足関節ストレスX線(レントゲン)の撮影方法と評価方法|距骨傾斜角、前方引き出し距離(率)
どうも、こんにちは。
整形外科医のよせやんです。
よせやん
今日は足の外科の手術でした。
やっぱり足の外科の手術はとても面白いですね。
今まではあまりしっかりと調べる時間もなく、何となく手技はわかるけど細かいところはわからないといった状態でしたが、少しずつ細かいところも勉強できています。
さて、今日は手術にちなんで足の外科のテーマで行ってみようと思います。
足関節外側靭帯損傷の診断をつけたり、評価を行うためには、足関節のストレスX線(レントゲン)の知識を正しく持っておくことが肝要になってきます。足関節外側靱帯損傷というか足関節不安定症と言った方が正確ですかね。
足関節のストレス撮影を行い、正常を逸している場合は足関節外側靭帯の断裂もしくは緩み(elongation)を疑うことになります。
この記事では、足関節ストレスX線の撮影方法およびその評価方法として、距骨傾斜角、前方引き出し距離、前方引き出し率について詳しく解説していきます。
よせやん
Contents
距骨傾斜角とは
では早速、距骨傾斜角について説明していきましょう。
距骨傾斜角は5〜10°までが正常とされており、10°以上となると足関節外側靭帯損傷を疑います。
ただし、これは患者さんによる個人差が大きいため、健側と比較して評価することが望ましいと言われています。
よせやん
この写真は、足関節外側靭帯損傷の足関節内反ストレスレントゲン正面像ですが、健側と比較すると患側は明らかに距骨傾斜角が大きくなっているのがわかるかと思います。
ちなみに、この症例では健側も足関節外側靭帯に軽度の緩みを認める症例でした。
前方引き出し距離とは
では、続いて前方引き出し距離について勉強しましょう。
前方引き出し距離は、3mmまでが正常とされており、3mm以上となると足関節外側靭帯損傷を疑います。
徒手的に前方引き出しストレスをかける場合は、検者が片方の手で下腿を固定し、もう片方の手で前足部を把持して前方に引き出すか、踵を把持して前方に押し出して撮影します。
ただ、最近ではテロス(telos SE)というストレス撮影固定具を用いて一定の負荷(15daN)をかけて撮影している施設も増えてきています。
テロスは膝のストレス撮影にも使えますし、検者間誤差もないので非常に有用だと思います。
前方引き出し率
また、同じ撮影方法で前方引き出し距離ではなく、前方引き出し率というもので評価する場合もあります。
こちらの方法の方が前方引き出し距離よりも体格による差を考慮したものになります。
ただし、結局大切なのは健側との比較です。
でも、中には左右どちらも外側靭帯損傷がある患者さんもいるので、そこには注意しておきましょう。
よせやん
おわりに
以上、今回は足関節ストレスX線の撮影方法およびその評価方法として、距骨傾斜角、前方引き出し距離、前方引き出し率について解説しました。
ネット情報を見ていると、意外に距骨傾斜角や前方引き出し距離・率を具体的にどうやって測るのか書いていないものが散見されます。
これだと実用性がなく、なんとなく知っているだけになってしまいます。
というか、僕自身がそうなっていたので、今回しっかりと文献を調べてまとめてみました。
足の外科に興味がある方の参考になれば幸いです。
よせやん
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