最近発売された整形外科のおすすめ教科書|2022年2月
どうも、こんにちは。
整形外科医のよせやんです。
よせやん
先週は空き時間を使って不動産物件の草むしりをしてました。
めちゃくちゃ単純な作業ですが、やっているといろんなコツを掴んできて面白くなってくるものですね。
そして、この週末は連日当直をしています。
来週は手術が少ないので今週しっかりと当直しておこうと思います。
さて、今日は最近発売された整形外科のおすすめ教科書を紹介をしていきます。
整形外科の常識も日々アップデートされているので、ずっと同じ教科書で勉強するのではなく、ある程度の期間で教科書をアップデートしたり、学会や勉強会に参加して知識をアップデートすることが大切ですね。
勉強してないとホントに時代の流れについていけなくなりますね。
しばらくまた学会もオンラインになるでしょうし、教科書チェックできない方の参考になれば幸いです。
よせやん
Contents
整形外科学レビュー
まず、整形外科全般の教科書です。
整形外科学分野のエキスパートによって選別された2018年8月から2020年7月までの2年間に国内外で発表された最新の文献レビューが集められたです。
広く整形外科関連の最近のトピックスを把握するのに役立つ1冊です。
どんな内容が載っているのか、目次を紹介しておきます。
I章 脊 椎
1. 頸・胸椎
- 1-1.急性期脊髄損傷に対する治療方法
- 1-2.脊柱靱帯骨化症に対する診断と治療
- 1-3.頸椎症性脊髄症に対する手術法
- 1-4.後頭骨・上位頸椎疾患の治療
- 1-5.DISHを伴った脊椎骨折の治療
2. 腰 椎
- 2-1.腰部脊柱管狭窄症に対する手術治療
- 2-2.腰椎椎間板ヘルニア治療の現状
- 2-3.腰痛に対する集学的治療
- 2-4.骨粗鬆症性椎体骨折に対する治療
- 2-5.腰椎椎間板の変性予防と再生治療
3. 脊柱変形
- 3-1.早期発症側弯症に対する手術治療
- 3-2.思春期特発性側弯症の原因・診断・治療
- 3-3.成人脊柱変形に対する手術治療
II章 上 肢
4. 肩・肘
- 4-1.腱板断裂
- 4-2.上腕骨近位端骨折
- 4-3.上腕骨外側上顆炎
- 4-4.上腕骨遠位端骨折
5. 手
- 5-1.手指変形性関節症(母指CM関節症含む)
- 5-2.橈骨遠位端骨折
- 5-3.キーンベック病
- 5-4.手指屈筋腱損傷
6. 末梢神経
- 6-1.腕神経叢損傷
- 6-2.上肢における絞扼性神経障害
III章 下 肢
7. 股関節
- 7-1.特発性大腿骨頭壊死
- 7-2.変形性股関節症
- 7-3.大腿骨近位部骨折
- 7-4.股関節唇損傷
8. 膝関節
- 8-1.変形性膝関節症
- 8-2.前十字靱帯損傷
- 8-3.半月板損傷
- 8-4.反復性膝蓋骨脱臼
9. 足関節・足
- 9-1.変形性足関節症
- 9-2.後脛骨筋腱機能不全症
- 9-3.外反母趾
- 9-4.距骨骨軟骨損傷
IV章 骨軟部
10. 骨腫瘍
- 10-1.良性骨腫瘍・骨巨細胞腫の診断・治療指針
- 10-2.原発性悪性骨腫瘍の治療指針
- 10-3.骨転移の診断・治療指針
11. 軟部腫瘍
- 11-1.良性軟部腫瘍・デスモイド型線維腫症の診断・治療指針
- 11-2.悪性軟部腫瘍の診断・治療指針
V章 基礎
- 1.骨代謝研究
- 2.軟骨代謝・OA研究
- 3.整形外科疾患に関連したゲノム研究
- 4.筋代謝研究
- 5.脊髄損傷に対する再生医療
このように整形外科のメジャーな分野の最近のトピックスを把握することが可能です。
医学の進歩は目まぐるしいものがあるので、知識を最新のものにアップデートしておくいい機会になるのではないかと思います。
よせやん
整形外科卒後研修Q&A
続いて、整形外科卒後研修Q&Aです。
これは整形外科専門医を受ける方には必須の教科書になります。
というか、整形外科専門医を受ける先生はこの問題集だけしっかりとやっていればまず大丈夫だと思います。
