脊椎くも膜下麻酔(腰椎麻酔)後の麻酔高位レベルの確認|下肢のデルマトームと確認部位を覚えよう!
どうも、こんにちは。
整形外科医のよせやんです。
よせやん
今日は整形外科の臨床をしていてよく出会う光景から思ったことを簡単にまとめようと思います。
何かというと、脊椎くも膜下麻酔(腰椎麻酔)後の麻酔高位レベルの確認方法についてです。
何でこんな記事を書こうかと思ったかというと、実臨床で脊椎麻酔後の高位レベルの確認がテキトーだなぁと思うシーンによく出会うからです。笑
整形外科医をはじめ、外科系医師は脊椎くも膜下麻酔を自科麻酔ですることは少なくないですよね。
今一度、きちんと麻酔高位レベルの確認するために、下肢デルマトームと確認する部位を復習しておいてもらえたらと思います。
よせやん
Contents
臨床で出会うワンシーン
整形外科医だと日常的に脊椎くも膜下麻酔をします。
いわゆる脊椎麻酔とか腰椎麻酔と呼ばれる、背中から針を刺して行う下肢や腹部のオペに使われる麻酔ですね。
麻酔をしたらどこまで麻酔が効いているのか麻酔高位レベルの確認を行います。
手術を行うためには、もちろん痛覚を遮断する必要があります。
しかし、痛覚と温覚は同じ神経伝導路であるため、多くのケースでは冷たい氷などを当てて温覚で確認を行うのです。
その時の確認方法を見ていると、この先生はデルマトーム理解してないのかな?と思うことが少なくないのです。
同じ神経領域の部位に少しずらして氷を当てているとか・・・。
よせやん
まあ、手術する部位に麻酔が効いていればそれで良いのですが、不要な副作用を避けるためにもできることならば必要な部位だけ最低限の量で麻酔をかけてあげたいですよね。
例えば、薬の投与量が多いと呼吸困難が生じたり、頭痛が出ることなどがあります。
デルマトームを確認しよう
というわけで、今一度デルマトームを確認しましょう。
これが医学系の人なら誰でも目にしたことがあるデルマトームですね。
Th4が乳頭、Th10が臍とかみんな覚えましたよね。
そういえば昔、全身のデルマトーム模型の動画を見つけて、これめっちゃ欲しいなと思ったことがありました。
全身のデルマトーマ模型
これは・・・ほしい!!
— よせやん@目指せスポーツドクター (@sports_doctor93) February 15, 2020
このデルマトームを覚えておくのが基本になるわけですが、下肢の手術の麻酔で使う場合は一部だけ覚えておけば十分です。
脊椎くも膜下麻酔後の麻酔高位レベルの確認方法
というわけで、覚えておくべきところを紹介していきましょう。
よせやん
- Th10:臍
- Th12:鼠蹊部中央
- L1:Th12とL2の中点
- L2:鼠蹊部中央と大腿骨内上顆を結んだ中点
- L3:大腿骨内上顆
- L4:足関節内果
- L5:足背
- S1:踵骨外側
- S2:膝窩
僕はここで麻酔レベルを確認しています。
まあ、これは脊髄損傷後の損傷高位を確認する際に用いるISNCSCIの所見の取り方なんですが。
あとは、これを応用して膝の手術ならL3以遠が効いている必要があるとか、大腿でターニケットを用いるならL2までは効かせないとか手術内容によって必要な麻酔高位を考え、それに合わせて適量の麻酔ができればベストですよね。
ちなみに、麻酔レベルは「太ももまで効いています」というよりも「L1レベルまで効いています」と神経高位で言った方が、正確に他の方に情報が伝わりますね。
おわりに
以上、今回は脊椎くも膜下麻酔後の麻酔高位レベルの確認に用いるデルマトームと部位を紹介しました。
こういう日常診療で気になったことも記事にしていこうかなと思います。
脊椎麻酔の投与量とか上肢手術の伝達麻酔の時の麻酔高位レベルの確認に用いるデルマトームと確認部位とかの記事も書こうかなぁ。
僕が日常診療で?と思ったところはきっと皆さんも?となるし、気になるところは気になるんだろうと思って少しずつ記事にしていきます。
最近は後輩に教えることも多いので、自分の復讐のための備忘録としても良いですね。笑
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