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      2017/09/16

症例から学ぶ腰椎分離症|スポーツ選手の治療からスポーツ復帰まで

 

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この記事を書いている人 - WRITER -

サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること!仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい!日々の勉強のため、また、同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思いブログを書いています。➡︎詳しいプロフィールはこちら

よせやん

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スポーツドクターを目指す若手整形外科医です。

どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

昨日、今日はセンター試験ですね。受けたのは…もう10年以上前の話です。時間が経つのは本当に早いですね。

明日の早朝に本田選手が先発予定のACミラン戦があるので、明日は早起きしなくてはいけません。ぜひとも頑張って欲しいところです!

さて、昨日まで成長期のスポーツ選手に多い「腰椎分離症」について勉強してきました。

腰椎分離症とはどんな病気なのか?また、その症状・画像診断について下の記事で解説しました。

また、病期分類、スポーツ復帰までの期間・治療に関しては下の記事でまとめました。

そして、下の記事では腰椎分離症におけるリハビリテーションに関してお話ししました。

今回は、腰椎分離症の実際の症例をみて、さらに理解を深めていきましょう。

腰椎分離症の治療

まず、前回勉強した腰椎分離症の治療について復習しておきましょう。

骨癒合が望める症例

MRIのT2強調像で高輝度変化を認める症例に対しては、骨癒合を目指すため治療を行います。

具体的には、体幹装具(コルセット)の装着と、最低3ヶ月のスポーツ活動の休止を指示します。

3〜6ヶ月後に再度、CT検査を行い、以下のように対応します。

  • 骨癒合が得られている→ストレッチング指導、スポーツ復帰
  • 部分的骨癒合があり、完全な骨癒合が期待できる→治療を継続し、3ヶ月後にCT再検
  • 6か月後、分離があり骨癒合の可能性がない→ストレッチング指導、スポーツ復帰

骨癒合が望めない症例

MRIのT2強調像で高輝度変化を認めない症例、成人(大学生以上)の症例に対しては、上述の通り対症療法を行います。

具体的には、薬物療法リハビリテーション分離部ブロック伸展を制限する体幹装具などによる保存的な疼痛管理が主体となります。

多くの場合は、対症療法にて競技可能な程度にコントロール可能ですが、保存療法に抵抗し、スポーツ活動や日常生活に著しい支障をきたす場合は手術治療を考慮する必要があります。

症例1

では、実際の症例を見ていきましょう。

  • 症例:8歳 女児
  • 既往歴:なし
  • スポーツ歴:体操
  • 現病歴:幼稚園の体操教室で頻回にブリッジを行っていましたが、1か月前より腰痛が出現しました。腰痛軽減しないため近くの病院を受診したところ、腰椎分離症が疑われたため紹介でやってきました。
  • 身体診察:L5棘突起に圧痛を認め、後屈により腰痛が増強します。下肢の神経学的異常所見は認めません。
  • 画像所見:単純X線側面像および右斜位像にてスコッチテリアの首輪を認め、第5腰椎の分離症が疑われました(図1)。CT検査にて第5腰椎に分離を認め、進行期と考えられました(図2)。MRI検査ではT2強調像で椎弓根内の高輝度変化を認めています。T2強調脂肪抑制の方がより鮮明に所見を確認できます(図3)。

症例1 レントゲン
図1:単純X線像 第5腰椎の分離症が疑われる。

症例1 CT像
図2:CT像 第5腰椎に分離を認め、進行期と考えられる。

症例1 MRI像
図3:MRI像 椎弓根内の高輝度変化を認める。T2強調脂肪抑制の方がより鮮明に所見を確認することができる。

  • 治療:硬性コルセットを装着させ、3ヶ月間の運動禁止を指示しました。
  • 経過:1ヶ月後に腰痛は消失しています。3ヶ月後にCTにて分離部の狭小化を確認したため、治療を継続しています。6ヶ月後、CTにて分離部の部分的骨癒合を認めました(図4)。完全な骨癒合を目指し、現在も治療継続中となっています。

症例1 6ヶ月後CT
図4:6ヶ月後のCT像 分離部の部分的骨癒合を認める。

症例2

もう1つ症例を紹介しておきましょう。

  • 症例:12歳 男児
  • 既往歴:なし
  • スポーツ歴:軟式野球 練習は1日6時間 週2回 都道府県選抜レベル
  • 現病歴:1週間前より、腰痛が出現し、軽減しないために病院を受診しました。
  • 身体診察:L5棘突起に圧痛を認め、後屈により腰痛が増強します。下肢の神経学的異常所見は認めません。
  • 画像所見:単純X線では特に所見を認めませんでした(図5)。CT検査では第5腰椎の右椎弓に亀裂を認め、分離症初期と診断しています(図6)。MRI検査ではT2強調像で椎弓根内の高輝度変化を認めています(図7)。

症例2 レントゲン
図5:単純X線像 特に所見は認めない。

症例2 CT像
図6:CT像 第5腰椎の右椎弓に亀裂を認め、分離症初期と診断した。

症例2 MRI像
図7:MRI像 T2強調像で椎弓根内の高輝度変化を認めた。

  • 治療:硬性コルセットを装着させ、3ヶ月間の運動禁止を指示した。
  • 経過:1ヶ月後に腰痛は消失しました。3ヶ月後にCTにて分離部の部分的骨癒合を確認し、ジョギングなどの運動を開始しています。5ヶ月後にCTにて分離部の骨癒合を認めた(図8)ため、野球への完全復帰を許可しています。

症例2 5ヶ月後 CT
図8:初診時と5ヶ月後のCT像 5ヶ月後のCT像で骨癒合を認める。

症例2のその後

しかし、この症例は1年後に再発してしまいます。

  • 経過:復帰した後、ピッチャーとして2年間、軟式野球を続けていたそうです。1か月前に1日2試合連続登板した後、腰痛が出現しています。その後も野球を続けていましたが、腰痛が改善しないために再度病院を受診しました。
  • 画像所見:単純X線では特に所見を認めていません(画像は割愛します)。CT検査では進行期でした(図9)が、MRIでは椎弓根内の高輝度変化を認めませんでした(図10)。

症例2 2年後CT
図9:2年後のCT像 CTでは進行期であった。

症例2 2年後MRI
図10:2年後のMRI T2強調像 椎弓根内の高輝度変化を認めない。

  • その後の経過:患者、家人ともに野球続行の希望あり、保存的加療は行わずにストレッチ、投球フォームチェックなどの対症療法で経過観察する方針としました。2ヶ月後に腰痛は消失し、現在も野球を続けています。

おわりに

以上、今回は腰椎分離症の実際の症例を紹介しました。

実際の症例を見てみると、経過が非常にイメージしやすいですね。

成長期のスポーツ選手が腰痛を訴える場合、常に腰椎分離症を念頭におくようにしましょう。 

また、一度完治したからといって油断するのではなく、しっかりとストレッチを続け、再発を予防しましょう。

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スポーツドクターを目指す若手整形外科医です。

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