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疲労のメカニズム|エネルギーの枯渇と筋の疲労状態について

 
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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

 

さて、今日は疲労対策とコンディション管理について学ぶため、「疲労のメカニズム」についてまとめていきます。

 

日々、質の高い練習をするためにも疲労への対策をしっかりと行うことはトレーニングと同等に重要なことであると言えます。

みなさんはトレーニングをするばかりではなく、蓄積していく疲労への対策をきちんと考えていますか?

よせやん

僕は自分自身のために(選手として)疲労とコンディショニングについて知りたかったのと、スポーツドクターとして選手やチームに指導を行ううえでも知っておきたい項目の1つであったので今回調べてみました。

まさに知りたいことについてまとめてくれている論文を見つけましたので、その論文を参考にしながら「疲労対策とコンディショニング管理」について記事を書いていきます。

 

前回、総論についてまとめました。

今回はこの中でも、疲労の生じるメカニズムについてまとめていこうと思います。

Contents

疲労変数と疲労のメカニズム

運動形式や時間、強度、運動状況によって体に生じる疲労は変化します。

このような疲労が変化する条件を疲労変数と言います。

疲労については、この変数については現状ほとんど考慮されておらず、リカバリーの方法も同じ方法で行われています。

 

しかし実際には、体にどのような負荷がかかっているのかを把握し、リカバリーを行うタイミングが試合間なのか、活動終了時なのかなどによっても、リカバリー方法の選択をしていく必要があります。

運動による疲労とひとえにいっても、実は疲労が生じるメカニズムは多岐にわたっています。

 

運動による疲労が生じるメカニズムには以下のようなものがあげられます。

疲労が生じるメカニズム
  • エネルギーの枯渇
  • 筋の疲労状態
  • 過剰体温
  • 中枢性疲労
  • 疲労の変動  

 

今回と次回でこれらのメカニズムについてまとめていこうと思います。

今回はエネルギーの枯渇筋の疲労状態について書いていきますね。

 

エネルギーの枯渇

脳や筋肉はATP(アデノシン三リン酸)によって活動しています。

そのエネルギー源であるグリコーゲンの枯渇は、疲労感やパフォーマンスの低下を生じさせます

 

そのため、練習や試合でどの程度エネルギーを消費しているかを把握する必要があります。

これは運動強度や内容、時間、体重、年齢によって変動があり、状況別の情報収集をして必要な量を必要なタイミングで補うことが望ましいとされています。

 

例えば、ウエイトトレーニングで約500kcal、高強度のラグビー練習を90分行った場合、約1,200kcalを消費します。

また、体重(除脂肪体重)の変動によっても調整する必要があります。

 

運動によるエネルギー消費量が摂取量よりも多いと、体重減少が生じることから、体重の計画的な増減も含めて、消費と摂取を計画的に行うことが大切です。

よせやん

また、ウエイトトレーニングや衝突のあるコンタクトプレーがある場合、筋の分解がより多く起こるため、炭水化物に加え、たんぱく質も速やかに補給し、タンパク分解を抑えて再合成を促すことが望ましいとされています。

 

筋の疲労状態

水泳や自転車競技では、主に短縮性収縮が中心であり、ストップ・ターンや切り返し動作が、そしてジャンプ動作のある競技では、動作方向を変えるため減速局面で伸張性収縮が生じています。

この伸張性収縮は、エネルギー消費が小さい反面、筋損傷が生じて筋肉痛や炎症反応が起こると報告されています。( Lieber RL.Skeletal Muscle Structure and Function: Implications for Rehabilitation and Sports Medicine, Williams and Wilkins. 1992 )

 

症状が強い場合、筋の状態や筋力、柔軟性の回復に48〜72時間を要します。( Clarkson PM. Med Sci Sports Exerc. 1992 )

また、コリジョンスポーツ(激しい身体接触のあるスポーツ)では、高強度で体同士の接触が生じることから伸張性収縮運動も増え、さらに打撲などにより筋損傷が生じます。( 武田寧ら. 体力科学. 1994 )

 

一方、短縮性収縮はエネルギー消費、酸素消費が大きく繰り返されるとパンプアップして(筋に負荷をかけ続けることにより膨張すること)筋が収縮しにくくなり、筋力の低下や柔軟性の低下が生じますが、筋肉の損傷を生じることは少なく短時間で回復します。

 

そのため、短縮性収縮運動が中心の場合には、筋の疲労物質除去や乳酸の再利用、緊張を和らげるために軽い運動や温浴(交代浴)で血流を促し、ストレッチングで柔軟性を改善することが効果的です。

しかし、筋損傷が生じてしまっている場合は、炎症反応を抑えるために冷却が有効であることが報告されています。( Enwemeka CS, et al. Med Sci Sports Exerc. 2002 )

おわりに

以上、今回は疲労変数について、中でもエネルギーの枯渇筋の疲労状態についてお話ししました。

 

体がなぜ疲れるのか?意外におもしろい内容だと思います。

疲労が生じるメカニズムを知っておくと、それに応じた対策と取れます。

 

次回、残りのメカニズムである過剰体温中枢性疲労疲労の変動についてまとめていきます。

 

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