専門医試験を突破するために必要なのは、標準整形外科学とこの整形外科卒後研修Q&Aのみです。
僕が専門医試験を受けるときはまだ第7版でしたが、2021年に第8版が発売されました。
専門医試験を受ける人はみんな新しいもので勉強するでしょうから、先輩に第7版のお古をもらうよりはこちらの新しいものを買っておく方が間違いないと思います。
1回改訂されると数年間は改訂されないので、この教科書を買っておけばしばらくは問題ないでしょう。
よせやん
整形外科診察
続いて、整形外科診察スキルの教科書です。
整形外科の診察の教科書はあまり出版されないので、この教科書はとてもためになると思います。
僕もかなり昔に出版された古い教科書を研修医の時からずっと使っていました。
整形外科・運動器疾患の診療において、MRIなどの画像機器の進歩は目覚しく診断技術も向上していますが、そのため医療面接や身体所見を十分とらずに画像検査などの結果のみで診断し、主病因の診断を誤ることがあります。
この教科書は、そうならないように整形外科(運動器)疾患の診察に際し必要な診察スキルに焦点を絞り、“聴いて,視て,触ってわかる”をモットーに執筆されているので、研修医、若手整形外科医をはじめとするメディカルスタッフの方々にとって現場でのファーストタッチとして役立つでしょう。
目次は多すぎて割愛しますが、この教科書に載っているものだけ知っておけば正直十分だと思います。
整形外科診察を今更ながら確認したい先生や、若手の先生には非常におすすめの教科書です。
よせやん
整形外科感染対策エッセンシャルズ
次に、整形外科領域の感染症対策の教科書です。
超高齢社会となっている日本では、高齢患者や糖尿病、透析などのリスクが高い例に対して手術を行うことが増えており、感染の危険性が常につきまとう状況になっています。
適切な感染の予防、診断および治療を行うためには、現時点での世界標準を知ることは大変重要です。
しかしながら、感染のことを勉強する機会は日整会などの単位目的の講義を受ける時くらいしかないのが現状ではないでしょうか。笑
2018年7月に開催された第2回国際コンセンサス会議で採択された整形外科に関連する感染症対策についての合意事項から特に重要な推奨項目を厳選し、整形外科のほぼ全領域を網羅する約160の「クリニカルクエスチョン」に対して推奨とエビデンスレベルを示した上でその根拠を解説してくれています。
感染について勉強する機会はあまりないと思いますが、この教科書は整形外科に特化して感染の最新の考え方を学ぶことができます。
感染について弱いなと思っている方はこの教科書で勉強してみてはいかがでしょうか。
よせやん
糸結びの教科書
最後に紹介するのは、Orthopaedics 2021年9月糸と結びです。
縫合糸については以前に一度だけ記事にしたことがありますが、普通の人は縫合糸について調べたことはなかなかないのではないでしょうか。
この教科書は、縫合糸の種類とその特性、結び方を詳解してくれています。
楽天市場やAmazonで発売されていないので、非常に購入しにくい教科書ですが・・・(時代の流れに乗ってないですね笑)。
手術瘢痕をより綺麗にするため、感染の可能性をより低くするため、強度をより強くするためには縫合糸の種類とその特性、そして結び方を知っておくことがとても大切だと思います。
あまり出ないジャンルの教科書なので、整形外科領域の縫合について今一度勉強したいという方は是非読んで見て下さい。
よせやん
おわりに
以上、今回は最近発売された整形外科のおすすめ教科書を紹介をしました。
今後しばらく学会はまたオンラインになってきてしまうかと思います。
しかし、現地開催で何回か参加した際に最近発売された教科書はたくさんチェックしてきました。
まだまだ紹介してない教科書がたくさんあるので、今後も少しずつ紹介していきます。
よせやん
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