近では、骨折の手術後にインプラントを抜去する抜釘術は必ずしも必要ではなくなってきています

 

医療機器の進歩で、インプラントもチタンもしくはチタン合金となり、体内で悪影響を及ぼす可能性も低くなりました。また、飛行機に搭乗する際の金属探知機のチェックでも引っかからなくなり、MRI検査も受けることができます

 

ちなみに、アメリカでは保険の審査が厳しいためインプラントが原因で症状が起きたりしていない限り、抜釘術に対して保険が通らないことが多く、必ず抜釘しなければいけない症例でないとなかなか抜釘できないのが現状です。

その点、日本は医療保険制度が恵まれているので、比較的気軽に抜釘を行うことができます。

 

しかし、冒頭で述べたように抜釘術は必ずしも必要というわけではありません。

まず、抜釘の適応について、下の記事で確認して起きましょう。

そして、抜釘を行わない方がいい場合もありますので、こちらも知っておいた方がいいでしょう。

 

では、適応のある症例で抜釘術を行う方針になったとして、どれくらいの時期に抜釘したらよいのでしょうか。

というわけで、骨折の手術後に抜釘術を行うタイミング(時期)を紹介します。

いつものように参考文献などは調べていませんが、骨折治療のGolden StandardであるAO TraumaのBasic Principlesのlecture内容から紹介しますので、ソースとしてはかなり信頼性が高いとは思います。

 

プレートの抜釘時期

では、まずプレートで骨接合術を行った場合の抜釘時期です。

プレートの抜釘時期
  • 成人:18−24ヶ月
  • 小児:6−18ヶ月 

 

成人で18-24ヶ月、小児で6-18ヶ月です。

僕は今まで成人であれば1年前後で抜釘を勧めることが多かったので、僕の感覚より少し遅いようです。

抜釘を行った際の合併症として最も気をつけなければいけないのが再骨折ですから、再骨折の可能性を少しでも減少させるために少し遅めに抜釘を行った方がいいということなのかもしれませんね。

 

抜釘を行う上で最低限必要な条件は十分に骨癒合を認めていることです。

インプララントによる障害が生じていない限り、骨癒合なくして抜釘はあり得ません

骨癒合を認めるタイミングは症例によって違いますので、抜釘時期に6−12ヶ月の幅を持たせていると理解したらいいのでしょう。

 

髄内釘の抜釘時期

次に髄内釘で骨接合術を行った場合の抜釘時期です。

髄内釘の抜釘時期
  • 成人:18−24ヶ月
  • 小児:6−12ヶ月 

 

成人で18-24ヶ月、小児で6-12ヶ月です。

成人はプレート固定を行なった場合と同じです。

小児は6-12ヶ月で1年経たないうちに抜釘を行うのがいいようですが、プレートであれ髄内釘であれ、そんなに抜釘時期は変わりません

 

おわりに

以上、今回は、抜釘(インプラント抜去)術の必要性とタイミング(時期)についてまとめました。

 

医療者は、患者さんにとっての抜釘術のメリットとデメリットを説明し、メリットがデメリットを上回り、なおかつ患者さんが抜釘による合併症の可能性などをしっかりと理解して頂いたうえで手術を考慮することが大切です。

よせやん

抜釘を行う場合は、適切な時期ではない抜釘によって、再骨折などの合併症が生じないように抜釘のタイミングに関してもしっかりと勉強しておきましょう。

必ず、十分な骨癒合を認めていることを確認してから、抜釘を行うように注意しましょう。

この記事の内容はAO Trauma Basic Principlesのlecture内容から紹介していますが、内容に相違点がある場合はご指摘いただけますと幸いです。

 

 

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Comment

  1. rin より:

    はじめまして、プレートの抜釘時期に関する記事拝見しました。
    現在私は鎖骨骨折によりプレートを入れています。
    抜釘時期は大人の場合、18-24ヶ月が良いとのことですが、こちらは何かの文献に記載されているものでしょうか?
    もし宜しければぜひ読んで見たいのでどちらの物か教えて頂けないでしょうか?

    宜しくお願い致します。

    • よせやん より:

      rinさん

      はじめまして。
      コメントありがとうございます。
      こちらの記事で書いているのは、冒頭にも書いてある通り、骨折治療のGolden StandardであるAO TraumaのBasic Principlesのlecture内容から紹介しますので、ソースとしてはかなり信頼性が高いとは思います。
      実臨床におきましては、私は今までは1年前後で抜釘することが多かったですが、このセミナーに参加して再考するようになりました。

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